2018年3月9日金曜日

【地下広場の直上に渋谷川】東急電鉄、渋谷駅街区土地区整事業の現場公開

東口地下広場の地下2階部分。天井部から渋谷川の河道が突き出ている
東急電鉄は7日、東京の渋谷駅一体で進む「渋谷駅街区土地区画整理事業」のうち、移設後の渋谷川直下に位置する「東口地下広場」と「雨水貯留槽」の現場を公開した。駅東口は地下鉄の路線や再開発ビルの地下構造物などがあるため、限られた空間で複層的に広場と貯留槽を整備している。施工は東急建設・清水建設・鹿島JVが担当。

 東口地下広場は2層構造で総延べ1600平方メートルの規模。広場の整備によって地下と地上の鉄道乗り継ぎを容易にするほか、鉄道利用客のたまり空間の構築を狙う。地下2階はコンクリート構造物がほぼ完成しているが、地下1階は東急百貨店の地下構造物を解体している最中だ。

 天井は渋谷川の河道(コンクリート構造)が突き出ているため、そこを強調するようなデザインの工夫も検討中という。地上の光を取り込むため一部を吹き抜けとする。

 広場の大部分は隣接地で建設している再開発ビル「渋谷スクランブルスクエア」初弾の東棟が出来上がる19年秋の完成を予定。広場と地上を接続する階段など一部エリアは、地上部の工事などとの兼ね合いから2020年東京五輪前の完成を目指す。

整備中の雨水貯留槽。奥の配管で集めた水を貯留槽内に流し込む
地下貯留槽は東口地下広場の下、地下25メートルに設ける。容量は4000立方メートルで、集水の対象は駅東口を中心とした14ヘクタール。1時間当たり50~75ミリの降雨時に雨水を六つの取水ポイントから集め、一時的に貯留。48時間かけて明治通りの直下を通る古川幹線に排水する。貯水量によって使用するエリアを3段階に分け、維持管理の簡便さや効率性を高める。

 地下構造物はほぼ完成しており今後、地上の取水管の整備などに取りかかる。東京五輪までの供用開始を目指す。

 区画整理事業の施行面積は5・5ヘクタール。主に駅の東口と西口を再編整備する。東急電鉄を施行代表者にJR東日本、東京メトロも一部の施設整備を施行。同意施行者として都市再生機構が技術支援を担当している。

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