2018年2月28日水曜日

【再整備へ官民連携めざす】日比谷公園グランドデザイン、3月に中間まとめ

 東京都は千代田区にある日比谷公園の在り方について、グランドデザインを策定する。園内全体で施設のバリアフリー化、サインの多言語化などを進める。

 主要施設が更新時期を迎えている園内の一部を、官民連携で再整備する検討エリアに指定する方向だ。3月に中間まとめを行い、意見募集をへて6月にグランドデザインを決定する。その後、具体的な整備計画の作成に入る。

 現在の日比谷公園は、障害者やベビーカーの利用者などを想定したバリアフリー対応が不十分な上、園内にある日比谷公会堂、大音楽堂などの主要施設が更新時期を迎えている。周辺の皇居や公園につながる歩行者ネットワーク・空間づくりにも課題がある。

 こうした課題解決を契機に、国際都市を象徴するセントラルパークへの転換を目指す。一部エリアでは、主要施設の改修を中心とした再整備に取り組む。

 敷地南西側を「日比谷公園大音楽堂・かもめの広場周辺」エリアに分類。大音楽堂が抱えているバリアフリー対応の不足、屋外型のホールで平日にコンサートが開催できないなどの課題に対応する。利用者がいつでも気軽にコンサートやイベント情報を入手でき、音楽に触れる機会も提供されているエリアに再整備する。

 敷地北側には「草地広場周辺」エリアを指定する。道路を挟んで向かい合っている皇居のお堀との景観の連続性を保った広場の構築、親子で遊べる空間や高機能な快適トイレを併設したサービスセンターの設置などをイメージしている。

 耐震強度の不足で現在閉館している日比谷公会堂と大噴水を含む敷地東側は「第二花壇・大噴水・日比谷公会堂周辺」エリアとする。公会堂を中心とした見通しが映える開放的な広場へと造り替える方向だ。周辺地域と連携しながら文化を発信するにぎわい拠点としても活用する。

 公園の周辺施設・団体などでつくる「日比谷公園エリマネ協議会」の設立も検討する。構成員には都、千代田区、地元自治会、エリアマネジメント組織、企業(駐車場・店舗事業者)、ボランティア、指定管理者などをイメージ。新たな公園づくりに関わる事業者を公募で別途選定し、協議会に参画してもらうことも想定している。

 20年7月に開会する東京五輪までに園内全体のバリアフリー化やサインの多言語化を進める。3エリアの再整備は、より中長期のビジョンの一つという位置付けで実現を目指す。

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