2018年3月30日金曜日

【開発事業で攻勢、投資枠1500億円に拡大】清水建設、埼玉県新座市で大規模物流施設着工

 清水建設は30日、埼玉県新座市で大規模物流施設「S・LOGi新座」の建設工事に着手する。

 同社が展開する物流施設「S・LOGi」シリーズの第4弾。約400億円を投資し、自社開発では最大規模になる3棟総延べ約19万m2の施設を建設する。19年秋~20年春の順次完成を目指す。

 建設地は大和田二・三丁目地区土地区画整理事業区域内。敷地面積は約9haで、3棟はいずれも4階建て。W棟がS一部RC造延べ約13万0850m2、E1棟がS一部RC造延べ約3万8566m2、E2棟がS造延べ約1万9228m2の規模を計画する。

 同社は17年度、国内外の開発事業で設けた投資枠を1000億円から1500億円に拡大した。オフィスやホテルなどのストックマネジメント事業を強化する方針。今回の物流施設開発により、投資枠に占める物流施設の割合は約1割から約3割に増える。今後も大型物流施設の開発を推進し、安定した収益基盤の構築を目指す。

【回転窓】国会前の最先端技術

 日本の最先端技術を発信する役割も担うことになるのだろう。先日、東京都心部で初めて国会の前庭内に設置された電子基準点「東京千代田」がそれ。日本の標高基準「日本水準原点」の傍らで、その標高も常時監視する▼全国約1300カ所にある電子基準点は衛星システムから信号を受信し、地球上の正確な3次元位置を計測する。地殻変動もモニタリングするのが特徴だ▼全国に電子基準点のネットワークを構築した国土地理院が、土地の測量や地図の調整に必要な位置の基準を提供。これが高精度なリアルタイム位置情報サービスに利用され、建設機械を制御するICT(情報通信技術)施工など生産活動の効率化にも役立てられる▼設置箇所のうち約600カ所は広い敷地の学校内という。地理院は数年前からそうした学校を個別に訪問し、最先端の測量技術を見てもらいながら、地図作りの楽しさを伝える出前授業に取り組んでいる▼「東京千代田」があるのは国の中枢機関が集まる地区の一角。国会見学に訪れた子どもたちや日本を訪れた外国人など多くの人の目に触れ、電子基準点の役割や地図の魅力を知ってほしい。

【内閣府が初試算】インフラ維持補修・更新費、今後40年で547兆円に

内閣府は29日、今後約40年間で必要になる公共インフラ施設の維持補修・更新費を初めて試算した。損傷などが起きた後に対処する「事後保全」手法を採用する前提で試算したところ、2015年度から40年間の累計で必要コストが547兆円に達すると算出した。全国で老朽ストックが増えている中、施設管理者に計画的かつ効率的な対策の実施を改めて促す参考データとして提示した。

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【総工費1322億円、三井不・菰田社長や宮崎あおいさんがテープカット】東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区)が開業

 三井不動産が手掛けた大型複合施設「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)が29日に開業した。

 オープニングセレモニーでは、同社の菰田正信社長や女優の宮崎あおいさんらがテープカットを行い、門出を祝った。東京・銀座に隣接し、オフィスや商業施設、シネマコンプレックスなどが入る。

 セレモニーで宮崎さんは「この街にレッドカーペットが敷かれ、その上を歩ける機会があれば」と話した。

 東京圏で初めて国家戦略特区街区の区域認定を受けた案件で、総工費は約1322億円。ホプキンスアーキテクツがマスターデザインアーキテクトを務め、都市計画・基本設計・デザイン監修は日建設計が担当した。鹿島の実施設計・監理・施工で15年1月に着工した。
開業を迎えた東京ミッドタウン日比谷

2018年3月29日木曜日

【回転窓】防災力の積み重ね

東京は今週に入り春らしい陽気が続く。暖かな日差しが降り注ぎ、ちょっと外に出てみようかと思いたくなる気候になった。行楽シーズンの始まりは花見。東京都葛飾区にある新小岩地区の町会では、ボートに乗って川から桜を楽しむそうだ▼ボートを備えているのは防災が目的。ゼロメートル地帯に位置し、河川堤防が決壊してしまうと浸水期間が数週間に及ぶ可能性があり、エンジン付きゴムボートを購入した▼運転に慣れておくため6月に周辺の町会と一緒に訓練を行うそうだが、堅苦しい行事だけではなかなか人が集まらない。「遊びの要素を取り入れて参加してもらうことが、訓練にもつながる」と、水上の花見を思い付いた▼危険があることは認識しつつ、自然を楽しむ姿勢も時には必要。水害を恐れているばかりでは、せっかくの豊かな水辺がもったいない。楽しみながら川の姿を見ておき、地形などを把握しておけば、もしもの時の助けになる▼同地区では、水害対策などを地域全体で話し合う輪中会議も開いている。一つ一つは小さな動きだがその積み重ねは人のつながりを育み、大きな防災力になるのだろう。

【1位は吉本弥由さんに】デザイン女子NO.1決定戦、名古屋市で公開審査会開く

 全国の建築・デザイン系の女子学生を対象とした卒業設計・製作の公募コンペティション「デザイン女子NO.1決定戦2018NAGOYA」が27、28の両日、名古屋市昭和区のサーウィンストンホテルで開かれた。最優秀賞には、吉本弥由さん(大阪工業大)の「世界はときどき美しい」が選ばれた。

 大会は今回で7回目。27日は、1次審査を通過した46作品の中から、2次審査で8作品が選ばれ、公開審査(ファイナル)に臨んだ。それぞれの作品制作者がプレゼンテーションを行った後、審査委員との質疑応答を繰り広げた。

 2位は安部遥香さん(筑波大)の「佩帯街区-ミシマが紡ぐ染物の街」、3位は垰田ななみさん(京都工芸繊維大)の「まちに本を読む姿を」が選ばれた。28日はデザイン・プロダクト部門などの各部門の審査、表彰が行われた。

 「デザイン女子NO.1決定戦」は、全国の女子学生を対象に都市や建築、インテリア、プロダクトなど空間に関係するデザインを幅広く募集し、日本の“まんなか”である名古屋で競う公開審査会。同決定戦実行委員会事務局(椙山女学園大学)が主催し、総合資格学院らが特別協賛している。

 審査委員長を建築家の成瀬友梨氏が務め、建築家の鈴野浩一氏、デザイナーの原田祐馬氏、建築家の金野千恵氏、村上心椙山女学園大・大学院教授の4人が審査委員、デザインディレクターの橋本雅好椙山女学園大・大学院准教授が司会を務めた。公開審査会であいさつした木本昌吾総合資格学院中部本部副本部長は「この経験を生かして、建築・インテリア業界で活躍していってほしい」と期待を寄せた。

 最優秀に選ばれた吉本さんは「自分が本当に大切だと思うことを出し切った作品なので、それが伝わったことが何よりうれしい。一緒に悩み、考えてくれた恩師に感謝を伝えたい」と話した。

【8月までに事業者選定へ】愛知県豊橋市、新アリーナ建設・運営事業提案募集

新アリーナの配置イメージ
(豊橋新アリーナ構想調査報告書より)
愛知県豊橋市は「新アリーナ建設・運営に関する民間提案」の募集要項を発表した。参加申請・提案書類を5月14日から6月29日まで受け付ける。審査・ヒアリングを7月に実施。8月に事業者を選定する。

 参加できるのは、提案事業を遂行できる信用力、資力がある法人または複数法人による連合体。応募者または連合体参加の法人、協力企業のいずれかが、過去10年間に2000席以上のアリーナなどの設計・建設・運営にそれぞれ携わった実績があることなどが条件。

 今橋町4の豊橋公園内芝生広場に市のシンボルとなるスポーツ施設を建設・運営する。建築面積は7500平方メートル以内。可動、固定合わせて5000席以上を備える。男子プロバスケットボールBリーグ「三遠プロフェニックス」の本拠地となる予定で、同リーグB1ライセンスに準拠した規模、設備とする。

アリーナ内部の完成イメージ
(豊橋新アリーナ構想調査報告書より)
新アリーナのコンセプトは▽プロスポーツやコンサート、展示会などを「観る」「楽しむ」ことができるエンターテインメント性▽まちなかのにぎわい拠点として「集客」「収益」可能な施設▽立地場所に適した「外観」「ランドスケープ」▽民間事業者のノウハウ、資金力を最大限活用-の4点。

 供用開始は21年9月。建設後は市が所有し、民間事業者が指定管理者として30年間、管理運営する。土地は市が無償で提供する。

【球団が会見、20年着工めざす】ファイターズ新球場建設、事業費500億円

球団が公表している新球場のイメージ
(提供:北海道日本ハムファイターズ)
日本ハムとプロ野球・北海道日本ハムファイターズが27日、札幌市内で新球場建設に関する記者会見を開いた。概算事業費に約500億円を見込み、20年の着工を想定。26日に設立した準備会社「北海道ボールパーク」で年内に新球場の基本設計などを進め、事業に参画するパートナー企業も募る。

 記者会見では球団の三谷仁志執行役員事業統轄本部副本部長が、建設予定地に北広島市の「きたひろしま総合運動公園」を選んだ理由について、36・7ヘクタールに上る広大な敷地や新千歳空港から近く道外・海外からのアクセス性などを挙げた。

 一方でJR北広島駅から1・5キロ離れるなど球場への交通アクセスに課題があるが、誘致を目指すJR新駅をはじめ、公共交通機関や自家用車、新交通を含めたJR北広島駅からのアクセスについても行政側と協議していく考えを示した。

 今後は23年度の開業に向け、北海道ボールパークを中心に新球場の基本設計や事業としての実現可能性などの検討を進める。

【18年度に基本計画策定】山梨県、リニア駅周辺のイメージ図公表

 山梨県が甲府市大津町に設置予定のリニア中央新幹線駅周辺を対象にした街づくりイメージを公表した。

 2月に「リニア駅周辺整備基本計画策定業務」を受託した日建設計シビル・三菱UFJリサーチ&コンサルティングJVが提案した企画案。実際の機能や配置、デザインなどは今後、リニア環境未来都市創造会議(会長・中井検裕東京工業大学大学院教授)で検討し決定する。基本計画は18年度中の策定を予定している。

 街づくりイメージの対象地域は、2027年の開業を目指しJR東海が建設中のリニア中央新幹線に設置される「山梨県駅」(仮称、甲府市大津町)周辺。県が17年3月にまとめた「リニア環境未来都市整備方針」によると、駅周辺は県の新たな玄関口として観光交流・産業振興エリア(敷地面積約10万5000平方メートル)と交通エリア(約14万平方メートル)に区分し、施設を整備する。

 事業手法は民間の資金やノウハウの活用を検討する。このほか防災対策やクリーンエネルギー・県産材の利活用なども検討するとしている。

【初弾は有明アリーナなど18施設】東京五輪組織委、競技会場仮設オーバーレイ工事発注へ

有明アリーナの完成イメージ
(提供:東京都、2015年10月時点)
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、20年7月に開会する東京五輪の各競技会場で進める仮設オーバーレイ(観客席、テント、設備、舗装など)設置工事について、発注の基本的な考え方をまとめた。施工者の選定手続きは一般競争入札を原則採用。発注時期は4月、6月、8月の3回に分ける。

 4月中旬に有明アリーナ、海の森水上競技場、茨城カシマサッカースタジアム、札幌ドームなど18施設の工事を実施設計一括で入札公告する。1件に複数会場を組み合わせ、計7件の工事を発注する。工期は8月末から20年12月まで。入札に参加できるのは建設会社、イベント業者、対象製品のサプライヤー。各受注者には大会期間中の維持管理、大会後の撤去・復旧も任せる。
茨城カシマサッカースタジアム
(ⓒ tokyo2020)
仮設観客席の調達は別途行う。五輪に間に合うよう、一部会場では先行工事の受注者に仮設オーバーレイの施工も任せる特別契約を採用する。特別契約の内容は外部有識者の技術的意見を踏まえ、組織委の調達管理委員会で決定する。
海の森水上競技場の完成イメージ
(提供:東京都、2016年5月時点)
4月上旬には、東京ビッグサイトに設置する国際放送センター・メインプレスセンター(IBC・MPC)の仮設オーバーレイ工事を入札公告する。入札時VE提案付き一般競争入札を採用する。工期は7月上旬から20年11月まで。参加できるのは建設会社に限る。

【19年4月の開業めざす】JR東日本、Jヴィレッジ隣接地に常磐線新駅設置へ

常磐線新駅の鳥瞰図
(提供:JR東日本水戸支社)
JR東日本は、サッカー練習施設などが集積する「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)の隣接地に常磐線の新駅を設置する。

 県、双葉地方町村会らと28日に新駅設置の基本協定を締結した。総事業費は約15億円を見込む。新駅のほか、交通広場の整備事業を18年度に行う。関係者間の施行協定を経て設計・工事に着手し、19年4月のJヴィレッジの全面開業に合わせて供用開始を目指す。

 Jヴィレッジは東京電力福島第1原子力発電所の事故対応で、収束活動や廃炉に向けた作業の前線基地となった。現在は県主導で再生事業が進められ、7月に一部施設が先行オープンする。
新駅の完成イメージ
(提供:JR東日本水戸支社)
新駅は広野駅と木戸駅の間(木戸駅から東京方向に約1・9キロ地点)に整備する計画。2面2線の乗降場、バリアフリー設備としてエレベーター(11人乗り)も設ける。ホームは特急も停車可能な10両分の長さがあり、車いすでもスロープとエレベーターで円滑に乗降できる。Jヴィレッジの入り口までは徒歩約2分。周辺でのイベント開催時に使用する臨時駅として開業する。

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2018年3月28日水曜日

【回転窓】江戸の「御船橋」づくり

江戸時代に将軍が日光社参や鷹(たか)狩りへと向かう際、川にいくつもの船を連ねて架けた仮橋は「御船橋」と呼ばれたという。どのような橋であったかが分かる貴重な絵図や史料を、千葉県野田市の上花輪歴史館が展示している▼嘉永2(1849)年、鷹狩りのため江戸川に架けられた御船橋は、長さ約131メートル、幅約5・5メートル。21もの船を並べて固定し、その上に丸太や板、ねこだ(大型のむしろ)、砂などをいく層にも重ねた▼専門知識はなくとも、この仮橋工事がいかに大掛かりだったかは容易に想像できる。しょうゆ醸造が家業の高梨兵左衛門家と豪農・石川民部家が工事を請け負い、完成までに11カ月を要したと記録されている▼幕府が大きな権勢を振るっていたとはいえ、周辺一帯から多くの船や資材、人材を集めた仮橋づくりに地域の協力は不可欠であったろう。数万人に上る武士や農民たちが動員されたという鷹狩りの歴史などを、そうした土木史の観点からたどるのも面白い▼上花輪歴史館で開催している春季企画展「御船橋」は7月29日まで。高梨家が保存してきた歴史的価値の高い居宅や庭園なども見学できる。

【ツートンカラー採用し機能性も向上】三井住友建設、作業着のデザイン一新

 三井住友建設は作業着を全面的にリニューアルした。現場に勤務する女性職員の声を反映し、機能性とデザイン性を両立。上下ともベージュだった色をツートンカラーに変え、パンツはグレーに変更した。

 4月から順に切り替えていく。作業着のリニューアルは、2003年に三井建設と住友建設が合併してから初めて。

 新しい作業着は通年仕様。夏場の暑さを軽減するため、袖に透けないメッシュ素材を入れた。パンツは従来のツータックからノータックに変更。腰部分にニット素材を採用し、しゃがんだ時にベルト位置がキープできシャツが出にくいようにするなど、女性ならではのアイデアを取り入れた。

 胸ポケットはスマートフォンや野帳、関数電卓が収容できるゆったりサイズ。ウエスト部分のポケットはフルハーネス型の安全帯を着用しても使用できるように位置を工夫し、物が落ちないようにファスナーを付けた。袖口や背中に反射材を付けて夜間作業時の視認性を高めている。

 現場に勤務する女性技術職の声を受け、女性職員でつくる「作業着・安全帯を考える会」で16年8月に検討を開始。4月に迎える設立15周年に合わせて新しい作業着を導入する。中心となってデザインを検討してきた駒ケ嶺何千子管理本部人事部課長は、「今秋以降に、防寒着やヘルメットのリニューアルも予定している」と話している。

【設計・施工は戸田建設JV】千葉県、JFAナショナルフットボールセンターの設置許可

ナショナルフットボールセンターの全景イメージ(ⓒJFA)
千葉県は23日、日本サッカー協会(JFA)が千葉市美浜区の県立幕張海浜公園内に整備を計画する「(仮称)JFAナショナルフットボールセンター」の設置を許可した。
今後、JFAは4月の着工、20年3月の運用開始を目指す。設計・施工は戸田建設・三菱地所設計JVが担当する。
エントランスの完成イメージ(ⓒJFA)
建設地は同公園(71・9ヘクタール)内の県有地。センターには各2面の天然芝ピッチと人工芝ピッチ、クラブハウス、フットサルアリーナなどを整備する。

【スポーツ施設や観光果樹園など整備へ】仙台市、移転跡地5地区利活用で事業候補者に8者選定

仙台市は27日、東日本大震災で集団移転した跡地(5地区、43・5ヘクタール)を対象にした土地利活用の事業者募集で、8者を事業候補者に選定したと発表した。

 4地区の約34ヘクタールに体験型観光果樹園や畑、サッカー場などスポーツ・レクリエーション施設、ドッグラン場などが計画され、今後、覚書を締結した後、具体的な事業内容などを定めた協定を結ぶ。土地は一定期間貸し付ける。

 市が新たな魅力の場を創出しようと、5地区29区画の事業者を募集。13事業者から全地区(20区画)に応募があり、外部の専門家を含めた選定委員会が8事業者(11区画)を事業候補者に決めた。

 荒浜地区には仙台ターミナルビルが11ヘクタールに多世代が交流できる体験型の観光果樹園を計画し、仙台スポーツネットワークは三つの区画(19・5ヘクタール)にサッカーや野球、キャンプなどが楽しめるスポーツとレクリエーション施設を提案。ほかにも農業と食の体験学習やクロマツの育成など3事業が計画されている。

 南蒲生地区には橋本建機がドッグラン場(1区画0・8ヘクタール)を計画し、新浜地区にはカントリーパーク新浜がビオトープ(1区画0・8ヘクタール)、井土地区は農事組合法人井土生産組合が地元特産品としてブランド化を進めている「仙台井土ネギ」の安定供給に向けて畑(1区画0・6ヘクタール)の整備を提案した。

 市が土地の造成工事を行うが、造成が不要な場合は18年度から利用できる見通し。落選した応募者と他区画での事業実施を確認するほか、空き区画が出れば18年度に再募集する。

【開発規模は総延べ7・9万㎡】旧大名小跡地活用(中央区)、優先交渉権者に積水ハウスグループ

 福岡市は、都心部の天神地区に隣接する小学校跡地に定期借地権を設定し民間事業者に貸し付ける「旧大名小学校跡地活用事業」の公募型プロポーザルで、優先交渉権者に積水ハウスを代表企業とするグループを選定した。

 24階建てのホテル・オフィス棟や18階建てのコミュニティー棟などで構成し、容積対象面積は7万9392平方メートル。22年12月ごろの全体開業を予定している。9月ごろに契約を締結する。

 対象地は中央区大名2の165の1ほか(敷地面積1万1821平方メートル)。 積水ハウスグループの代表企業以外の構成員は▽西日本鉄道▽三菱地所▽西部ガス▽西日本新聞社▽福岡商事▽久米設計▽醇建築まちづくり研究所▽鴻池組▽積和建設九州▽西鉄ビルマネージメント▽積和管理九州。

 同グループの提案によると事業期間は70年間。校区行事などに活用できる約3000平方メートルの広場を囲む形で施設を配置する。オフィス・ホテル棟に設けるホテルは客室数147室、客室面積はすべて50平方メートル以上。オフィスはワンフロア最大貸し付け面積約2500平方メートルを予定。

 コミュニティー棟には1階に公共施設の公民館・老人いこいの家、多目的空間を配置。2階に定員50人の保育施設、2~3階にシェアオフィスなどの創業支援・人材育成施設、4階以上に共同住宅を設ける。このほか、イベントホールや立体駐車場、公共施設の消防分団車庫も設ける。

 プロポーザルには3グループが提案書を提出。積水ハウスグループの提案は価格評価以外の全体計画、施設計画、維持管理運営計画でいずれも他の2グループを上回る評価だった。提案地代から提案公共施設賃料(いずれも年額)を引いた提案価格は5億8577万1000円。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/時短に伴う現場対策に着手

週当たりの法定労働時間を68時間から52時間に減らす「労働時間短縮」施行に伴う建設産業の課題解決に向けて、国土交通部が対策に着手した。このほど、大韓建設協会、大韓専門建設協会、韓国建設技術管理協会などを対象とする「労働基準法改正関連建設分野対策会議」を開いた。

 建設現場や設計事務所からは、工期や設計の履行期限が決められた状況で、「人件費など工事費増加要因を考慮しないまま、業務量は変更されず、勤務時間だけ減らした」ことに不満の声が出ていた。

 対策会議で各協会は、「労働基準法」の実効性確保のためには工期延長と契約金額の調整が不可欠だとする意見を提示。諸手当を原価に反映すべきだとする書面を提出すると伝えた。

 労働時間短縮が施行されれば、公共工事費の増加要因となる。国土交通部関係者は、「正常に工事や設計業務が進行されるならば問題がない。完工時期が差し迫って突貫工事や無理な設計業務が進められる時、どのように対応すべきかを検討している」と説明する。

CNEWS、3月21日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/廃棄物焼却発電施設建設へ合弁

 T&Tグループと日立造船は22日、共同で廃棄物焼却発電事業を行うことで合意し、覚書を交わした。

 両社は合弁会社を設立し、ハノイ市内にプラントを建設する計画。廃棄物処理と環境保護の観点から、持続可能社会への一歩として期待が高まっている。

 T&Tグループ幹部によると、合弁会社は1日当たり1000tの処理能力を持つプラントの設計・施工・運営を担う。T&Tグループは国家主席から第一級のメダルを受けた数少ない企業の一つ。

 日立造船は日本の廃棄物処理プラント建設大手で、17年にはハノイ市内でベトナム初の廃棄物焼却発電所を完成させている。

セイ・ズン、3月24日)

2018年3月27日火曜日

【都内で高精度な位置情報の把握可能に】国会前庭内(東京都千代田区)に電子基準点

 国土地理院は東京・永田町の国会前庭内に電子基準点「東京千代田」を設置した。26日に準天頂衛星システム(みちびき)や衛星利用測位システム(GPS)などの観測を開始した。

 都心での測量が大幅に効率化する。全国の標高の基準となる「日本水準原点」の隣に位置し、原点の変動をモニタリング。地震で標高が変わっても変動量を早く把握でき、早期の復旧・復興にも役立つ。

 観測開始を記念して同日、石井啓一国土交通相らによるテープカットが行われた。電子基準点は人工衛星で国土を測る位置情報のインフラ。測量衛星の信号を常時観測し、高精度な位置情報を把握するため、全国1300カ所に設置されている。情報は一般にも提供され、測量業務のほかICT(情報通信技術)施工の実施にも利用されている。

 地理院は電子基準点の国際展開も目指しており、都心地域の設置により「海外から来られた方々に見ていただく機会が増えると思う」(村上広史院長)としている。

【国体開催へアリーナや陸上競技場など整備】総合運動場基本設計(佐賀市)、梓設計JVに

佐賀県は、23年の国体・全国障害者スポーツ大会に対応するため計画しているスポーツ施設整備の基本設計業務の委託先を選定する「佐賀県総合運動場等整備に係る基本設計業務委託」の公募型プロポーザル(WTO対象)で最優秀者に梓設計・石橋建築事務所・三原建築設計事務所JVを選定した。

 業務内容はアリーナ(延べ約2万~2万3000平方メートル程度)、屋内水泳場・屋内水泳場関連施設(延べ約6000~7000平方メートル)、陸上競技場(増築約2000平方メートルなど)、テナント棟(2階建て延べ約1500平方メートル)などの基本設計。業務予定期間は10月31日まで。場所は佐賀市日の出の総合運動場エリア約24ヘクタール、総合体育館エリア約3・4ヘクタール。22年度の工事完了を予定。

 プロポーザルの次点には石本建築事務所・平野建築設計事務所・はたせ建築設計事務所JVを選定した。

【回転窓】かれんな姿が心を奪う

淡いピンクの花弁が一斉に咲き競う姿は春の訪れが実感できる日本の風物詩といえるだろう。わずか2週間ほどで散ってしまうはかなさ、そして風に乗って無数の花びらが舞い散る様子も見る者の心を奪う▼花見の起源は奈良時代といわれる。7世紀後半から8世紀後半にかけて編さんされたといわれる『万葉集』では桜よりも梅を詠んだ歌が多いそうだが、平安時代の10世紀初頭に編まれた『古今和歌集』では桜と梅の数が逆転。春の花として定着したことがうかがえる▼時代の流れとともに貴族の風習だった花見は武士に広がり、江戸時代には庶民も楽しむように。この頃の桜は山桜などが主流で、現在桜の代名詞にもなっている「ソメイヨシノ」が広まったのは明治期に入ってからだそうだ▼年度末を迎えた今週は何かと慌ただしく、忙しさもピークという方が多かろう。進学、就職、転勤と節目が訪れ、当事者でなくてもついつい心の余裕を失いがちかもしれない▼恐らく東京は月末が満開の時期。咲き誇る桜をめでて春の訪れを家族や友人、恋人と満喫する。お楽しみのために、まずは山積み仕事を片付けるとするか。

【九州整備局が設計変更内容公表】阿蘇大橋架け替え、断層交差部で落橋防止対策


 九州地方整備局熊本復興事務所は、「国道325号ルート・構造に関する技術検討会」(会長・日野伸一九州大学副学長)の会合で、16年4月の熊本地震で被災し権限代行の災害復旧事業で架け替えを進めている国道325号阿蘇大橋の設計の変更内容などを報告した。

 地震による落橋防止策として鋼橋で計画している右岸側のアプローチ橋は活断層が存在する可能性がある箇所をまたぐ部分の形式を他と異なる単純箱桁橋とし、橋脚上部の橋桁などを支える部分の幅を広くする。

 同事務所によると黒川渡河部に当たる本橋の形式は従来計画通りPC3径間連続ラーメン箱桁橋、延長345メートル。地質調査などを踏まえ、下部工の基礎長や橋脚高を変更した。のり面部の基礎工の施工では土留め工法を採用することにより掘削面積を縮小し、掘削範囲を最小限に抑える。

 アプローチ橋は掘削土を有効活用し盛り土形式に変更することで橋長を従来計画より80メートル短い180メートルに縮小した。

 アプローチ橋の形式は推定活断層との交差部に当たり本橋と接続する1径間延長65メートルを鋼単純箱桁橋、これ以外を鋼3径間連続鈑桁橋とする。一部を箱桁橋とすることで熊本地震と同程度以上の地震が発生した場合でも箱桁橋の支承部を先行損傷させ被害をできるだけ抑え、箱桁橋の橋脚は支承や橋桁を支える沓座の幅を一般的な橋脚より広くし落橋しにくくする。

 今回確定した設計について同事務所の辻芳樹所長は「熊本地震を踏まえ技術的に高度な設計をしている。断層が変位しても(橋梁は)変位が生じにくく、もし損傷しても早期に復旧できる」と話した。

 架け替えではこれまでに不安定土砂の除去やのり面の掘削などを行っており、18年度に本橋の基礎工などに着手する。20年度の完成・開通を目指す。本橋の上下部工事は大成建設・IHIインフラ建設・八方建設地域維持型JV、設計業務は長大が担当。

【A街区超高層ビル、65階建て高さ323m】虎ノ門・麻布台地区再開発(東京都港区)、きょう組合設立認可

 ◇総事業費5792億円◇

 東京都は27日、港区で超高層ビルなどの整備を計画している「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合」の設立を認可する。

 総事業費は5792億円。18年の権利変換計画認可、19年3月の着工、23年3月の竣工を目指す。参加組合員は森ビル(事業協力者)、日本郵便の2社。森ビルは設計も担当する。

 コンサルタントとして佐藤不動産鑑定コンサルティングが参画する。

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【完成予定は20年9月】横浜文化体育館サブアリーナ(横浜市中区)、10月着工

 フジタら10者が出資する特別目的会社(SPC)・YOKOHAMA文体(横浜市中区、太田祐次代表)は、10月にも「横浜文化体育館再整備事業(仮称)サブアリーナ新築工事」に着手する。

 設計は梓設計・フジタ設計JVで、フジタ・馬淵特定JVが施工する。20年9月末の完成を目指す。

 建設地は旧横浜総合高校跡地の中区翁町2の9の10の一部。敷地面積は5702平方メートルで、規模はRC一部S・SRC造5階建て延べ1万6050平方メートル。

 再整備プロジェクトでは、横浜文化体育館の敷地と隣接する旧横浜総合高校跡地の2カ所の市有地を使い、BTO(建設・移管・運営)方式のPFIで二つのアリーナを備えた体育施設を整備・運営する。収益施設の整備・運営事業も民間の独立採算で実施する。

 SPCと市は17年12月に同事業の契約を締結した。契約期間は39年3月31日まで。契約金額は313億3000万円(税込み)。サブアリーナは20年10月、メインアリーナは24年4月の供用開始を目指す。

【記者手帖】「分かりやすさ」に努力

東京都内の自治体が庁舎建て替え計画を相次ぎ打ち出している。各自治体が発表する新庁舎のコンセプトで、共通して見かけるのが「分かりやすい」という言葉。「来庁者にとって分かりやすい配置」「案内表示を単純で分かりやすいものに」「分かりやすい動線計画」等々。不特定多数の人が利用するのだから、誰にとっても分かりやすいことが求められる◆記事を書く記者にとっても「分かりやすさ」を追求するのは同様だ。都内自治体の担当記者となって2年半が経過した。役所の発表資料でよく目にする日常では使わないような言葉、回りくどい言葉を、どう読者に分かりやすく伝えるかを心掛けている◆ただ、これが難しい。正確に伝えようとすれば情報量が多くなり、要点が目立たなくなる。要約しすぎても趣旨が伝えられなくなり、かえって読者に誤解を招く◆自治体によっては、公務員が使いがちないわゆる「お役所言葉」の改善手引を策定していると聞く。記者としても一方通行の記事にならないよう、読み手を考慮した分かりやすい文章作りに努めなければ。(ま)

2018年3月26日月曜日

【3月31日に福岡市で】ツタワルドボク、写真家・沖野義隆氏招き情熱土木写真塾

 土木技術や土木技術者の重要性や魅力を広く伝えることを目的に設立したツタワルドボク(片山英資会長)は31日、建設技術研究所九州支社を会場に「第2回情熱土木写真塾」を開く。

 写真塾にはフォトグラファーの沖野義隆氏(写楽堂)を講師として招き、人々の生活を支える土木構造物を一眼レフを使って魅力的に撮る方法やマニュアル撮影の技術などを学ぶことができる。

 集合場所は、建設技術研究所九州支社(福岡市中央区大名2の4の12)。座学による講習を受けた後に、隣接する大濠公園に会場を移して実技を学ぶ。時間は午後1~6時。マニュアル撮影可能なデジタルカメラと三脚を持参する。申し込みは電子メール(info@tsutawarudoboku.com)で行う。参加費は3000円(個人会員、法人会員は2人まで無料)。

【回転窓】いかのおすしをご参考に

「今日も気を付けて」。小学校のセーフティーウォッチャー(登下校の見守り)を務める近所の男性が子供たちに毎朝声を掛けてくれている。別の保護者がいる数百メートル先の横断歩道を渡って姿が見えなくなっても、しばらく立ち続ける姿に地域の善意を感じる▼見守りボランティアと意見交換した千葉市の熊谷俊人市長が、「自分自身で危険を察知することも必要」という意見が印象深いと感想を話していた。物騒な事件が後を絶たず、子供たちも危険を察知する能力を養うに越したことはない▼千葉県警によると、17年に寄せられた不審者情報のうち、13歳未満が対象の事案は約1200件。分析すると、65%を1人でいる時が占め、同じく65%が登下校の時間帯だった▼「ついて『いか』ない。『の』らない。『お』お声を出す。『す』ぐ逃げる。『し』らせる」。地元の警察が「いかのおすし」運動と名付けて、春休みに入った子どもたちに注意を喚起している▼「子供見守り隊」を結成したり、「ここは地域を見守る工事現場です」と発信したりする建設関係の団体や現場は多い。いかのおすし運動、参考にしてみては。

【凜】フジテック首都圏統括本部横浜支店・渡邉裕貴さん

 ◇後輩に仕事教えるのが楽しい◇

 地元・茨城の工業高等専門学校を卒業後に入社。4月で6年目に入る。納入した昇降機が常に安全に機能するよう、定期点検や修理、小規模工事などの維持・更新作業を担当している。

 利用者の命を預かる重要な業務だけに、作業中は緊張するが、同行した先輩社員の動きを見ながら少しずつ作業のこつや勘所を習得。だんだん仕事のやりがいと面白さが分かり始めてきた。

 入社後に配属された首都圏統括本部東カスタマー技術部品川サービスセンターには女性の技術者が6人いた。その誰もが男性職員と肩を並べ、生き生きと仕事をしていた姿に「いつか自分にもできるようになる」と自信を持った。

 16年10月に横浜支店へ配属され、約1年半が経過。横浜市を中心に担当エリアを忙しく飛び回る。

 女性のメンテナンス技術者は数が少なく、客先で珍しがられることもあるが、すぐに顔を覚えてもらえる。4人の後輩もでき、彼らを連れて客先を回るようにもなった。「仕事を教えるのは楽しい」とはにかむ。

 昨年、国家資格の「昇降機等検査員」を取得。4月から昇降機設備の定期検査・点検に1人で出向けるようになる。

 ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの技術革新で、昇降機設備も日々進化している。「常に勉強していないと置いて行かれる」と気を引き締め、きょうも仕事に臨む。

 (わたなべ・ゆき)

【建設業の心温まる物語】斉藤興業(香川県)・斉藤誠治さん

 ◇卒業式にサプライズで出席◇

 私は、左官工事会社を経営しています。現在、全国的に職人が不足しており、私が住む香川県でも職人不足は深刻な状態です。そこで、職人育成塾を立ち上げ、職人を自ら育成することになりました。

 1回目の塾生募集ではなかなか人が集まりません。夏の暑い日に、ハローワークの前で、職業を探す人に対してビラ配りをしました。それでもなかなか、ビラさえ受け取ってもらえません。

 ようやく知人の紹介で、通信制学校の学生が何人か入塾してくれることになり、開校にこぎ着けるようになりました。

 初めのころ、塾生は皆、あいさつ、コミュニケーションが少なく元気がありません。この子たち、本当に職人になれるかなと心配になりました。それでも根気よく、あいさつの大切さを伝え、たとえ無視されても私から大きな声であいさつし続けました。

 2カ月たち、卒業式を迎えることになりました。卒業式では、塾生が通う通信制学校の先生があいさつをしてくださいました。

 「この子たちがこんなに明るくしゃべられるようになるなんて信じられません。職人育成塾に通わせてよかったです。本当にありがとうございました」

 私は必死に塾生に向き合っていただけなので気づきませんでしたが、改めて見ると、本当に生徒たちは変わりました。熱意をもってちゃんと向き合えば、伝わるんだなと思いました。職人育成塾卒業後、自社に入社してくる女性社員の通信制学校の卒業式にサプライズで出席しました。とても喜んでくれました。

【建設業の心温まる物語】KMユナイテッド(京都府)・浦西明日香さん

 ◇人生のきっかけはいろんなところにある◇

 私は大学を卒業して、アニメ制作をしながらも、ものづくりが好きだったためモルタルの加工、棚に木目を付ける塗装のアルバイトをしていました。そして、本格的に特殊塗装がしたいと思い就職先を探していました。そこで見つけた塗装会社KMユナイテッドに何も分からず面接に行きました。

 「私が特殊塗装をしたい」というと社長が「美大やアート系の学校を出ていないと無理ですね」と一言。私は「やはり無理か」と思いました。しかし、社長は続けて「でも、これも何かの縁だから一緒に働いてみようか」と言って下さいました。その一言が現場で塗装の仕事をするきっかけとなりました。

 その後、塗装ひと筋60年近い先輩職人インストラクターから技術指導を受けながら塗装技術を学びました。入社して5年たちましたがまだまだ仕事が遅いので、早くそして丁寧な仕事ができるよう、意識して作業を行っています。

 もし、面接の時に社長から「未経験だからムリだよ」と入社を断られていたら、今の塗装の仕事をすることはありませんでした。

 また、現場や建設業そのものに興味を持つこともなかったと思います。人生のきっかけは、いろんなところにあるんだと改めて実感しました。このご縁を活かし、一流の女性塗装職人になる決意です。

【建設業の心温まる物語】永賢組(愛知県)・永草孝憲さん

 ◇人と人の繋がりを大切にし、豊かな未来を創造をする◇

 私は現在35歳。創業61年目を迎える建設会社の経営者です。5年前に61歳で他界した先代経営者である父との話です。

 父は田舎から名古屋に出てきて、創業家の娘と結婚をし、2代目経営者になりました。お客さま一人一人のことを心から大切にしていました。仕事以外のことを相談されても、親身になって自分のことのように助けたり、アドバイスをしたりしていました。人と人のつながりを大切にしていたこともあり、多くの方々から、仕事の紹介や、依頼をいただいておりました。

 そんな父と私は、度々衝突をしていました。私は「会社にファンを付けなければダメだ」、「マーケティングをしっかりしなければダメだ」などと、実績もあまりないのに理屈を振りかざしていました。

 父に病気が発覚し、入院したため営業ができなくなりました。私が父の代わりにトップ営業をしなければなりません。私は今まで主張していた方法論で行動しましたが、思うように成果がでません。そんな時に、助けてくれたのは父の友人や、自分の友人でした。一人一人とのつながりを大切にする仕事の仕方が重要だということが改めてわかりました。

 ついに父が亡くなり、ぼうぜんとしていたある日、父の使っていた携帯電話を私が使うことになりました。電源をつけて携帯を開くと、亡くなる前日まで多くの通話履歴が残っていました。父が、お客さまや友人に対して話した痕跡でした。その後、多くの方々から電話をいただきました。皆さん「おまえのおやじに頼まれたから、うちの家を作ってくれ」「事務所を作ってくれ」というものでした。涙が出てきました。

 経営理念を「人と人の繋がりを大切にし、豊かな未来を創造する」にしました。そして私自身、人を大切にして後世につなげていく仕事をしていきたいと決意しました。

【サークル】佐藤工業 スーパーママチャリグランプリ同好会

 ◇富士SWの耐久レースに毎年参加◇

 自転車好きの社員の呼び掛けに応じて有志が集まり、活動を始めたのが14年。「Time girls」と「Sugar Factory」という2チーム編成の同好会として活動を展開している。建築設計部門を中心にOBなど含め、3月時点で約30人が参加している。

 富士スピードウェイ(静岡県小山町)で年始に開かれる“ママチャリ”の7時間耐久レース「スーパーママチャリグランプリ」に毎年参加している。目下、来年のグランプリに向けてトレーニングを積みながら、作戦会議の開催も企画している。

 耐久レースは体力の限界に挑む厳しい戦いになるが、楽しむことも決して忘れない。代表の上條経伍さん(建築事業本部意匠設計部意匠第一課)は「安全に無理せず上位を目指す」と意気込みを見せる。

 会の継続と拡大を考えながらメンバー募集にも奮闘する上條さん。「なかなか集まらない」のが悩みの種だそうだが、それでもめげないのは耐久レースで身に付けた忍耐力のたまもの。くじけることなく個別の声掛けや社内ネットワークを通じて、ペダルを踏み続けるように同好会への参加を呼び掛けていきたいと話している。

【駆け出しのころ】岩田地崎建設執行役員北海道本店土木部長・武田稔氏

 ◇率先して自分を磨く努力を◇

 建設業に興味を持ったのは中学生の頃でした。「将来は男らしい職業に就きたい」という願望があり、その象徴ともいえるヘルメットと安全靴に憧れたことがきっかけでした。

 大学では土木学科に進み、構造系の卒業論文講座を受講しました。自分たちでコンクリート配合や鉄筋加工しスラブモデルを造り、それを壊してせん断応力等を調べる実験を行っていました。その中で「橋を造りたい」という気持ちが芽生え、当時、豊平川に架かる橋を数多く建設するなど「橋の岩田」と呼ばれていた岩田建設(現岩田地崎建設)に入社しました。

 新入社員研修を終えて3週間ほどの測量業務の後、最初に配属されたのが、鉄道高架橋を施工する「札幌高架東8工区BL1~BL3」工事でした。そこでは測量や写真管理、生コンクリートの品質管理などを担当していました。

 当時を振り返ると、がむしゃらに仕事に打ち込んでいました。現場で上司や先輩が仕事の一つ一つを丁寧に教えてくれるというよりは、実際に動きながら覚えていくというのが当たり前でした。最初は教科書通りにしか作業が分かりません。検査基準を厳格に守ろうとして少しの妥協も許さなかったため、職人さんと口論になり、怒った職人さんが現場から帰ってしまったこともありました。

 冬場に打設したコンクリートの品質を確保するため、暖房の燃料を入れるために正月も現場に通っていたことを覚えています。

 その頃は札幌市内の現場であっても宿舎を建て工事を行っていました。現場まで15分ほどの市内中心部に自宅がありましたが、2週間に1度、時には1カ月に1度しか家に帰れないこともありました。

 若い頃、上司によく言われていたのは「攻撃は最大の防御」ということです。何事も先を見ながら対応することが大切で、ただ待っているだけでは先には進めない。「前向きに行動してこそ成果が出てくる」というその言葉の意味をこれまでの仕事で実感しました。

 そうした考えもあり、当時では珍しいことなのですが、積極的に見聞を広めようと、道外の工事を3現場も経験させてもらいました。東日本大震災後には、東北支店の土木部長として被災地の復興工事にも携わり、全国から集まった技術者の方々と交流ができたこと、被災地を見て人生観が変わったことなど良い経験ができました。

 今、若い人たちに伝えたいのは、自ら率先して自分を磨く努力をしてほしいということです。社会人になると、特に民間は自分の仕事の成果がその対価として得ることにつながります。受け身の姿勢で教わるのを待つのではなく、自分を磨くために一歩踏み出してほしいと思います。

 (たけだ・みのる)1983年北海学園大学工学部土木学科卒、岩田建設(現岩田地崎建設)入社。土木部土木課工事長、土木部次長、東北支店土木部長、土木部長、執行役員土木本店長などを経て17年4月から現職。北海道出身、58歳。
最初に配属された鉄道高架橋工事の現場事務所で

2018年3月23日金曜日

【スタンプラリーで先着100人に】中部整備局新丸山ダム工事事務所、トンネル発破石をプレゼント!!

中部地方整備局新丸山ダム工事事務所は、地域振興の一環として新丸山ダム転流工「記念石」スタンプラリーを23日から開く。

 岐阜県八百津町内の店舗2カ所で買い物をしてスタンプを集めると、掘削石(初回発破石)をプレゼントする。先着100人。4月27日まで実施する。やおつうまいもの会と施工を担当する前田建設が協力する。

 1月に開始した転流工トンネル部の掘削は、2月末で約100メートル進んだ。新学期や新年度、これから始めようとする目標や取り組みの“始まり”や“スタート”を記念し、スタンプラリー達成者に初回発破石を提供する。

 1店舗500円以上の買い物でスタンプ1個(1店舗1個限り)を押すことができる。スタンプ用紙は八百津町役場や町内の各店舗、丸山ダム工事事務所、丸山ダム管理所などで配布する。スタンプを2個集めたら、新丸山ダム工事事務所で記念石と交換できる。
今回のイベントは、ダム事業による地域振興として試行的に行う。今後、工事の進み具合に合わせて「ダム軸通過石」や「貫通石」を提供するイベントを実施する予定。イベントの対象範囲も水源地域(八百津町、御嵩町、瑞浪市、恵那市)に拡大していく。

【回転窓】目標に近づく一歩

沖縄県糸満市の「なんぶトリムマラソン大会」が多くの市民ランナーに惜しまれつつ、今月18日の第30回大会で歴史に幕を下ろした。地域の一体感づくりに寄与する目的を果たせたことなどが理由だという▼この大会がユニークだったのは、事前に自己申告したタイムと実際に走ったタイムの差が小さい人から表彰されること。障害の有無にかかわらず誰もが参加できた▼スタートから慎重に自分のペースを刻むも、次第に乱れて目標に近づけるのは難しくなっていく。プラン通りにどう走り切るか。普段の仕事にもどこか共通するプロセスと言えよう▼生産性の向上に努めて一日の労働時間を短縮し、同時に休日を増やす-。働き方改革での目標を達成するには課題も多いが、まずは少しでも近づくよう着実に取り組むことが新たな展開を生む一歩になる▼大会名にある「トリム」とは〈健康・体力づくりの推進運動。心身のバランスの調整や回復を目的として、各人が手軽なスポーツを継続して実行しようというもの〉(大会ホームページ)の意味。大会終了は残念だが、今後もスポーツに限らず大切なコンセプトであろう。

【四本足でどこでもへっちゃら】日立建機、双腕・4脚型建機を試作

 日立建機は2本のアームと四つのクローラーを備え、ビルの解体や金属リサイクル、林業、産業廃棄物処理など多様な用途に対応できる「双腕型建機」の試作機を発表した。

 独立して動く4脚のクローラーを採用し、一般的な2クローラー方式の建機では困難だった傾斜地や不整地での走行や作業で、安定性を高めた。現時点で実用化の予定はないものの、試作機の製造技術や操縦ノウハウなどを新機種の開発に役立てるとしている。

 1台の建機で鉱山やビル解体、産業廃棄物処理など多様な現場に対応したいとのニーズが高まっていることから、2本の腕と四つの脚でより自由に動ける汎用性の高い試作機を開発した。試作機の質量は約9トン。アームや先端に装備するアタッチメントの素材にアルミ合金を採用するなど、部材を軽量化した。

 四つのクローラーが本体をしっかり支えるため、災害の被災地や傾斜地などでも安定的に作業を行える。

【地域を守る建設業】首都圏で積雪、地元建協が除雪作業に奮闘

 発達した低気圧が本州南岸を移動した影響で首都圏は21日、山間部を中心に積雪に見舞われた。

 神奈川県箱根町の国道1号芦之湯では午後6時に積雪44センチを記録。交通機関がまひする中、外国人も含む多くの観光客の足を確保するため、湘南建設業協会の会員企業が夜を通して除雪作業に当たった。

 神奈川県箱根地区では、季節外れの大雪で鉄道やバスが運休となった。神奈川県の要請を受けた湘南建設業協会からは三浦組、箱根建設、三和建設、勝俣組の4社で約50人が除雪に出動。箱根地区の国道1号、138号など13路線、計95・6キロで作業を行った。

 群馬県建設業協会は会員企業が22日朝から、国道299号神流町神ケ原(積雪15センチ)で除雪作業に従事。渋川松井田線・榛名カーブでの凍結防止剤散布や、桐生市、上野村などでの道路パトロールに出動した。

□関東整備局横浜国道/雪害対応功労で24社に感謝状□

 関東地方整備局横浜国道事務所は22日、事務所管内の除雪作業に出動した24社に感謝状を贈った。

 1月22~23日と2月1~2日の降雪時に、重機や人力で除雪・路面凍結解消などの雪害対応に活躍した。贈呈式では淡中泰雄所長から各社の代表に感謝状が手渡された。

 雪害対応功労者は次の通り。

 ▽東建設▽安藤ハザマ関東土木支店▽エス・ケイ・ディ▽大野建設▽大林組東京本店▽鹿島道路横浜支店▽木本建興▽熊谷組首都圏支店▽国土開発工業▽小雀建設▽全日本レッカー協会▽大成建設横浜支店▽東京鋪装工業関東第一支店▽戸田道路▽巴コーポレーション▽奈良建設▽西松建設関東土木支社▽日工▽NIPPO関東第一支店▽日立造船東京本社▽前田道路東京支店▽前田道路西関東支店▽宮内建設▽宮川興業。

【18年夏に県民推進会議設立へ】三重県サッカー協会、4月にスタジアム整備構想の最終報告

 三重県サッカー協会(岩間弘会長)は、サッカースタジアム整備に向けた最終報告を4月にまとめる。鈴木英敬知事に手渡し、協力を求める。20日に津市内で開かれた準備委員会で決定した。今後、県内の政財官関係者に働きかけ、今夏に県民推進会議を立ち上げたい考え。

 県内には、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)加盟を目指しているアマチュア3チームがある。このうち「ヴィアティン三重」は、アマチュアリーグ最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)に属している。ただ、Jリーグに昇格するためには、成績だけでなく施設、組織面などで基準を満たし、Jリーグから認定を受ける必要がある。県内には規格を満たすスタジアムが無いため、現状では仮にJFLで優勝してもJリーグに昇格することはできない。

 4月に公表する報告書では、スタジアム建設に向けた方針を示す。2カ所の候補地を挙げ、各種条件を比較検討するとともに、整備に向けた行程表なども盛り込む。資金計画については、県内に有力企業がないことから、民間からの寄付だけで全額を賄う方式を断念、県や自治体から一定程度の財政支出を求めていく方針。

 準備委員会後に会見した岩間会長(=写真)は「県民推進会議には、サッカー関係者だけでなく、産業界や行政関係者らにも参加してもらい、県内一丸となってスタジアム建設を目指したい」と話した。

【倉本聰氏がデザイン監修】新富良野プリンスにレストラン開業へ

 新富良野プリンスホテル(北海道富良野市、西藤誠総支配人)は5月28日、ホテル敷地内にレストラン「ル・ゴロワフラノ」を開業する。

 富良野を舞台にしたテレビドラマ「北の国から」の脚本などで知られる作家の倉本聰氏が「理想のレストラン」を目指し、店舗デザインとメニューの監修、店舗の命名とロゴデザインを手掛けた。建物は周囲の自然に溶け込むように木材を多用したデザインとする。

 設計は竹端建築設計室(札幌市白石区)、施工はイワクラホーム(同豊平区)が担当。事業費は1億円を見込む。

 ル・ゴロワフラノは倉本氏が提唱する、自分の知恵で生みだすことの面白さや楽しさを味わう「創」の思想に基づいて創設するレストラン。

 外観は森との共存を重視し、やわらかな曲線を取り入れる。店内は木のぬくもりが感じられるデザインとした。規模は平屋142平方メートル。35席(ホール17席、個室14席、カウンター4席)を設ける。

 同ホテルは1988年12月に開業し、今年で30周年を迎える。ホテル内には倉本氏のドラマの世界観が楽しめる英国風庭園「風のガーデン」や開業当時の富良野駅舎を再現した「富良野・ドラマ館」、倉本氏監修の飲食店「SohsBAR」や「珈琲森の時計」などを整備してきた。

2018年3月22日木曜日

【回転窓】春の風物詩も今は昔

かつて1年で予算を使い切ることを原則とする国や地方自治体の「予算単年度主義」の弊害と指摘されたのが、3月に工期末が集中し、東京各所で渋滞を生んだ道路工事だ▼「マスコミの批判にさらされる春の風物詩はいかがなものか」。国の審議会で専門家が改善を訴えた集中工事も、最近は随分減ったように思う▼工事が分散実施されるようになった要因の一つに、国や東京都、民間インフラ事業者が組織した道路工事調整協議会の取り組みがあるのをご存じだろうか。発注の平準化や共同施工による時間短縮、非開削工法の多用といったアイデアが協議会で生まれ、同様の取り組みが全国に広がった▼建設コンサルタンツ協会が今、3月に集中する業務の納期を次年度や9月に分散するよう提案している。国や地方と意見を交換する会議で予算単年度主義の弊害を訴える姿は道路工事の議論と重なるが、発注者の動きは鈍い▼長時間労働や就労環境に対して社会の目は厳しくなっている。法改正の流れもあり、企業の危機感は過去にないほど高まっている。業界の声に国や地方はどう応えるのか。時間的な猶予はそう多くない。

【施工は戸田建設JV】鉄道運輸機構、リニア中央新幹線中央アルプストンネル安全祈願式開く

JR東海が進めるリニア中央新幹線(東京・品川~名古屋)建設事業のうち、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が受託した「中央新幹線、中央アルプストンネル(松川)外」工事の安全祈願式が20日、長野県飯田市の妙琴公園で行われた。

 施工は戸田建設・あおみ建設・矢作建設工業JVが担当する。安全祈願式には約90人の関係者が出席した。

 神事では、松野篤二JR東海常務執行役員、竹津英二鉄道運輸機構関東甲信工事局長、牧野光朗飯田市長、秋場俊一戸田建設代表取締役専務執行役員らが玉串をささげ、工事の安全を祈願した。
神事の後、取材に応じる(左から)戸田建設・秋場氏、
JR東海・松野氏、鉄道運輸機構・竹津氏
続きはHP

【団体総合優勝は大成建設】10社から130人が参加し熱戦

 第43回建設業スキー大会(主催・建設業スキー大会、後援・日刊建設工業新聞社)が3~4日の2日間、長野県小諸市の「アサマ2000パーク」で行われた。

 10社から約130人の選手が参加した。団体総合は2年ぶりに大成建設が優勝。個人女子は竹中工務店の梅野諭子選手が7年ぶりの栄冠を手にした。個人男子は大成建設の黒羽秀之介選手が2度目の4連覇を果たした。

 アサマ2000パークでの大会は5回連続。本戦は快晴となった4日に全長800メートル、斜度が最大24度、平均14度のパノラマコースで行われた。1984年サラエボ冬季五輪日本代表の岩谷高峰氏がゲスト参加し、コースをセッティングするなど大会を盛り上げた。3日の開会式では、個人優勝の梅野、黒羽両選手が選手宣誓した。

 個人戦は2本の合計タイムを競った。黒羽選手は1本目、2本目とも41秒台の好タイムで滑走。「岩谷さんの素晴らしいセットでレベルの高い滑りやすいコースだった」と振り返った。

 梅野選手は2本目に女子で最速の46・24秒を記録し、2位以下と差をつけた。「1本目にミスし、2本目は楽しんで滑ることを心掛けた」と心境を明かした。

 団体は、得点対象者のタイムに応じた得点の合計で順位が決まる。女子は竹中工務店、鹿島、長谷工コーポレーション、男子は大成建設、鹿島、竹中工務店の順となった。

 男子のリードを生かし、大成建設が男女の得点を合わせた総合で1位を勝ち取った。チームを率いた田口典生大成建設山とスキーの会会長は、「みんなの実力が発揮できたのではないか。来年も頑張りたい」と早くも連覇への意欲を示した。

 本戦の幹事は、安藤ハザマと戸田建設が担当した。閉会式で金井英明大会会長(安藤ハザマ)は「ご協力いただいた皆さんに感謝する」と謝辞を述べた。

 岩谷氏は「2日間とも素晴らしい天候。気温が上がったにもかかわらず、最後の人まで良いコースで滑ることができたのは、日ごろの整備のおかげ」とスキー場のスタッフに敬意を表した上で、「これからの季節は滑る機会が少なくなると思うが、時間を見つけてトレーニングし、さらなるレベルアップにつなげてほしい」と選手にエールを送った。

 大会は、スキーブランドのグループ・ロシニョール(東京都台東区)とICI石井スポーツ(同新宿区)、アサマ2000パーク高峰マウンテンロッジ(長野県小諸市)が特別協賛した。岩谷氏は選手の家族も参加した前夜祭や表彰式、閉会式にも出席。メダルや賞品を贈呈したり、子どもたちとゲームに興じたりするなど交流を深めた。

 あさま2000パークの小平忠夫総支配人は、「4月に新しいホテルの新築工事が始まり、来年秋に竣工する予定だ。ゲレンデも第3リフトを200メートル延長する計画で、パノラマコースが150メートルほど長くなる。ぜひ利用してほしい」と呼び掛けた。次回大会の幹事は、今回特別戦の幹事を務めた長谷工コーポレーションと三機工業が務める。
□個人男子優勝・黒羽選手□
「今大会で参加は10回目となりました。最初に4連覇した後、2回優勝を逃し、また4連覇することができました。来年は5連覇を目指します」
□個人女子優勝・梅野選手□
「今大会には例年トップの選手が出場していないこともありましたが、1位になれて素直にうれしいです。1年1年が勝負です」