2017年12月12日火曜日

【記者手帖】人と機械が助け合う現場

先日の本紙に、ICT(情報通信技術)活用工事のモデル現場で、作業時間短縮と精度向上の効果が確認できたとの記事が掲載された。ICT建機の活躍によって丁張りの設置が不要になり、120m2の作業時間が従来より11分短くなったという◆最近読んだ小説に、10分は「インスタント食品ができあがり、食べ終わって片付ける程の時間」という一節があった。時間のゆとりは心のゆとりにつながるだろう。心にゆとりが持てれば、焦りに起因する労働災害も減らせるのではないか◆ある現場で、ICT建機を導入しながら丁張りが設置されているのを見たことがある。「GPS(衛星利用測位システム)が不安定な時がある。品質確保のために、現段階では丁張りを外せない。もっと精度が上がれば、不要になる日が来るかもしれない」と現場代理人が話していた。手間と時間をかけても質の高いものをつくりたいという技術者のこだわりが垣間見えた◆人と機械が共に仕事をする時代。両者がうまく共存し、互いに助け合ってより良いものをつくる現場の実現を期待したい。(岩)

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