2018年3月9日金曜日

【回転窓】災害に耐える街の姿は

築50年を越える防火帯建築群を補強した上で、屋上緑化や水路の構築などによって歴史を感じる街並みに変える-。建築を学ぶ大学生が横浜の街づくりを考える学生会議で提案したアイデアだ▼長屋風のビルが大規模火災時の延焼防止帯として機能するというアイデアは、第二次大戦後の復興で横浜の街づくりに取り入れられた。関外地区に残る建物群は昭和レトロな街並みを演出している一方で、老朽化によって地区全体の活気を失わせている要因にもなっている▼学生たちが知恵を絞り真剣に議論するこれからの街の姿。耐震、耐火に加え、耐水などあらゆる災害の防御策を広い視点で考えることが日本の建物づくり、街づくりに欠かせないのだと、建築家の卵らの意見を聞いてあらためて感じた▼日本建築学会は4月、気候変動の影響で起こる災害から建物を守る方策を検討する特別委員会を立ち上げる。水害、土砂災害、雪害、風害からの防御策以外に、地震や火山噴火を含む災害が複合的に起こった場合の対策も協議するそう▼こちらはプロの建築家。ぜひ実務で培った経験と知識に裏付けされた若者に負けない議論を。

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