2018年2月26日月曜日

【建設業の心温まる物語】中山組(北海道)・小林康人さん


 ◇達成感でいっぱいの工事◇

 道央自動車道東野工事(北海道八雲町)での高速道路新設工事でのことです。高速道路は一般道路より上部を通るため、高く土砂を盛り上げた盛土の道路を作り、川の流れている場所には橋をかけます。

 盛土工事は、山でダンプトラックに土砂を積込み、一般道路を運搬して工事を進めます。そのため一般道路をダンプトラックが通行する際、一般車両や地域住民の方々に迷惑がかかることが避けられませんでした。 

 地元説明会を何度も開催し、住民の方々に説明をしましたが、なかなか納得していただけません。ついに納得をしていただけないまま、土の運搬開始となってしまいました。すると予想通り苦情の電話はどんどんかかってきました。加えて、関係官庁からも多くのことを依頼されました。一つひとつ対応しますが、つらい日が続きました。

 私にできることは何かないかと考えた結果、安全に工事を終了させることしかないと思いました。そこで、運行管理車が先導して制限速度を厳守させました。また路面の防じん対策として毎日散水をし続けました。

 ようやく工事を終えることができ、地元の方々に工事協力お礼のあいさつに行きました。また叱られるのではないかとドキドキしていたところ、思いがけず「約束を守ってくれ、俺らも安心して農作業できた。感謝している。ありがとう」の一言。とてもびっくりしました。他の地元の方からも同様に感謝の言葉をいただきました。工事に協力してくれた上、感謝の言葉までもらい、達成感でいっぱいでした。

 それから3年後、開通式にてバスで道路を通りました。全長4800mの道路を通過するのに要する時間は10分程でしたが、当時のことを鮮明に思いだしました。今となっては若いころの忘れられないよい思い出です。

0 コメント :

コメントを投稿