2017年10月2日月曜日

【回転窓】「その日」に備える重要性

 高校生まで静岡県で暮らしていたこともあり、9月1日の防災の日をはじめさまざまな機会に防災訓練を経験してきた。東海地震の発生を想定した訓練だけでなく、富士山の噴火を想定した訓練も行った記憶がある▼東海地震は駿河湾や静岡県の内陸部などを震源とするマグニチュード8クラスの大地震。日本で唯一「直前予知の可能性がある地震」とされ、政府は予知を前提とした「東海地震方式」の防災対策を40年近く続けてきた▼南海トラフ地震の防災対策を検討してきた中央防災会議の有識者部会は「現時点では科学的に確度の高い地震予測はできない」とし、東海地震方式の防災対策を「改める必要がある」と明記した報告書を先月26日に提出。政府はこれまでの対応を早急に見直し、新たな防災対策の構築を進めるという▼日本列島は活動期に入ったとされ、各地で地震が頻発している。数を重ねることで「慣れ」が生じ、これぐらいの揺れなら大丈夫と考えてしまうことも▼「誰でも被災者になる」とは東日本大震災の被災者の言葉。防災対策の前提が変わろうとも、「その日」に備える重要性には変わりはない。

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