2018年4月12日木曜日

【回転窓】インド映画と社会問題

昨年インドを訪れた際、都会から離れた小さな町で水を運ぶ女性を目にした。首都デリーのきらびやかなショッピングセンターとの違いが、非常に印象的だった▼同国の映画「ダンガル きっと、つよくなる」が全国で公開されている。娘を女子レスリング代表に育てた父親の物語で実話がモチーフ。夢へ向かって突き進む父娘の熱意と愛情に、心が揺さぶられる▼いわゆる「スポーツ根性もの」なのだが、もうひとつの背景として描かれているのが、女性の社会進出。親が決めた相手に嫁ぎ、家事と子育てに生涯をささげる。そうした女性が多い中で、自らの意志で人生を選んでいく姿を国民に見せていく▼エンターテインメントとして一級品であると同時に、同国が抱える問題にも光を当てている。同国の作品として、世界での興行収入が史上1位になったそうだ。興味深いのはそこに貢献したのが中国での大ヒットという▼両国を合わせると人口は20億人を超す。経済成長も著しく市場規模はますます大きくなるだろう。両国民がどのような物語に魅了されるのか。進出を目指す上では的確なマーケティングが欠かせない。

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