2017年10月18日水曜日

【こちら人事部】西松建設「人の魅力を前面に人材確保」

 1874年の創業から140年以上の歴史を誇る西松建設。ここ数年は計画通り100人前後の採用を続けている。

 採用担当の堀部学管理本部人事部人事課長は「ゼネコンの立場で現場で業務を進めていくだけのコミュニケーション能力、最後まで責任を持ってやり切れる能力を持ち、ものづくりに喜びを感じることができる人に集まってほしい」と話す。

 ゼネコンへの入社を希望する建築、土木の学生が減少し、新卒者の獲得競争は年々厳しさを増している。その中で採用を維持するには「人の魅力を前面に出した活動」が決め手だと堀部課長は話す。「西松建設の一番の財産は『人』。学生さんに直接、西松の社員に触れてもらえると、ファンになってくれる」と若手を中心とした同社の社員と学生が直接会話できる機会を設けることに力を入れている。

 会社説明会では、パワーポイントでの会社説明はそこそこに、一般社員と話ができる座談会や懇談会などに多くの時間を割いている。堀部課長は「会話することによって、うちの人間の魅力が伝わり、共鳴してくれる学生さんも多い。社員が、良い思い出も悪い思い出も含めて今までの経験を自信を持って話すことによって、入社後に対する不安を取り除くことができ、ミスマッチをなくすことにもつながる」とその効果を話す。

 採用活動とともに、学生からの質問が多い入社後の教育も充実を図っている。新入社員研修は、入社後2週間を全体研修とし、その後は土木系、建築系、事務系に分かれ、各事業本部で2カ月程度の技術研修を行って各職種に必要な基礎的な知識を習得する。

 最初の全体研修では、学生から社会人への意識転換を図る「個人」、会社の組織や建設業界について学ぶ「会社」、コミュニケーション能力を養う「関係性」の三つを重点テーマにしている。

 教育担当の加藤豊人財育成課長が「中でも特に重要」と話すのが関係性の研修。「われわれの仕事は現場重視。現場では協力会社はもちろん、お客さま、近隣住民といったさまざまなステークホルダーとの良好な関係性を築くことが重要になる」からだ。

 そうした現場監督としての心構えを養うために行っているのが合宿制での研修。新入社員は最初の1週間、ホテルで共同生活を送り、同期との絆を深めながら切磋琢磨(せっさたくま)していく。さらに実際に現場に配属された際の仕事のやり方や不安、悩みを話せるよう先輩社員との懇親の場も設け、「同期同士の横のつながり、先輩との縦のつながりを通し、さまざまな場面でのコミュニケーション能力を養える場面を作っている」(加藤課長)。

 堀部課長は「短い就職活動期間の中でもやり切ってほしい。インターネットで調べるだけではなく、実際に会いに行って、会社の人、雰囲気を肌で感じ、自分に合う会社を見つけてほしい」とアドバイスする。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性92人(うち技術系87人)、女性16人(13人)(2017年4月入社)
 
 【3年以内離職率】13%(14年度新卒)
 
 【平均勤続年数】男性18・9年、女性9・3年(17年3月末時点)

 【平均年齢】43・5歳(17年3月末時点)

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