2017年11月30日木曜日

【回転窓】発展の原動力どこまで

多くの交通インフラが老朽化し、大規模な改良事業が各地で活発化している。新設時とは異なり、供用中の施設の改良・更新の工事にはさまざまな制約が掛かり、施工の難度は増す。周囲への影響も大きくなるケースが少なくない▼利用者にとっては、工事に伴う道路渋滞や駅ホームの混雑などで目的地への移動時間が余計にかかることも。安全・安心、快適・便利に使い続けるには不可欠な工事だと頭では分かっていても、普段通りにいかないとついストレスを感じてしまう▼より良いサービスを一度経験してしまうと、その水準を下回るサービスでは満足できなくなるのが人のさが。パソコンやスマホ・携帯電話などがなかった時代に戻り、記者として今と同じように仕事をする自信は残念ながら持てない▼高水準のサービスを続けるにはコストもかかる。取材先の行政機関の担当者は「人口減少・超高齢化社会で税収増が見込めない中、国民や企業の負担を増やすか、サービスの質や量を落とすか選択を迫られる」と話す▼便利さや豊かさへの欲求は社会・経済発展の原動力でもある。どこで折り合いをつけるかが難しい。

【鉄道と道路の技術を融合】西日本高速会社とJR西日本、新幹線向けトンネル点検技術を共同開発へ

 西日本高速道路会社とJR西日本が新幹線のトンネル覆工点検の効率化を目指し、新たなトンネル覆工表面検査システムを共同開発する。自動的にひび割れを抽出する西日本高速道路会社の保有技術をベースに、特殊カメラを搭載した点検車両を高速走行させながら、トンネル覆工のひび割れを探知するシステムの実用化を目指す。横断勾配や点検時の制約など、高速道路と異なる条件を踏まえて概略検討や設計検討を進め、早期の実用化を目指す考えだ。

JR西日本が保有する撮像車両
トンネル覆工点検の効率化に向け、両社とも画像等を用いた非破壊・非接触の点検システムを保有。JR西日本では専用車両を走行させながらレーザービームでトンネル全周のスキャニングを行い、連続壁面画像を作成して覆工内部の変状を抽出する「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」(SATUZO)を02年から導入している。

 一方、西日本高速道路会社では、超高解像度のトンネル覆工面撮影技術や覆工面展開図の自動貼り合わせ技術、自動ひび割れ抽出技術により、覆工コンクリートの状況を効率的に確認できる道路トンネル覆工点検システムを14年に開発している。

西日本高速道路のトンネル覆工点検車
ラインセンサーカメラと赤外線照明を搭載した点検車両「eQドクターT」を最高速度100キロで走行させてトンネル覆工を撮影し、その画像から、ひび割れ(最小幅0・2ミリ)を自動的に抽出してデジタル図面化することができる。

 新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の開発に当たっては、高速道路用と新幹線用では異なる▽横断勾配の違いによるカメラフォーカスや照明方式▽点検時における制約条件(撮影速度、位置)▽撮影機器の設置制約-の三つの特徴を踏まえ、両社で設計検討などを計画的に進めていく方針だ。

【オープン予定は18年4月】レゴランドジャパン、ホテルと水族館の整備進む

 レゴランドジャパンは屋外型テーマパーク・レゴランドジャパン隣接地に建設中の「レゴランドジャパンホテル」と水族館「シーライフナゴヤ」が18年4月にオープンすると発表した。

 28日、名古屋市港区金城ふ頭にあるレゴランド内でトーベン・イェンセン社長が記者会見して明らかにした。テーマパークとホテル、水族館を合わせて「レゴランドジャパンリゾート」となる。いずれも施工は大林組が担当している。

 イェンセン社長は会見で「テーマパーク、ホテル、水族館が一緒になったリゾート。いろいろな仕掛けもある。楽しみにしてほしい」と話した。

 同ホテルは7847平方メートルの敷地にRC造8階建て延べ1万6087平方メートルの規模で建設されている。客室は4種類252室。1階にエントランス、ウオーターエリア、クリエーティブワークショップ、2階にレストランなどを設ける。3~8階の客室は、フロアによって異なるテーマの内装を施し、何度でも楽しめるよう工夫する。

 併設される水族館は、RC造2階建て延べ2098平方メートル。開業は4月15日の予定。5~12歳をターゲットに、「見て、さわって、学んで」体験できる施設を目指す。館内各所にはレゴモデルが配置され、コラボレーションを楽しむことができる。

 「レゴランド・ジャパン」は、名古屋市国際展示場に隣接する約9・3ヘクタールに整備され、今年4月にオープンした。

【仙台高専の生徒も参加しました】日塗装宮城支部、仙台市内の公園でボランティア活動

 日本塗装工業会(日塗装)宮城支部(松川多喜夫支部長)が仙台市泉区の七北田公園でボランティア活動を行った。11月16日の「いいいろ塗装の日」に合わせた行事で、昨年に続いてトイレやベンチなどを塗り替えた。

 会員企業から8人が駆け付け、仙台高等技術専門学校塗装科の生徒10人が初めて参加。生徒たちは実際の現場で活躍する職人から指導を受けながら丁寧に塗装作業を行った。生徒からは「座学では学べないことを体験できた」などの声が聞かれた。松川支部長は「今後もボランティア活動や学生との交流を続けたい」と話していた。

【連載・鉄筋EXPO2017 ②】技能大会で〝最強〟鉄筋工が誕生

 ◇採点や解体作業にもプロの技◇

 鉄筋EXPO2017の2日目のメイン行事は、全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)が主催する第2回全国鉄筋技能大会だ。出場したのは各地の予選を勝ち抜いた精鋭37選手。「TETSU-1グランプリ」として、日頃現場で鍛え上げた技を披露し、「最強鉄筋工」の称号を目指して競い合った。

 大会は、一昨年に富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で開かれたのに続いて2回目の開催。会場には、選手を応援しようと所属企業や団体からも多くの人たちが駆け付け、開場前の入り口には朝から長蛇の列ができていた。

 競技では、床面を基礎捨てコンクリート上端と見立て、「鉄筋組み立て用図面」に示す基礎、柱、梁の取り合い部の組み立て作業を行う。前回大会と異なるのは、鉄筋EXPOという首都圏での大舞台が用意されたことだ。一般来場者を含め、鉄筋工のすごさを見せつける絶好の機会にもなる。

 午前の前半組、午後の後半組に分かれて競技が行われ、標準時間は1時間20分。1時間40分で打ちきりとなる。普段は現場で人知れず黙々と作業する選手たちだが、会場を取り囲む多くの観衆が見守る緊張した環境下での作業を強いられる。

 それでも多くの選手が平常心を保って競技は進行。標準時間を残し、1時間ほどで組み上げる選手も多数出て、プロの職人が見せる「すご技」に会場から拍手を送る場面が何度も見られた。

 ◇採点や解体作業にもプロの技◇

 競技自体は37人の選手で争ったが、終了後の採点員、組み上がった鉄筋をばらす解体作業に当たったスタッフの迅速な動きもまた、プロの職人技を来場者に見せるものとなった。

 優勝(国土交通大臣賞)の栄冠を手にしたのは関西代表の谷口圭選手(富田興業)。2位(国交省土地・建設産業局長賞)には静岡県代表の立野匡昭選手(長友鉄筋工業)、3位(全鉄筋会長賞)には新潟県代表の渡辺博一選手(SUN興業)が入った。

 表彰式で後援団体を代表してあいさつした建設業振興基金の内田俊一理事長は、「それぞれの会社で中核となって活躍されているであろう皆さんが腕を磨くことが、後輩たちに大きな力を与え、若者たちにも誇りを持って働くことができる建設業界の姿を伝えていくことになる」と述べ、建設業界で最大の課題とされる担い手確保・育成に果たす大きな役割に期待を示した。

 優勝した谷口選手は、関西地区でマンション工事の現場を中心に活躍する職人。大会に向けて1カ月ほど前から準備を重ね、「(課題を)50回ぐらいは組んだ」という。

 一般来場者も見守る競技を通じて、「若者たちがこういう世界に足を踏み入れるきっかけになればと思う」と話した。

 表彰式では、表彰状、優勝カップ、賞金、副賞として鉄筋による特製のゴルフパターを手にし、「協力してくれた会社や仲間、そして家族に感謝する。今後も日々精進を重ねていく。あすからも魂込めて『結束』します」と宣言した。

2017年11月29日水曜日

【回転窓】経営の神様の国土創成論

 「経営の神様」と称される松下幸之助が残した著書や名言は多く、小欄でもたびたび引用させてもらっている。日本埋立浚渫協会の広報誌「マリンボイス21」(Autumn2017)に掲載された古土井光昭氏の講演録から、この偉大な経営者に、新しい国土のあり方を提言した著書があるのを知った▼題名は『新国土創成論』(1976年、PHP研究所)。国土の狭さから来る行き詰まりを打開し、国全体の均衡ある発展を可能にする新国土を200年かけて創成するという提案である▼山岳森林地帯の一定割合を開発整備するなどして有効可住国土を拡大。これにより、「過疎過密のない国土」「快適でゆとりある住まい」「安定した食料の自給」「自然の猛威を克服」などの成果を生み出す▼人口減少が始まった現在とは状況が異なるが、日本の未来を見据えた壮大なビジョンの内容に驚かされる。資金調達や人手の確保についても提言しているのはやはり経営者としての鋭い視点があってのことであろう▼松下は「国家の大計を打ち立てることが急務でないかと思うのです」と書く。この必要性は現代にも共通する。

【辰野金吾設計の駅舎が引っ越し中】南海浜寺公園駅旧駅舎の曳き家工事スタート

 南海電気鉄道は28日、浜寺公園駅(堺市西区浜寺公園町2)旧駅舎の曳き家(ひきや)工事の現場を報道関係者に公開した。建物を油圧装置で基礎から切り離し、レール上で南西へ3日間で約30m移動させる。

 「南海本線(堺市)連続立体交差事業」で旧駅舎は高架化する駅舎の正面玄関としての機能を担う。同事業4工区(浜寺公園駅部)の施工は大林組・南海辰村建設・佐藤工業・三井住友建設JVが担当。国有形文化財の旧駅舎はW造平屋約200平方メートル。辰野金吾が設計した。連立事業に伴い16年1月に駅舎としての使用を停止した。旧駅舎は28日と12月1日に南西方向に約20m、18日には西方向に約10m移動させる。

 曳き家に先駆けて実施した構造補強の調査を行ったところ、従来は構造材の柱・梁・斜材などを露出させ構造材以外をモルタルで仕上げた「ハーフティンバー様式」と考えられていたが、旧駅舎の斜材などは構造材でなく装飾材であり同様式でもないことが判明した。「登録有形文化財浜寺公園駅舎曳家外工事実施設計業務(その2)」はネオジオ(大阪府富田林市)が担当。

 堺市・南海電鉄が進める南海本線の連立事業は堺市から大阪府高石市までの約2・7kmを高架化する。堺市域の延長約2・3kmと高石市域の延長約0・4kmを高架化して7カ所の踏切を取り除き交通渋滞や事故を解消する。事業の完了予定は28年3月31日で同4月の開業を目指す。堺市は13年度に駅舎の活用プランと、新設高架駅舎、周辺景観のデザインを募るコンペを実施し、アプル総合計画事務所(東京都文京区)の作品を最優秀に選定した。

【キャリアアップなどで意見交換も】土木技術者女性の会東日本、外環道・中央JCTで現場見学会開く

 ◇キャリアアップや働き方など意見交換も◇

 土木技術者女性の会東日本支部(小林千佳支部長)は25日、東京外かく環状道路(外環道)の中央ジャンクション(JCT)関連工事の現場見学会を開いた。

 建設中の外環道都内区間(延長約16キロ)のうち、中央道と接続する地下JCTの構築を進める各工区を見学した後、参加者らによる意見交換会を行った。

 冒頭、小林支部長は「都心の目玉プロジェクトで、現場も最盛期を迎えている。少しでも多くのことを吸収し、今後に役立ててもらいたい」とあいさつした。

 見学会には土木技術者女性の会、東京外環プロジェクトの女性技術者の会のメンバーら40人が参加。関東地方整備局の担当者が事業概要を説明後、各工区の施工を担当する建設会社の女性技術者が現地の状況や作業内容、安全・環境対策などを紹介しながら現場を見て回った。

 見学会後の意見交換会では、現場担当の女性技術者が学生時代から進路決定までの経緯のほか、1日の仕事の流れや趣味などプライベートとの両立に向けた取り組みなどを紹介。続いて行われたグループディスカッションでも活発に意見を交換した。

 参加者からは「職場ではなかなか話を聞けない内容について知見を得た」「自分の将来像について少し具体化することができた」「目の前に頑張っている先輩がいることを知って力を得た」などといった声が聞かれた。

【連載・鉄筋EXPO2017 ①】鉄筋テーマに語り・見せ・楽しむイベント開催

 「鉄筋EXPO2017」(主催・鉄筋EXPO2017実行委員会)が24日から26日まで、千葉市の幕張メッセを会場に行われた。世界初の鉄筋に関する博覧会には、約130の企業や団体が参加し、鉄筋に関する最先端の技術・サービスを紹介した。鉄筋業界の未来を語り、職人の技を見せ、そして来場者参加型で鉄筋を楽しむ。そんな趣向で繰り広げられた3日間のイベントをリポートする。

 ◇来場者参加型で〝鉄筋〟の魅力発信◇

 「鉄筋に関わるすべての人に、鉄筋に関するすべてを発信し、日本の技術を世界にも発信する」

 24日の開会式で実行委員長の館岡正一全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)副会長はこう述べ、全鉄筋、日本鉄筋継手協会、全国圧接業協同組合連合会、普通鋼電炉工業会の共催、さらに多くの後援を得て開催できたことに感謝の意を示した。

 実行委を組織したのは16年7月。毎月打ち合わせを重ね、企画を練り上げた。企業・団体が新製品などをPRするブースを開設し、ステージを使った行事として初日が「鉄筋の現状と未来」を関係者が語り合うシンポジウム、2日目が第2回全国鉄筋技能大会(TETSU-1グランプリ)、3日目がクイズ大会や結束リレー選手権など参加型のイベントを展開することにした。

 初日のシンポジウムでは、千葉大大学院工学研究院融合理工学府建築学コースの和泉信之教授をコーディネーターに、鉄筋メーカー、設計者、総合建設業、鉄筋工事業、継ぎ手工事業、検査業のそれぞれの立場で登壇者が意見を出し合うパネルディスカッション「鉄筋の現状と未来-これからの10年を見据えて」を行った。

 和泉教授が最初に、他産業と比べて建設業従事者の減少と高齢化の割合は高く、鉄筋業の将来を見据えると、「生産性の向上と施工品質の保証がキーワードになる」と討論の視点を提示した。

 各パネリストの意見表明では、普通鋼電炉工業会鉄筋棒鋼技術委員長の大橋茂信氏(所属会社・東京鉄鋼)が「生産性向上に寄与する製品・工法の開発を進めていきたい」、日本建築構造技術者協会会長の森高英夫氏(安井建築設計事務所)が「BIMで配筋の状況も簡単に確認できる。情報化が大きな変革をもたらす」、日本建設業連合会の草地裕一氏(大成建設)が「合理的な管理体制や新たなユニット工法を構築する必要がある」と述べた。

 ◇合理化進んでも人材育成の重要性は不変◇

 全鉄筋青年部会代表幹事の赤澤栄徳氏(赤澤鋼業)は「単価ではなく、対価をもらう仕組みにしなければならない」と指摘。「良い仕事をした者が適切な賃金をもらえるビジネスモデルを構築することが必要だ」と訴えた。

 全国圧接業協同組合連合会青年部会長の足立真規氏(太陽圧接)、鉄筋継手検査業協会理事の前川真一氏(ダンテック)もそれぞれの立場で意見表明した。

 生産性向上の一方、「いくら合理化が進んでも、人を育てる重要性は変わらない」と、これまで同様に人材育成が欠かせないと指摘する意見もあった。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/18年国内受注15%減予想

2018年の国内建設受注が今年より15%減の133兆ウォンにとどまるとの見通しが示された。来年の住宅売買価格は全国的に小幅下落して、新築住宅の許認可件数と分譲物件量がいずれも減少するなど、「住宅3年好況」が下り坂に入るだろうと予測されている。

 韓国建設産業研究院が8日にソウル市で開いた「2018年建設・不動産景気展望セミナー」で明らかにした。

 建産研は、国内建設景気が民間住宅受注を中心に本格的な下落傾向に入るだろうとみる。来年の国内建設受注は、今年の受注見通し(156兆5000億ウォン)より23兆5000億ウォン少ない数値となる。歴代最高値だった16年の164兆9000億ウォンをピークに前後3年間持続した受注好調傾向が終わる。

 民間受注は91兆3000億ウォンで16.9%減少し、全体の減少傾向を主導すると見込まれる。公共受注は41兆7000億ウォンで10.5%減が見込まれる。来年の政府の社会資本予算案が歴代最大幅である20%、4兆4000億ウォンも削減されたのが大きい。来年の建設投資の増加率も大幅に鈍化(7.0%→0.5%)すると予想した。

 建産研のイ・ホンイル経営金融研究室長は「建設受注の下落傾向が来年は本格化し、今後2~3年間は持続するだろう」とし、「19年の不況局面への進入に備えた景気軟着陸防止策が必要だ」と指摘した。

CNEWS、11月10日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/JFEスチールが国立土木工学大学に短期講座開設

 国立土木工学大学(NUCE)と越日高度技術研究所(VJIAT)は6日、ハノイ市の同大学でJFEスチールが提供する短期講座の開講式を開いた。

 鋼構造エンジニアの育成を目指し、3カ月間の特別講座で同社の技術や日本とベトナムの事例について講義する。当日は、JFEスチールベトナムの福島功社長が出席した。

 NUCEとJFEスチールは、これまでもワークショップ開催や「つばさ杭工法」に関する共同研究などを実施してきた。同社は、講座を通してベトナムの若手技術者の育成に貢献するとともに、JFE製品・技術の周知も図りたい考えだ。

セイ・ズン、11月11日)

2017年11月28日火曜日

【人工繊維打ち込み方式で耐久性強化】ノエスタ神戸、ハイブリッド芝導入プロジェクトが始動

 神戸市兵庫区の御崎公園内にある球技専用のノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)で、ピッチにハイブリッド芝を導入するプロジェクトが始動した。

 事業は佐藤工業が施工する「御崎公園球技場地温コントロールシステム他改修工事」、神戸ウイングスタジアム(神戸市兵庫区、安積英樹社長)が担当する「御崎公園球技場芝生張替え等業務」、ヴィッセル神戸スポーツクラブ(神戸市兵庫区、三木谷研一代表理事)が担当する「御崎公園球技場ハイブリッド芝導入業務」で構成。10月末に着工しており、契約工期は来年3月末まで。神戸市は来シーズンのJリーグ開幕を見据え工期短縮を目指している。

 ノエスタ神戸に導入するハイブリッド芝は、天然芝のピッチに人工繊維を打ち込み芝生の根が成長して絡み合うことで強度を高める「人工繊維スティッチング方式」と呼ばれるタイプ。昨年10月にテスト敷設して性能を検証した欧州で実績がある製品で、ヴィッセル神戸スポーツクラブが国内導入の代理店契約を結んでいるという。

 Jリーグはハブリッド芝の導入を17年度から解禁。スタジアム検査要項を改定し、リーグが認めた仕様(ピッチ全体で天然芝と5%以下の人工芝を組み合わせ)であれば、公式戦が開催できるようにした。ノエスタ神戸はラグビーワールドカップ2019日本大会の試合会場にもなっており、より耐久性が高いピッチを確保する必要があった。総天然芝のピッチを維持する方法は冬場と夏場で芝を張り替える方法が一般的だが、大屋根が掛かっている場合、芝に育成に不可欠な日照確保が難しく、通気機能やピッチ温度のコントロール、使用頻度といった問題もある。

 大規模スタジアムのピッチ全面をハイブリッド芝にする事例はノエスタ神戸が初めて。ラグビーW杯の開催を見据え、味の素スタジアム(東京スタジアム、東京都調布市)や日産スタジアム(横浜国際総合競技場、横浜市北区)でも導入に向けた検討・準備が進んでいる。

【回転窓】税金は取るべき所から

「タックスヘイブン」は「租税回避地」のこと。ところが、この言葉の後半部分の「ヘイブン」を「ヘブン」と誤って覚えている人が随分多いという話を聞いた▼英語で避難所を意味する「haven(ヘイブン)」と、天国や楽園を表す「heaven(ヘブン)」。少し前の「パナマ文書」や、最近明るみに出た「パラダイス文書」などの報道を見るにつけ、むしろヘブンの方が実態をよく表しているのではないかと思われる▼直訳すれば「税金天国」。役所言葉のような租税回避地と違って身もふたもない表現になるが、その回避地が多いカリブ海の島々に降り注ぐまばゆい陽光や真っ青な海とも相まって、妙にしっくりくる▼実際、フランス語やドイツ語では天国や楽園を意味する語が当てられているそうである。いっそのこと日本語も天国に変えてしまったらどうだろう▼年末の来年度政府予算案の編成に向けて、税制に関する議論も活発になっている。歳出圧力の強まりに対し、財源確保の議論はなかなか進まないのが常である。税金は「取りやすい」所ではなく「取るべき」所から取る。そこを徹底してもらいたい。

【豆腐だってつかめちゃう】アズビル、次世代スマートロボ開発

 アズビルが次世代スマートロボットを開発した。同社の制御技術やセンシング技術を結集させ、豆腐などの軟らかい物を壊さずに持ち運べるようにするなど高度な力調整を行えるのが特徴だ。

 ロボットのアームを直接持って動かすことで、その動きを記憶させ、同じ動作が行える「ダイレクト教示(ロボットに作業指示を行うこと)」の機能を備える。精密機械の組み立て工場をはじめ、精密な作業が求められる工程など、幅広い用途での活用を見込んでいる。

 同ロボットは、つかむものの固さを自動で検知し、力加減を制御して人と同じように豆腐などの軟らかなものを持てるのが特徴だ。この技術を活用することで、複雑な力調整が必要な作業を代替できるようにしたいという。

 ダイレクト教示によってロボットのプログラミング作業を大幅に削減した。生産ラインの自動化に活用されている産業ロボットは、教示に複雑なプログラミングが必要で、ロボットの導入には、専門知識や初期設定に大幅な時間を要していた。

 この課題を解決するため、同社では、ロボットのアームを直接持って動かすことで、その動きを記憶させ、同じ動作を行えるようにするダイレクト教示を考案。ロボット操作に不慣れな利用者でも簡単に使えるようにした。

 今後は、同ロボットの性能をPRしながら、アプリケーションなどの開発を同時に進め、幅広い用途での活用を目指す。同ロボットは、29日~12月1日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる計測展2017で公開していく予定だ。

【記者手帖】街並みタイムスリップ

〈行春や鳥啼魚の目は泪〉。「奥の細道」出立の地、江戸・千住で松尾芭蕉が詠んだ句だ。上野や谷中の桜の木のこずえを再び見ることができるだろうか。そんな旅の前途への不安を詠んだものとされる◆時折、ふらっと句碑や歌碑を巡る旅に出る。これが思いのほか楽しい。彼らが当時どのような景色を見て心を動かしていたのかを想像しているうちに、自分もその時代にタイムスリップしたかのような感覚を得られるからだ◆正岡子規が余生を過ごした東京・東日暮里には、〈雀より鶯多き根岸かな〉の句碑がある。JR鶯谷駅が近くにある。今、あの辺りでウグイスの声を聞くことは少ないと思うが、江戸時代にウグイスの名所だったことが地名の由来ともいわれる◆句碑に残るはずもないが、現代の街並みを自分で俳句にしてみたいと思うことも。ビルが立ち並んで画一化されつつある風景の中、どうやって個性のある句にしようかと考えるのもまた一興。そして万が一、それが後世の人の目に触れ、同じようにタイムスリップしてくれたら…。考えるとわくわくする。(結)

【男子1部優勝は竹中工務店】秋の建設業硬式テニス大会、男子17社・女子9ペア参加し熱戦

男子1部優勝の竹中工務店チーム
17年度秋季建設業硬式庭球大会(主催・建設業硬式庭球連盟、後援・日刊建設工業新聞社)が18日、東京都昭島市の昭和の森テニスセンターで開かれ、男子団体リーグ戦(1~4部)に17社、女子ダブルス個人戦に9ペアが参加した。

 男子団体戦は、四つのリーグに分かれて熱戦を展開。1部リーグは竹中工務店が優勝。2部リーグは清水建設、3部リーグは前田道路、4部リーグは東鉄工業がそれぞれ制した。
女子1位トーナメント優勝の加藤玲子・加藤恵ペア
女子ダブルス個人戦は、予選リーグの結果に基づく順位別トーナメントが行われ、1位トーナメントで加藤玲子・加藤恵ペア(大成建設)、2位トーナメント(コンソレーション)で阿部里衣菜・阿部菜々子ペア(安藤ハザマ)が栄冠を手にした。

 今大会の幹事会社・五洋建設の高賀茂洋文氏(建築営業本部)は大会を終えて「雨を心配したが、無事に終えることができてよかった。大会自体も活気があり、今後も大会を通じて交流を図り、盛り上げていきたい」と話した。

 各リーグ・トーナメントの順位は次の通り。

 【男子】

 〈1部リーグ〉

 ▽優勝=竹中工務店▽2位=大林組▽3位=西松建設▽4位=鹿島▽5位=鉄建建設

 〈2部リーグ〉

 ▽優勝=清水建設▽2位=フジタ▽3位=東急建設▽4位=五洋建設

 〈3部リーグ〉

 ▽優勝=前田道路▽2位=安藤ハザマ▽3位=大成建設▽4位=日本道路

 〈4部リーグ〉

 ▽優勝=東鉄工業▽2位=京王建設▽3位=株木建設▽4位=前田建設

 【女子】

 〈1位トーナメント〉

  ▽優勝=加藤玲子・加藤恵ペア(大成建設)▽2位=五味雅子・田中千恵子ペア(大林組)

 〈2位トーナメント〉
 ▽優勝=阿部里衣菜・阿部菜々子ペア(安藤ハザマ)▽2位=秋葉さおり・野村明美ペア(フジタ)

【新国立建設現場を公開】日建連市民現場見学会、参加者300万人達成

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は25日、2020年東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の整備事業の工事現場(東京都新宿区)で、市民現場見学会の参加者300万人の達成を祝うイベントと中高生を対象にした記念見学会を開いた。

 300万人目となった中学2年の大倉波奈さんに山内会長が五輪にちなんで金メダルを贈呈。現場に記念の大幕を掲げて達成を祝った。

 市民現場見学会は、合併前の旧日本土木工業協会(土工協)が建設業の役割とものづくりの醍醐味を多くの市民に知ってもらおうと02年にスタート。300万人は8万回にわたる足かけ15年での達成となった。達成イベントの冒頭、山内会長は「300万人達成を祝うことができ、大変うれしく思う」と喜びを語った。その上で「新国立競技場の完成と五輪の開会式を心待ちにしてほしい。このような地図に残る仕事に携わることができるのが建設業の魅力であり、一端に触れてほしい」と述べた。

300万人目として山内会長から金メダルを贈られた中学2年の大倉波奈さん(写真左から2人目)は、女子小中学生と保護者を対象に行っている「けんせつ小町活躍現場見学会」に参加したこともある見 学会のリピーター。

 現場を見学した後、「うれしい」と300万人目となった感想を話し、「いくつかある将来の候補の中で建設業が気になっている。働いているお姉さんがかっこいいので、頑張ってほしい」と工事関係者にエールを送った。

 299万9999人目の吉田勇太さん(高校3年、写真左端)、300万0001人目の工藤春奈さん(同、写真右端)にはそれぞれ銀メダル、銅メダルが贈られた。

 この日の見学会では、大成建設東京支店新国立競技場整備事業作業所の廣作利香副所長、末田優子工事主任が工事概要の説明や引率を担当。急ピッチで作業を進めるためのプレキャスト(PCa)工法や施工性に優れる架構などを紹介した廣作副所長は「たくさんの女性も安心して仕事を行っている」と説明し、「一人でも興味を持ってくれるとうれしい」と述べた。

【全鉄筋TETSU-1GP、幕張メッセで開催】鉄筋工日本一は関西代表の谷口圭選手!!

 全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)が主催する「第2回全国鉄筋技能大会(TETSU-1グランプリ)」が25日、千葉市の幕張メッセを会場に開かれた鉄筋EXPO2017(24~26日)内で行われた。全国の予選を勝ち抜いた37人の選手が出場。関西代表の谷口圭選手(富田興業)が優勝し、最強鉄筋工の座に輝いた。

 今大会は、一昨年の富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)での第1回大会に続き行われた。会場には、朝から参加選手を応援しようと所属組合や企業から大勢が詰め掛け、一般来場者を含む観衆が見守る中、現場で日頃鍛えたプロの技を惜しみなく披露。女性職人や外国人選手も出場した。実行委員長の館岡正一全鉄筋副会長は、「これが鉄筋工の職人魂だというところを見せてほしい」と参加選手を激励した。

 競技は、床面を基礎捨てコンクリート上端と見立て、「鉄筋組立て用図面」に示す基礎、柱、梁の取り合い部の鉄筋組み立て作業を制限時間内で行う形で実施。標準時間を1時間20分、打ち切り時間を1時間40分と設定し、37人の参加選手を午前の前半組、午後の後半組に分け進行した。

 優勝者に贈られる国土交通大臣賞を手にした谷口選手は喜びをかみしめて「あすからも魂込めて『結束』します」とさらなる精進へ決意を語った。2位(国交省土地・建設産業局長賞)に静岡代表の立野匡昭選手(長友鉄筋工業)、3位(全鉄筋会長賞)に新潟県代表の渡辺博一選手(SUN鋼業)が入った。

 来賓の国交省土地・建設産業局建設市場整備課の勝瑞智章企画専門官は、「全国から選ばれた選手が匠(たくみ)の技を披露し、技能継承にも貢献する意義深い取り組みだ」とする田村計局長のあいさつを代読。建設業振興基金の内田俊一理事長は「皆さんの背中を見ている後輩たちに大きな力を与えるだろう」と述べた。

【五輪新設会場の初弾、多摩地域のスポーツ拠点に】武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)が開業

武蔵野の森総合スポーツプラザの全景
(提供:東京都)
 ◇20年東京五輪新設会場の初弾◇

 東京都は25日、2020年東京五輪に向け都が新設する会場として初めて完成した「武蔵野の森総合スポーツプラザ」(調布市)のオープニングイベントを開いた。同施設は19年ラグビーワールドカップの会場、20年五輪ではバドミントン、フェンシング(近代五種)、車いすバスケットボールの会場となる。

 同日にはオープニングセレモニーが開かれ、小池百合子東京都知事、鈴木俊一東京五輪担当相、竹田恆和日本オリンピック委員会会長、鳥原光憲日本パラリンピック委員会会長、長友貴樹東京都調布市長、清原慶子同三鷹市長、高野律雄同府中市長らが出席した。

 小池知事は「多摩地域のスポーツ拠点となり、地域全体の活性化にも貢献し、皆さんに末永く愛される施設としたい。東京五輪は国民とつくり上げる大会にしたい」と述べた。

 イベントでは、車いすバスケットボールのエキシビションマッチがメインアリーナで行われたほか、サブアリーナではバドミントン元日本代表の小椋久美子さんらトップアスリートがこどもたちに実技指導をした。

 所在地は調布市飛田給1の1の41ほか。施設はメインアリーナ棟(SRC一部RC造地下1階地上4階建て延べ2万7603平方メートル)、サブアリーナ・プール棟(同地下1階地上3階建て延べ2万1517平方メートル)、西競技場などで構成。メインアリーナは最大1万人の収容が可能だ。

【6000席増設、横浜公園との一体化めざす】横浜スタジアム増築・改修が始動

 横浜スタジアム(岡村信悟社長)は25日、横浜市中区横浜公園にある横浜スタジアムの増築・改修工事の起工式を現地で行った。

 観客席を6000席増設するほか、回遊デッキなどの新たな機能を付加し、地域とつながった「ボールパーク」の創出を図る。設計は清水建設、施工は清水建設・馬淵建設・大洋建設JV、コンストラクションマネジメントは山下ピー・エム・コンサルタンツがそれぞれ担当。20年2月末の竣工、同3月の供用開始を目指す。事業費は約85億円を見込んでいる。

 施設の老朽化と収容人数不足への対策に加え、同スタジアムが2020年東京五輪で野球・ソフトボールのメイン会場となることも踏まえたリニューアル事業。増築部分は建築面積5950平方メートル、S造4階建て延べ約1万2000平方メートルの規模となる。

 計画によると、収容人数を現在の約2万9000人から約3万5000人に増やす。増設部分は、1、3塁側とバックネット裏のスタジアム外側にせり出す形で設置。市街地を一望できるデッキ席や個室席なども新設する。このほか、横浜公園との一体化、内外野間の回遊性を高めるデッキの新設、スロープやエレベーターの新設によるバリアフリー化なども併せて進める。

 起工式では岡村社長、横浜DeNAベイスターズの南場智子取締役オーナー、清水建設の宮本洋一代表取締役会長らが鍬入れを行い、工事の安全を祈願した。

 岡村社長は「長年にわたり地域に親しまれてきた球場。スタジアムと街がつながった新たな都市空間を創出し、名に恥じぬ施設にしたい」とあいさつした。

 設計・施工者を代表して宮本会長は「横浜の大切な施設の施工を担当できて光栄。試合やイベントを優先させながらの工事となる。市民やファンの安全を最優先に工期内の完成を目指す」と決意を述べた。

2017年11月27日月曜日

【回転窓】生涯学び続ける能力を

ICT(情報通信技術)の次はIoT(モノのインターネット)にAI(人工知能)…と最近の紙面に頻出するこれらの用語も、使い始めのころは何を意味しているのか、どう表現したらよいのか悪戦苦闘した。これからも新しい用語が数多く出現するだろう▼建設業に従事する技術者や技能者は、用語の意味だけでなく、内容を身に付け使いこなすまで理解を深める。人命や財産、日々の生活などを預かる職業である。長く携わっていくには、生涯学び続けることが欠かせないだろう▼国土交通省が、人づくり革命と働き方改革の一環として、建設技術者・技能者が新たな技術・技能や知識などを学ぶ「建設リカレント教育」を打ち出した。地域や業界、教育訓練機関などが連携した取り組みを支援し、「育成」を後押しするという▼ものづくりの精神を後進に伝えるためにも担い手の確保・育成は重要課題。官民で建設従事者の処遇改善に取り組み、若年層の入職も徐々に増えるなど成果が上がってきている▼学び方をきちんと身に付けておけば、生涯にわたって資質向上に努めることができる。新たな取り組みに期待する。

【東京モード学園とコラボ】全建協連ユニフォームデザインプロ、最優秀賞決まる

 全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は24日、建設業のイメージアップなどを目的に東京モード学園と行ってきた「ユニフォームデザインプロジェクト」の最終審査と表彰式を東京都新宿区の同校コクーンホールで開いた。

 「最先端かつ新鮮な誰もが着たくなるデザイン」をテーマとした作業着案497点の中から、男性用と女性用で最優秀賞1点、優秀賞2点をそれぞれ決定した。

 最優秀賞に輝いたのは男性部門が森美哉子さん(ファッションデザイン学科2年)、女性部門が鈴木茜理さん(同)の作品。森さんの作品はレーシングスーツのようなイメージを表現。鈴木さんの作品はポケットの位置を左右で変え、アシンメトリーなデザインとしたのが特徴となっている。

 審査委員長を務めた宮崎桂日本サインデザイン協会会長は「アイデアと機能性の兼ね合いが考えられていた」と講評した。

 受賞後森(写真㊧)さんは「選ばれると思わなかった。うれしい」、鈴木さん(写真㊨)は「(現場で働く人に)ユニフォームが少しでも良いものになれば」と喜びを語った。

 優秀賞には、男性部門で荒木絵利加さんと唯野礼菜さん、女性部門で石神りささんと榊莉奈さんの作品がそれぞれ選ばれた。

 青柳会長は「おしゃれな作業着があれば、一層楽しく働けそうだ」と新しい作業着のデザインへの期待を述べた。最優秀、優秀賞の受賞作品は試作品を製作し、18年2月15日に発表する。

【複合施設に生まれ変わるよ】大浜体育館建替PFI(堺市堺区)、大和リースら8社グループに

 堺市はPFIを導入する「大浜体育館建替整備運営事業」の事業者を大和リースを代表者とするグループに決めた。構成員は梓設計、高橋建築設計事務所、熊谷組、南海辰村建設、堺土建、東急コミュニティー、ルネサンスの7社。

 現体育館(堺区大浜北町5の7の1)より1・5倍広い延べ床面積1万2905平方メートルの新施設を南側隣接地(堺区大浜北町4の3の50)に計画。アリーナや武道館、トレーニング室などを備え、観覧席は現体育館比4・7倍の3048席を確保する。18年4月に設計・建設に着手、21年4月の供用開始を目指す。

 提案コンセプトは「大浜公園リライトプロジェクト」。アリーナなどのほか研修室5室、キッズコーナーを設ける。自主提案施設としてカフェと「あそびとスポーツの融合」をテーマにした、身体を使って遊べる施設を事業者が独立採算で運営する計画。落札価格は79億3227万8000円。

 新体育館はBTO(建設・移管・運営)方式を採用。既存施設の大浜公園野球場と大浜公園テニスコート、大浜公園相撲場、三宝公園野球場、浅香山公園野球場、土居川公園テニスコートは事業者が維持管理・運営を行う。全体の事業期間は36年3月末まで。

【凜】マサルソリューション事業部係長・五十嵐恵さん

 ◇現場ならではの喜びを味わう◇

 現場で汗を流す父を幼い頃から見てきた。家庭での父とは違う一流の技術者としての背中に「自分もいつかああなりたい」。いつしか憧れが芽生えた。

 空調衛生設備会社を経営する父の仕事を継ぎたいと思ったのは中学生の時。そのため大学では経営学部の事業継承コースを専攻。ビジネスや社長業について学び、修行の場として今の会社を選んだ。

 「当時、100人未満の規模の会社でありながら、都内の超高層建築物の7割以上の工事に関わっていることを知り、この会社でなければできない仕事があると感じた」

 入社10年目。現在は施工管理を担当し、積算や協力会社の作業員の手配、シーリング材など部材の品質管理などを一手に担う。会社の教育方針はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)。とにかく現場で実践を重ねて仕事を覚えた。

 「楽しんだもん勝ち」を座右の銘とし、いつも前向きな姿勢を忘れない。「それでもつらい時は女性の先輩が晩酌に付き合ってくれる。温かい人がたくさんいるこの職場で働いていてよかった」。

 最も達成感を覚えるのは仮設ゴンドラが撤去される瞬間。「機材が無くなって建物本来の姿がぱっと現れた時、『やり切った』という気持ちでいっぱいになる。現場で働く人間だからこそ味わえる喜び」と笑顔を見せる。これからも現場を中心に活躍していくつもりだ。

 (いがらし・めぐみ)

【建設業の心温まる物語】勇鉄筋・荷川取和也さん(沖縄県)

 ◇◯◯ちゃんのお父さんがんばって~!!◇

 娘が高校生のときのことです。偶然にも、娘の通う高校改築工事の鉄筋組立工事を私が行うことになりました。現場で作業をしていると、突然上の階から「〇〇ちゃん(娘の名前)のおとうさ~ん!!」と大声で呼ぶ声がしました。驚いて見上げると、娘の同級生が十数名「お父さんがんばって~!!」と手を振ってくれているではありませんか。

 私は思わずガッツポーズ。すると「キャーッ」という大きな声。そしてもう一度「がんばって~!!」という声がしたのです。娘がそこにはいないにもかかわらず、同級生たちが声をかけてくれたことが、もううれしくて、うれしくて涙が出そうでした。娘は年ごろのため、親が鉄筋組立をしているとは恥ずかしくて友達には言いづらいだろう、と私は勝手に思っていました。そのため、娘が友達に私のことを話して応援してくれたという予想外の出来事にビックリもしました。

 私の仕事を理解してくれている娘は「私が男だったら、鉄筋の仕事をしたいなあ」と、言ってくれます。それが、うれしくもあり、また辛くもあります。

 私は父の背中を見て育ちました。父が亡くなったのち2代目を継ぎました。そのためできれば、娘に会社を継いでほしいのが本音です。この出来事をきっかけに、「私の子育ては間違っていなかったんだな」と確信しました。そして、「娘に誇れる鉄筋屋になろう」と改めて思いました。

【建設業の心温まる物語】三瓶建設・宮中皓太さん(愛媛県)

 ◇愛媛県の段々畑◇

 愛媛県の南西部沿岸は、柑橘の生産が盛んです。山の斜面の多くは段々畑が形成され、みかん畑が広がっています。しかし、これらのみかん畑は昭和初期頃に造られたものが多く、土砂崩壊などが各所で見られます。人出不足で補修ができず放置されているところが多いのです。

 そんな中、高齢の女性からみかん畑の石積みを補修してほしいとの依頼がありました。現場を視察しに行くと、そこは人がすれ違うこともできないような幅の狭い山道の先にあり、たいへん施工条件の悪い現場でした。

 その女性からよくお話を聞いてみると、あまりの条件の悪さに地元の建設会社から断られてしまったとのことです。私も断ろうかと思ったのですが、ほかに業者のあてもなくとても困っていた様子だったので、引き受けることにしました。

 案の定、人力で資材を運搬するため多くの時間をとられました。また建設機械が入らないので、全て手作業で施工しなければなりません。苦労の末、なんとか工事を終了することができました。

 工事完了の連絡をしに女性の家を訪ねたところ、「工事を引き受けていただいたおかげで、みかん畑がようやくきれいになりました。多くの業者さんに断られたので途方にくれていたところ、助けていただき本当にありがとうございます。」とたいへん喜んでくれました。それまではご主人が畑の補修を行っていたそうですが、最近亡くなったため、どうしようもなかったと涙ながらにお話ししてくださいました。とてもたいへんな現場でしたが、引き受けて良かったな、と苦労が報われた瞬間でした。

【建設業の心温まる物語】剋真建設・竹田秀一さん(栃木県)

 ◇バックホウのオペレーターとの出会い◇

 私が今の仕事に就くきっかけとなったのは、工事現場で働いていた一人のバックホウのオペレーターとの出会いでした。当時小学生だった私は一人で自転車に乗り家に帰る途中でした。ところが、よそ見をした際に、転んで自転車ごと土手の下まで落ちてしまいました。

 幸い、怪我はしませんでしたが、自転車を引き上げられず途方に暮れていました。そのとき、工事現場にいた一人の作業員の方が私を発見してくれたのです。

 「自転車が落ちて引き上げられないのです」というと、その方は「よし、俺に任せろ」と作業を中断して自転車を引き上げてくれました。私はホッとした気持ちと恥ずかしい気持ちが強く、お礼も満足に言えませんでした。

 高校に進学し、同じ道を自転車で通りかかった時、偶然、あの時の作業員の方と出会いました。作業員の方は私のことは忘れていましたが、改めてあの時言えなかったお礼を伝えました。すると

 「バックホウに乗ってみないか」と声をかけてくれました。私は、ドキドキしながらバックホウの運転席に乗せてもらいました。大きな機械に乗せてもらい、とても感動したことを覚えています。

 その後、私はその体験の影響もあり、土木関係の仕事に就くことになりました。私には3歳のこどもがいます。バックホウに興味があるようなので、あの時の作業員の方と同じように現場に連れて見せてあげています。こどもがもう少し大きくなったら、「父ちゃんの仕事はこういうことをしているんだぞ」と教えたいと思います。

【サークル】計測ネットサービス サッカー部

 ◇フットサルで活動再開、目指すは初優勝◇

 会社公認のサッカー部「FCケイネット」。現在の参加人数は10人前後で、営業部、技術部、開発部の社員が中心だ。部長の山中裕司さん(開発部)は、「過去にはサッカー部が存在していたが、人数不足などによって活動休止状態になっていた。近年、社員にサッカーやフットサルの経験者が増え、部の中心メンバーだった佐藤哲郎社長のサッカー熱が再燃し、人数の少ないフットサルで活動を再開した」という。

 勝利に執着する意識と体制の強化、スポーツを通して相互扶助や規律を学ぶことが活動のモットー。月1回程度、チームで練習したり、1Day大会に参加したりしている。ここ数年は夏に1泊2日の合宿大会にも出場する。

 これからもコンスタントに月1~2回の練習や大会に参加していく計画。今夏の合宿大会は暑さが厳しかったため、次回は少し涼しくなった時期の参加を予定しているという。

 若手や経験者の加入もあり、結成当初に比べると試合に勝つことも増え、活気が出てきた。「まだまだ個人の力頼みのところが多く、チームとしての組織力を高めるのが課題。大会初優勝に向け頑張りたい」(山中さん)。

【駆け出しのころ】東急建設取締役専務執行役員土木本部長・寺田光宏氏

 ◇自らの判断で信じた道を◇

 静岡県を流れる天竜川の近くで生まれ育ちました。佐久間ダムや秋葉ダム、天竜川に架かる橋梁、そして東海道新幹線などのインフラに囲まれた中で子ども時代を過ごしたことも、後に土木技術者を目指した動機の一つかもしれません。

 東急建設への入社が決まり、会社からどのような仕事に従事したいかと聞かれたため、造成工事を希望しました。これを受け入れてくれたのか、最初に配属されたのは神戸市内の造成現場です。この工事に約7年間携わりました。

 ここでの新人の主な仕事と言えば、ひたすら測量して丁張りを掛け続けることでした。造成は民間工事でしたが、この間に造成に伴う河川改修工事を任されたこともあります。

 初めての公共工事で何も分からず、発注者が立ち会う配筋検査に黒板とカメラも持っていかなかったために「何しに来たんだ」と言われ、慌てて取りに戻ったこともありました。しかし、そんな頼りない入社2年目ぐらいの若い技術者に発注者の方はいろいろ教えてくださり、今でも感謝しています。

 続いて担当したのは東京都内の鉄道工事です。現在は入社5年目の定期異動に変更していますが、当時は7年目の社員全員を定期異動させるという社内制度が導入された年で、その第1弾が私たちでした。都市土木の鉄道工事はそれまでの造成工事とは大きく異なり、夜勤も多く生活が一変しました。中堅社員と言っても鉄道工事はまったくの素人です。後輩の若手たちには随分と助けてもらいました。

 この現場を皮切りとし、鉄道工事に長年携わりました。大規模な駅改良工事でのことです。夜間のわずか2時間半という短い時間で大掛かりな線路の切り替え工事を行うため、何年も前から準備し、さらに数カ月前からは練習を重ねて臨みました。無事に切り替えが完了し、始発電車が走るのを見た時の達成感は、言いようがないほど大きいものでした。

 これは私の経験でもあるのですが、上司や先輩が言ったことをそのまま実行するのではなく、自分で判断して信じた道を歩むことが大事です。私たちの仕事というのは、何らかの問題が起きた時に「誰々がこう言ったから」と言い訳ができるものではありません。責任を負う自らが判断するしかないのです。

 人々に安全で安心できる生活を送ってもらうために、見えないところで一生懸命に努力するのが土木の仕事です。こんなに誇りとやりがいを持て、しかもいろいろなプロジェクトに携われる仕事は他にあまりないでしょう。当たり前のことを当たり前に続けていくというのは目立ちませんが、若い人たちにはこうした大事な仕事に携わっているというモチベーションを持ち続けてほしいと思います。

 (てらだ・みつひろ)1979年徳島大工学部建設工学科(土木専攻)卒、東急建設入社。鉄道本部建設部工務部長、鉄道建設事業部土木部長、執行役員鉄道建設事業部事業部長、取締役常務執行役員土木総本部総本部長などを経て、16年4月から現職。静岡県出身、60歳。
初めて鉄道工事に携わった東京都内の現場で
(2列目左から3人目が本人)

2017年11月24日金曜日

【回転窓】名も無き人ではない

 国土交通省が茨城県古河市の利根川で進めている釈水水門の整備。川を仮締め切りした後に既存堤防を掘り下げ、そこに新たな水門を設ける。切った堤防の断面に、利根川堤防の変遷が見て取れる▼旧堤と思われる部分は正直、心もとない。いかに今のインフラが大きいかが分かる。建設地の地名は「水海」。置かれている境遇が地名から分かる。70年前のカスリーン台風では、遠くない場所で堤防が決壊した▼現場担当者が「見える部分だけが土木ではない」と言っていた。ここに限らず、今立っている場所も、家がある場所も、建設工事で造られた所が大多数のはず。だが、普段はそうした事実がなかなか分からない▼現在の堤防になるまでに何人が汗を流したのだろう。危ない場面もあったに違いない。そうした蓄積の上に今の安全・安心がある。「道路も河川も空気のように使われている」。技術者名を記す工事銘板の設置を進める行政担当者の一人が話していた。そうした風潮を変えたい-と▼インフラを造り上げた技術者たちは名も無き人ではない。今造っている人も、これから造っていく人も、それは変わらない。

【観覧席を増築】駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球、増築改修入札再公告

東京都財務局は20日、「東京都駒沢オリンピック公園総合運動場(29)硬式野球場増築及び改修工事その2」の一般競争入札を公告した。申請書の提出期間は27日から12月1日まで。18年1月10日に入札を締め切り、同1月11日に開札する。建築工事に格付けされている単体か2者JVが参加できる。

 1回目の入札が参加者の不足で手続き中止に終わったための再公告。前回は技術実績評価型総合評価方式を導入したが、今回は適用しない

 工事場所は世田谷区駒沢公園1の1。観覧席棟(RC一部S造2階建て延べ5921平方メートル)の増築、管理棟(RC造2階建て延べ504平方メートル)の改修などを行う。工期は前回と同じ19年6月14日まで。

【増築部分は延べ8・4万平米】新千歳空港国際線旅客ターミナル再整備の概要明らかに

 新千歳空港ターミナルビルディングが北海道千歳市美々で計画している「新千歳空港国際線旅客ターミナルビル施設」の再整備概要を公表した。

 整備後の規模はS造8階建て延べ14万4500平方メートル。このうち1~4階のターミナル部分が延べ12万4000平方メートル、4階の一部と5~8階のホテル部分が延べ2万0500平方メートルとなる。総事業費は約650億円を見込む。ターミナル部分は19年8月、ホテル部分は20年1月の供用開始を目指す。

 ターミナルビルの再整備では、既存ターミナルビル(延べ6万1000平方メートル)に延べ8万3500平方メートルを増築する。これにより出発・到着ロビーの拡張や商業施設の拡充、出・入国エリアの施設機能強化などを図る。チェックインカウンターは現在の47ブースから74ブースに、保安検査レーンは4レーンから9レーンにそれぞれ増設する。

 4~8階部分に新設するホテルには海外からの富裕層向けに客室180室を設け、温浴施設やスパなどを併設する。工事はターミナルビルの増築とホテルの新設を行うA工区、ターミナルビルの増築のみを行うB工区、既存ターミナルビルの改修と増築を行うC工区の3工区に分けて進める。

 施工はA工区を大林組・戸田建設・萩原建設工業・伊藤組土建・田中組・菱中建設特定JV、B工区を岩田地崎建設・JALファシリティーズ・阿部建設特定JV、C工区を大成建設・宮坂建設工業・山崎建設工業特定JVがそれぞれ担当する。3工区全体の契約金額は517億8000万円。工期は20年3月31日。

【最強鉄筋工の栄冠は誰の手に】鉄筋EXPO、きょう幕張で開幕

世界初の鉄筋をテーマにした博覧会「鉄筋EXPO」が24日から26日まで千葉市の幕張メッセを会場に開かれる。鉄筋EXPO2017実行委員会(委員長・館岡正一全国鉄筋工事業協会副会長)が主催。鉄筋業界に関わる人、企業、団体、関連産業の交流による未来創造の場として、新製品、最先端技術、先進サービスの情報を提供する。

 24日には、「鉄筋の現状と未来」をテーマとするシンポジウムが行われる。メーカー、設計者、総合建設業、鉄筋工事業、継ぎ手工事業、検査業からそれぞれパネリストが登壇。これからの10年を見据えた討論を繰り広げる。25日には、第2回全国鉄筋技能大会(TETSU-1 GRANDPRIX)が行われ、鉄筋職人37選手がプロの技を競う。

 そのほか、鉄筋関連の各種実演、子ども向けイベントなども企画している。会場入り口には、鉄筋だけで作られた幅17メートル、奥行き17メートル、高さ5メートルの巨大モニュメントも出現。そのスケールを実感しながら、鉄筋業界の歩みが分かる仕掛けも用意する。

【回転窓】名も無き人ではない

 国土交通省が茨城県古河市の利根川で進めている釈水水門の整備。川を仮締め切りした後に既存堤防を掘り下げ、そこに新たな水門を設ける。切った堤防の断面に、利根川堤防の変遷が見て取れる▼旧堤と思われる部分は正直、心もとない。いかに今のインフラが大きいかが分かる。建設地の地名は「水海」。置かれている境遇が地名から分かる。70年前のカスリーン台風では、遠くない場所で堤防が決壊した▼現場担当者が「見える部分だけが土木ではない」と言っていた。ここに限らず、今立っている場所も、家がある場所も、建設工事で造られた所が大多数のはず。だが、普段はそうした事実がなかなか分からない▼現在の堤防になるまでに何人が汗を流したのだろう。危ない場面もあったに違いない。そうした蓄積の上に今の安全・安心がある。「道路も河川も空気のように使われている」。技術者名を記す工事銘板の設置を進める行政担当者の一人が話していた。そうした風潮を変えたい-と▼インフラを造り上げた技術者たちは名も無き人ではない。今造っている人も、これから造っていく人も、それは変わらない。

【立地生かしエンターテインメント空間に】JSRA、秩父宮ラグビー場パーク化構想発表

 秩父宮を多機能・複合スタジアムに--。ラグビーの世界最高峰リーグ・スーパーラグビーに参戦している日本チーム「サンウルブズ」を運営する一般社団法人のジャパンエスアール(JSRA)は22日、秩父宮ラグビー場(東京都港区)をより多くの人たちに楽しんでもらう施設に再整備する「青山ラグビーパーク化構想」を公表した。国内のラグビーの聖地としての歴史や、東京都心の一等地という土地が持つ価値を重視し、エンターテインメント機能を付加しながら開かれた空間の創出を目指す考えだ。

 ファン層の拡大や、サンウルブズを日本ラグビー界をけん引するチームに育てるため、JSRAは今後の組織全般のブランド戦略を担当するCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)に、日本ラグビーフットボール協会の特任理事を務める池田純氏を招へいした。プロ野球球団の横浜DeNAベイスターズの初代社長としてさまざまな改革を主導してきた実績を持つ池田氏からのアドバイスを踏まえ、青山ラグビーパーク化の実現などに取り組む。

 日本のラグビー界やサンウルブズなどの現状について、池田氏は22日の記者会見で「スポーツがエンターテインメントとしてビジネス化している時代の波に追い付き、けん引するような進化が見られなかった」と指摘した上で、「熱心なファンだけでなく、ライトなファン層を広げることが課題だ」と述べた。

 ファン層拡大の施策の一つとして、秩父宮ラグビー場のラグビーパーク化構想を提案した。構想では正面入り口に鉄格子があって入りにくい現在のイメージを払しょくし、大型のパブなどの飲食施設や、子どもが遊べるミニラグビーパークなど、さまざまな人たちが楽しめる空間を整備することを求めている。

 構想実現に向けて池田氏は「われわれが所有していない施設だが、ラグビー界全体で目指す方向性、理想像として実現できるところから進めていきたい」と意気込みを語った。

現在の秩父宮ラグビー場
 秩父宮ラグビー場の所有・管理者は日本スポーツ振興センター。敷地面積は約3・5ヘクタール。施設の延べ床面積は2万1361平方メートルで、収容人員は約2万5000人。競技スペースの芝生面積は約1万平方メートル。同ラグビー場を含めた神宮外苑周辺エリアでは再整備に向けて官民の関係者らによって協議が進められている。

2017年11月22日水曜日

【琵琶湖湖畔にグランピング施設誕生へ】滋賀県高島市と光亜興産、官民連携で地域活性化めざす

グランピング施設の完成イメージ
 琵琶湖の北西に位置する滋賀県高島市に豪華で贅沢なキャンプが楽しめるグランピング施設が誕生する。同市が運営し2016年4月に営業を休止したしんあさひ風車村の敷地を活用し、不動産業の光亜興産(大阪府門真市、川村光世社長)がキャビンやテントなどを備えたグランピング施設、バーベキューエリアや水上カフェなどを整備。2018年7月のオープンを目指す。

 高島市と光亜興産は21日、「滞在型宿泊拠点の整備に関する協定」を締結。市が所有する事業用地を18年4月1日から20年間の定期借地権設定契約を結んで活用する。着工日は12月1日を予定している。

 グランピング施設を整備するのは高島市新旭町菖蒲園地先。事業面積は約7・7haで、このうち定期借地権付き賃貸借契約と法定外公共物占用の対象面積は約3・1haとなる。公共水域やパブリック空間(駐車場、園地など)も、契約に基づき同社が一体管理する。土地の賃借料や河川占有料を同社が市に支払う。

 事業計画によると風車村跡地を宿泊ゾーンとデイユースゾーンに分け、キャンプやバーベキューが楽しめる施設を整備する。宿泊ゾーンはグランピングキャビン10棟、グランピングテント6張、フェス広場、せせらぎ水路などを設ける。メイン棟には温浴施設やレストランが入る。デイユースゾーンはテント6張、バーベキューエリア100テーブルを配置する。施設内にはレストランや駐車場、園地広場、花畑、水上カフェなども設ける。

 将来的には施設西側にある菖蒲園跡地や琵琶湖湖岸の一画も施設用地に編入し、グランピング関係施設として開発する予定という。グランピングキャビンは通年営業とし、厳冬期はテント、バーベキューエリアは閉鎖する予定。官民協働で公有地を民間が有効活用。施設周辺地域への観光客誘導によって観光振興や地域産業の活性化、雇用創出も狙う。

 市は2016年4月、老朽化を理由にしんあさひ風車村の施設を休止。公共物の有効活用策を検討する過程で同社が2017年9月、企業誘致条例に基づく施設利用の指定申請書を提出した。企業誘致審査会の答申を受けて8月に条例の適用企業に指定。9月にしんあさひ風車村の設置条例廃止を市議会で可決した。

 グランピングはグラマラスとキャンピングをかけ合わせた造語。贅沢な雰囲気を味わいながら自然が満喫できるリゾートとして、国内で施設整備が増えつつある。

【木になるリニューアル第2弾、近く着工】東急電鉄、池上線旗の台駅を改修

リニューアル完了後の旗の台駅ホームのイメージ
東京急行電鉄は蒲田から五反田まで15駅を結ぶ池上線のうち、旗の台駅(東京都品川区)でリニューアル工事を実施する。多摩産材を使用し老朽化したホーム屋根を一新するほか、待合室を改修して快適に駅が利用できる空間を作る。屋根と待合室のリニューアルに続いて駅舎の改修も計画している。

 池上線の駅改修は戸越銀座駅(東京都品川区)に続くプロジェクト。「木になるリニューアル」事業として木造駅の雰囲気を踏襲しながら、アットホームなデザイン、素材を採用して駅施設を更新する。「平成29年度東京都森林・林業再生基盤づくり交付金事業」に採択されており、事業費補助を受ける。11月中に着工し、2019年春ころの竣工を目指す。設計はアトリエユニゾン。施工者は現在契約手続きを行っている。
現在の旗の台駅ホーム
東急電鉄は池上線沿線で街の魅力を高めるプロジェクトを実施中。池上駅(東京都大田区)で駅舎の改良や駅ビルの開発を実施している。旗の台駅「木になるリニューアル」の情報は同社のWEBサイト「いい街いい電車プロジェクト」で随時発信する。

【対話型市場調査でニーズ把握】茨城県つくば市、総合運動公園事業用地利活用の検討開始

茨城県つくば市は住民投票の結果に基づき白紙撤回した総合運動公園事業の用地について、利用方法を検討するため民間事業者とのサウンディング(対話)型市場調査を実施する。

 参加申し込みを18年2月2日まで受け付ける。対話の実施期間は同2月19日~3月2日。調査結果は同4月上旬ごろにまとめる。敷地の一体的な利活用が望ましいとしているが、分割しての利活用の提案も求めるという。

 対象敷地は、高エネルギー加速器研究機構南側の未利用地(45万5754平方メートル)。現在は山林が広がっている。用途地域は第2種住居地域と第2種文教地区に指定されているが、都市計画の変更も想定している。建ぺい率は60%、容積率は200%が上限。

 総合運動公園事業は、事業費や施設規模が過大との指摘があり、16年8月に事業実施の是非を問う住民投票が行われた結果、反対票が8割超を占め、当時の市原健一市長が白紙撤回を表明した。市はサウンディング調査と並行し、引き続き公共施設用地としての利用可能性も検討していく。

【回転窓】8000年前のワイン

フランス・ボージョレ地区の赤ワインの新酒、ボージョレ・ヌーボーの販売が先週16日に解禁された。夜中にお祭り騒ぎが繰り広げられた一時のブームも去り、輸入量は全盛期の半分とか▼最近のお酒の種類の多さは尋常ではない。飲み屋でも店の売り場でも目移りするほど。ボージョレの輸入販売各社も何とか目を向けてもらおうと宣伝に励んでいるようだが、週末に行ったスーパーでも売り場に人影はまばらだった▼先日、約8000年前にワインが造られていた痕跡がジョージア(旧グルジア)で発見されたと外電が伝えていた。従来の定説より約1000年さかのぼる世界最古のワイン醸造の証拠だそうである。遺跡で見つかったつぼにはブドウを模した装飾があったという▼つぼの主は、何をつまみにワインを味わっていたのだろう。あるいは薬か。つい羽目を外して二日酔いをすることは…。あれこれと想像を巡らせた。何しろ8000年前。お酒が今とは比べものにならないほど貴重品であったことは間違いないだろう▼そろそろ酒席が増える季節である。がぶ飲みはよして、おいしいお酒をじっくり味わいたい。

【こちら人事部】中央設備エンジニアリング(名古屋市西区)

 ◇無限の可能性に挑む人材歓迎◇

 伊藤忠商事と名古屋鉄道の出資で設立された中央設備エンジニアリング(名古屋市西区、松本吉晴社長)。30年以上にわたって食品工場の企画、設計、施工にトータルエンジニアリング力を発揮してきた。

 今では食品工場分野の受注が全体の80%を超えており、「食品工場に特化したゼネコン」としての地位を固めつつある。来年、会社設立50周年を迎える。「食品工場と言えば中央設備エンジニアリング」と言われるようになることが当面の目標だ。

 食品工場に着目したのは、ある大手菓子メーカー幹部との出会いがきっかけ。他社との差別化を図ろうと、食品工場の生産設備の設計や据え付け工事を手掛けるようになった。現在では、食品工場の建築・設備・生産ラインのすべてを計画から設計・施工まで一貫して提供できる独自ビジネスを展開するまでに成長した。

 人材は毎年、技術系を中心に6~10人を採用している。採用担当の西尾英文人事総務部長は「食品工場建設には、建築・機械設備・電気設備・生産設備などさまざまな技術が必要で、各技術者の専門性はもちろん、将来的には幅広い技術領域を俯瞰(ふかん)する力も求められる」と話す。その上で「自らの専門性を高めつつ、専門外の分野にも興味が持てる知的好奇心にあふれた人材を望んでいる」と強調する。

 ものづくりはチームで行うため、「皆で力を合わせて一つのものを作り上げることに喜びを感じる人や、人そのものが好きな人を求めている」とも。その一環として同社では「Smile&Communication」を合言葉に、笑顔で助け合うことや活発なコミュニケーションを大切にしている。

 ◇食品工場づくりに多様な人材◇

 西尾部長は「食品業界では認知されているものの、一般社会や学生にはほとんど知られていない。そのため、学生との出会いの場では『一期一会』を大切にし、具体的な仕事の中身を良い面も悪い面もすべてオープンにし、説明している」と本音での対話を重視しているという。

 入社から6カ月間を新入社員教育期間とし、研修を実施。ビジネスマナー、建築・機械設備・電気設備・生産設備の基礎を座学で教え、CADの実習も行う。その後、建築チームと設備チームに分かれて設計研修、最後に現場研修を行う。

 新入社員の初期キャリア形成では、「食品工場を理解するためには、施設づくりの最初から最後まで自分の目で見て体感すること」「一つの専門分野に関する基本的な技術を3年で習得すること」の二つの基本方針を掲げている。

 食品工場の建設には建築、機械、電気、衛生工学など幅広い知識が欠かせないが、「自身の専門分野の枠にとらわれず『無限の可能性に挑戦する』という熱い心をもった人材に入社してほしい」と西尾部長は期待を込める。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性3人(技術系)、女性3人(技術系)(2017年4月入社)

 【3年以内離職率】0%(14年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性14年、女性9年(17年9月末時点)

 【平均年齢】   43歳(17年9月末時点)

【社会インフラへの理解求め02年からスタート】日建連市民現場見学会、300万人達成へ

 ◇熱意と責任が支えた市民への情報発信◇

日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)が行ってきた「市民現場見学会」の参加者が近く300万人に達する見通しとなった。建設業や社会資本整備に対する市民の理解促進を目的に、合併前の旧日本土木工業協会(土工協)が「100万人の市民現場見学会」として2002年にスタートさせてから15年。300万人への足跡を振り返る。

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