2017年9月12日火曜日

【イチゴでまちおこし】福島県大熊町、栽培施設等整備DBプロポ公告

福島県大熊町は、約3000人が居住予定の「大川原復興拠点」の整備に合わせ、同拠点内に自然光を利用したイチゴ栽培施設を整備する。

 11日に「栽培施設等整備事業」の公募型プロポーザル手続きを公告した。デザインビルド(DB)方式を採用し、同施設の実施設計と施工を行う事業者を募集する。参加表明書を29日まで受け付ける。

 10月30日~11月8日に企画提案書を受け付け、審査委員会によるヒアリングを経て、11月下旬をめどに候補者を選定する。

 同拠点にはこれまでに、原発事故に伴う廃炉作業などを行う従事者向けの給食センターが整備された。今後は商業・公益施設や住宅などの整備を計画しており、植物工場も拠点機能の一つに位置づけている。震災後、同町では農業活動が行われておらず、復興のシンボルとして自然光を利用した栽培施設を整備する。

 業務名は「大熊町栽培施設等整備事業設計・施工業務」。施工場所は同町大川原西平1023ほかの敷地4万8146平方メートル。都市計画区域で用途の指定はない。建ぺい率は60%、容積率は200%。標高は約60メートル。上水道や電力は敷地内に引き込み、井戸(径311ミリ、深さ120メートル)の掘削も予定。

 応募資格は単独企業またはJV。設計企業は建築士事務所の登録を受け、07年4月以降に1棟の面積が2000平方メートル以上、ICT(情報通信技術)を活用した環境制御システムでイチゴを栽培する太陽光利用型高設養液栽培施設建設工事の設計実績があること。施工企業は経審の建築一式工事の総合評定値が750点以上で設計企業の応募資格と同じ工事の施工実績があること。

 計画によると、敷地内に整備するのは栽培施設が2万平方メートル程度(太陽光利用型耐候性鉄骨フィルムハウス)。太陽光を利用した栽培施設で、一年の一部の時期に収穫する「一季成りイチゴ」と収穫期間が長い「四季成りイチゴ」を栽培する。2000平方メートル程度の育苗施設(親株棟・消毒苗切棟・育苗棟)や1000平方メートル程度の集出荷・管理施設(事務所・選別調整・保冷貯蔵・出荷)、付帯施設も設置する。

 業務内容は、建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事、外構工事、さく井工事に伴う実施設計および施工。履行期間は19年3月29日で、完成後に町に引き渡す。契約上限額は20億6400万円(税込み、設計が9800万円、工事が19億6600万円)。

 12月上旬に仮契約を締結し、12月定例町議会での議決を経て、正式契約を結ぶ予定だ。問い合わせは、産業建設課(大熊町役場いわき出張所、いわき市好間工業団地1の43、電話0246・36・5671)まで。

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