2018年7月31日火曜日

【回転窓】ここが思案のしどころか

生活に欠かせない道路や橋などの社会インフラ。ダムは水の確保や治水、発電に重要な役割を果たし、都市の地下に造られる地下河川は洪水被害の軽減などに役立っている▼観光資源としてインフラを活用しながら、多くの人に存在意義を知ってもらうためインフラツーリズムが脚光を浴び始めている。施設を管理する公共機関と民間企業がタッグを組み、企画づくりに趣向を凝らす▼来月1日からは国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所、埼玉県春日部市、東武トップツアーズの3者が組み、全国で初めての有料見学ツアーが首都圏外郭放水路を舞台に始まる▼取り組みの狙いはさまざまだが、「地域の安全安心を守る施設を多くの人に知ってほしい」という思いは共通する。1日7回、毎日開催するツアーの申し込み状況を同事務所の担当者にうかがったところ、先週末時点で「6割程度」との回答。知名度が上がれば地下神殿を巡るツアーはきっと人気になるだろう▼社会インフラの必要性を懸命に説いても、理解してもらえない。そんな状況が変わりつつある中で、次の一手をどう打つか。今が思案のしどころだろう。

【福島復興のシンボルに】Jヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)、7年4カ月ぶりに一部営業再開

 サッカーのナショナルトレーニング施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町・広野町)が28日に一部営業を再開し、スタジアムで記念式典が開かれた。

 運営会社Jヴィレッジの社長を務める内堀雅雄福島県知事は「子どもたちの声が響き、世界のアスリートが集う施設が戻ってきた。どんな困難も克服できる福島県復興のシンボルとなる」と語った。

 式典には招待者と一般客を合わせて約1000人が出席し、施設再開の門出を祝った。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長、サッカー日本代表の森保一監督、吉野正芳復興相らが出席。JFAの名誉総裁を務める高円宮妃久子さまも臨席された。
久子さまは「この施設が再びにぎわいを取り戻し、地域の明るい希望の架け橋となることを願っている」と述べられた。田嶋会長は「Jヴィレッジは日本サッカーの発展にとって欠かせない存在だった。それがより素晴らしい形で施設が帰ってきたことをうれしく思う」とあいさつした。

 森保監督は「日本代表もこの施設に来て、活動することもあると思う。そのときには多くの方に見ていただき、ここからサッカーを発信していきたい」と意欲を見せた。吉野復興相は「この施設の再始動を契機に、福島復興が着実に進んでいることを国内外に知っていただきたいと強く願っている」と話した。

 所在地は楢葉町山田岡美し森8ほか。今回完成した施設は、原状復帰工事はスタジアム(建物部分RC造2階建て一部平屋延べ1万9006平方メートル)や、センターハウス(S・RC造4階建て一部平屋延べ1万1153平方メートル)、グラウンド6面(うち天然芝5面)など。新宿泊棟(S造8建て延べ5420平方メートル)は新築された。

 今後は県が発注し、基本設計を梓設計、実施設計・施工を前田建設・佐藤総合計画JVが担当する「全天候型練習場」(S造2階建て延べ1万1168平方メートル)が今秋に開業する。

 19年4月にはグラウンド3面(うち天然芝2面)が開業し全面オープンとなる。周辺ではJR東日本が常磐線新駅となる「Jヴィレッジ駅(仮称)」の建設工事にも着手しており、19年4月の開業を予定している。

【施工は清水建設JVら】屋内スケート場建設(青森県八戸市)、立体トラス屋根のジャッキダウン完了

 青森県八戸市が建設を進める(仮称)八戸市屋内スケート場の工事のヤマ場となる立体トラス屋根の最終ジャッキダウンが27日に完了した。

 大屋根はS造で水平投影面積約1万6000平方メートル、総重量2300トンの構造物。3月末に架設作業が開始され、6月5日から段階的に仮設支柱(ベント)からの切り離しが行われてきた。

 同施設は16年9月に着工し、RC・S造地下1階地上3階建て延べ約2万6000平方メートルのスケートリンク、ミニリンクなどを持つアリーナとして、市内中心部の長根公園内で工事が行われている。

 設計監理は山下設計、建築工事を清水建設・穂積建設工業・石上建設JVが担当。設備工事は強電を関電工・京谷電気・久保田電気工業社JV、弱電を開発電業・東洋電設・和井田電業JV、空気調和をテクノ菱和・サカモトアクエア・北奥設備JV、給排水製氷を大成温調・テクノワーク・三久工業JVがそれぞれ担当する。
建設中の「(仮称)八戸市屋内ケート場」の全景
(提供:清水建設JV)
工事を指揮する清水JVの石川俊英作業所長(清水建設)は、「大屋根の架設は、延べ119基のベントを外周部から中心部に向かって転用しながら支柱とし、鉄骨組み立てを進めた。ベントの設置前に地盤改良が必要な軟弱地盤で、架設中は常に鉄骨の変異量と支柱の沈下量を計測しながらバランスを維持してきた」と語る。

 ベントは実質、毎日わずかに沈下したという。これを調整するため工区ごとにジャッキダウン時のレベル合わせが慎重に行われた。鉄骨の荷重と応力が許容量を超えないよう施工管理することに「緊張感が続いたが、ここまで順調に進められた」と振り返る。

 最終日に残されたベントは44基。約15メートルの高さで油圧ジャッキと積層された鋼板が大屋根を支えている。油圧を上げ屋根の荷重を鋼板からジャッキに移行させた後、鋼板を抜き取り、減圧して残った鋼板に荷重を戻す作業が繰り返された。午前9時過ぎに始まった工事は熟練作業員のスムーズな連携のもと、午前中にすべてのジャッキダウンが整い、大屋根は自立した。

 「これで内装、外装工事を本格的に進められる。スケートリンク底部の製氷コンクリート工事などは、許容誤差がプラスマイナス2ミリという高難度。来年6月の竣工を目指して、さらに安全管理に注意を払って取り組みたい」。まだ屋根材のデッキプレートが取り付けられていないトラスからは夏らしい青空が抜けて見える。複雑だが美しいコントラストを描くトラスを見上げると、厳しかった石川作業所長の顔がほころんだ。

2018年7月30日月曜日

【回転窓】真夏の新しい風物詩

自宅近くでひまわりが咲き誇っている。幼児くらいの背丈でたくさんの花を付けたり、屋根の近くまで伸びて咲いたり。台風に耐えている姿は頼もしいけれど、映えるのは青空の下のように思う▼「今年はひまわりかな」。菜の花畑にひまわりの種をまき、開花を楽しみにしてきた近所の人が、黄色の具合を菜の花と比べて、ひまわりに軍配を上げていた。大きさも花の数も色も話題になる。さすがは夏の主役の一つ▼女子小中学生と保護者を対象にした日本建設業連合会(日建連)の「けんせつ小町活躍現場見学会」が始まった。女性も多く活躍する建設業の魅力と、ものづくりの迫力を感じてもらうのが狙い。早々と定員に達した現場もあり、4年目の今夏も人気は上々のようだ▼「おもしろかった。自由研究に役立ちます」「丁寧に対応してくださって、工事現場を満喫できました」。取材で出会った女子中学生と父親が笑顔で感想を話してくれた。建設業のファンを着実に増やせている▼真夏の恒例イベントにすっかり定着した見学会。現場のおもてなしが、ひまわりのように個性あふれる若者の入職につながるように願う。

【凜】熊谷組土木事業本部・藤岡朋美さん

 ◇現場に戻るために今がある◇

 初の女性土木技術職として入社して11年目。「ものづくりの最前線に携わりたい」と現場勤務を希望し、施工管理を担当してきた。

 「女性、男性のくくりは感じていなかった。目標とする人が上司や先輩にいたので、その人をお手本にしてきた」

 2年前に転機が訪れた。自身5カ所目の現場にいた時に出産を経験。出産後も現場に戻りたいという気持ちは強く、上司にも「戻ってきていい」と言われたが内勤を選んだ。「出産前と同じ100%の力を発揮しないと現場は務まらない。現場は予期せぬトラブルへの対応がある。時間に制約がある育児をしながらでは難しい」。そう判断しての選択だった。

 現在は本社の積算部門に所属。積算から学ぶ工事費の管理を現場に戻って役立てようと
いう思いで日々取り組んでいる。目指すのは作業所長だ。「周りの人が大きな現場をやっているのをうらやましく思う気持ちもある」。それでも「今しか見られない子どもの成長がある」と自分に言い聞かせる。

 「育児はそれまでの苦労がすべて上書きされるくらい大変なこと。共働きの方は、もっと奥さんをねぎらって」と笑う。時短勤務制度の利用は子どもが小学生に上がるまで。「その時どんな現場があって、自分が必要とされるか。現場への復帰を考えるタイミングはそこかな」。

 (技術センター係長、ふじおか・ともみ)

【建設業の心温まる物語】関口建設(大阪府)・河内崇さん

 ◇助け、助けられ支えあって生きている◇

 ある日のこと、現場の外でトラックの荷台の荷が崩れ、人が倒れていました。私は、とっさにその人にかけよって荷がまっすぐになるようにしようとしましたが、道具がなかったので、うまく直すことができません。

 「すぐに道具を取ってくるので待っていてください」と言って、私は現場に走りました。倉庫にあったレバーブロックとバールを使用してなんとかトラックの崩れた荷を元に戻すことができました。

 その人は、うれしそうな笑顔で私の名前を聞いてきました。私は「名前はナイショです。私も人に助けられてばかりなので、お助けすることができてよかったです。荷が崩れないよう、カーブは気を付けてください」とだけ言い残してその場を去りました。

 翌日、現場で仕事をしていると、「お前を呼んでいるお客さんがいるぞ」と上司に呼ばれました。するとそこには、昨日助けた方が立っていました。その人は、ヘルメットの色と名前が書かれたシールを見て、私がここで働いていると思い、お礼を言いに来てくれたそうです。私はとても温かい気持ちになりました。

 私が人を迷わず助けることができたのは、普段から人に助けられているからです。人は助け、助けられお互い支えあって生きているんだと改めて思いました。

【建設業の心温まる物語】イスルギ(石川県)・篠原光弘さん

 ◇あの時の職長の言葉が私を支えてくれた◇

 左官の職に就いて2年目の夏のころのことです。私は決して才能があるわけではありませんが、少しずつでも上達しているつもりでした。しかし、会社の酒の席で、私が周りの職人さんから「あいつはダメだ」「やる気があるのか?」と思われていることを知りました。頭の中が真っ白になり、仕事に自信が持てなくなってしまいました。

 そんなある日、職長のAさんが、担当している現場に呼んでくれることになりました。私は、「もしも、この現場で自分の腕が進歩しなければ、もう左官職は辞めよう。この現場が最後になるかもしれない」と決意しました。

 自分なりに必死でがんばったのですが、やはり小さなミスや聞き間違えによる不具合が続きました。なぜうまくいかないのかが分からなくなり、日に日にやる気がなくなっていきました。

 そんなある日、職長のAさんが「どうしたんだ」と聞いてくれました。私は胸のうちをAさんに正直に話しました。するとAさんからは説教やお叱りを受けることなく、逆に「分からないことがあるなら何度でも聞け。何回でもいいぞ。次に何かあったら電話して相談してきなさい」と優しく言ってくれました。私は次の日から本当に何度も相談しましたが、Aさんは面倒がらずに教えてくださいました。その結果、次第にミスが減っていったのです。

 今もまだ、一人前ではありませんが、あの時のAさんの言葉が私を支えてくださり、今もがんばって仕事ができています。

【建設業の心温まる物語】金城興業(兵庫県)・前中崇文さん

 ◇もっと学校が好きになりました◇

 私は足場を組み立てるとび職をしています。ある中学校で外壁リニューアル工事のため、外部足場を組んでいた時の話です。外部足場は5段、6段、7段と組み立てていくと教室の高さになり、生徒さんとの距離が近くになります。すると休み時間になると、私たちに話しかけてくる生徒さんがいました。

 「私の父さんもとびなのです」

 私は「へえー」と驚いて返事をすると、その生徒さんは続けて話してくれました。

 「私のお父さんは毎日高いところでお仕事しているんだよ。とびさんは働く人の安全のために、足場をつくっているってお父さんから聞いて知っているよ」

 私は「この子は、家でお父さんと何でも話せる、いい家庭の子なんだなぁ」と感心しました。それからというもの、毎日教室から「おはようございます」「今日もありがとう」と言ってくれるようになり、うれしくて現場に行くのが楽しくなりました。

 リニューアル工事も終わり足場も解体が進み、この現場も、もう明日で終わりだなと思っていたところ、運動場を走っていたいつもの子が、「学校をきれいにしてくれてありがとうございました。もっと学校が好きになりました」とわざわざ伝えに来てくれました。うれしくて涙がでそうになりました。感謝される仕事に就くことができて本当によかったと思いました。

【サークル】ライト工業関東支社卓球同好会


 ◇いい汗かいて異業種交流を楽しむ◇

 関東支社(東京都墨田区)の有志で作る卓球同好会「卓球ぶぅ~ん」のメンバーは6月時点で約35人。職員だけでなく、コンサル、メーカー、商社、サービス業など社外からの参加も多い。

 「会社にある卓球台で昼休みにレクリエーションとして楽しんでいた。仕事終わりに経験者に習おうと、2012年6月に同好会を立ち上げた」。部員の山外智一さん(関東支社)は設立経緯をこう説明する。「いい汗をかいて、異業種交流を楽しむ」をモットーとする活動の主体は月3回、墨田区や台東区の体育館で行う練習だ。

 1月には横浜文化体育館(横浜市中区)で開かれた第16回「Y卓杯」に男子団体2組が参加。3位入賞を果たした。公式戦への参加を増やそうと、今年は3回の挑戦を目標に掲げる。

 恒例行事の合宿では、夏は体育館を貸し切り、日中は卓球を満喫。夜はバーベキューなどを企画する。冬は新潟県湯沢町のホテルを拠点に、2泊3日の日程で卓球に打ち込み、最終日にはスキーやスノーボードを楽しむという。

 一回の練習に参加するのは10人程度。「老若男女、異業種の交流を深め、スポーツを通じて人とのつながりを増やしたい」(山外さん)とメンバーの増員に意欲的だ。

【駆け出しのころ】松尾建設取締役建築営業本部長・中嶋孝次氏

 ◇家族に自慢できる仕事◇

 子どものころからものづくりに興味があり、大学は建築学科に進みました。熊本に生まれ育ち、大学も地元であったため、卒業して社会人になっても九州で働きたいと考えていました。そうして九州でナンバーワンの建設会社はどこかと調べ、佐賀県に本社のある松尾建設に入社しました。

 最初に配属されたのは佐賀市内の建築工事現場です。5人ほどの社員が常駐していました。大学で学んだことが、実際の現場でそのまますぐに役立つものではなく、そのギャップに戸惑う時期もありました。でも、基礎を勉強していなければ応用もできず、しばらくたってからやはり基礎の大切さを実感したものです。

 私はとにかく現場に出ているのが好きでした。夏場になると真っ黒に日焼けし、顔にはヘルメットのひもの跡が白くはっきりと付いていました。新人時代はいつも図面を小脇に抱え、職人さんに何を聞かれてもすぐに答えるよう心掛けていました。しかし当時はまだ知識も自信もありません。ですから即答した後で事務所に行き、先輩に自分の指示が正しかったかどうかを確認するようにしていました。指示が間違っていたこともあり、そんな時は現場に走って戻りました。

 最初の現場で仮設足場を解体し、建物の全景が現れたときの感動は忘れられません。自分一人で造ったわけでもないのに、うれしくていろんな方向から建物をずっと眺めていたのを思い出します。

 入社2年目に現場で転落事故が起き、職人さんが重傷を負いました。私と同じ年代であったこともあり、現場でよく一緒に話をしていた職人さんでした。この日のことは強烈な実体験として頭に残り、その後の安全に対する考え方や取り組みのベースとなりました。

 結婚して子どもが生まれてからは、施工に携わった建物が完成すると、それを家族に見せるのが何よりの楽しみでした。まだ工事関係者しか入れない建物の中を案内したこともあります。引き渡し前の体育館で子どもたちとバスケットをしたのも楽しい思い出です。手掛けた仕事が目に見える形で残る-。これが建設業の良さであり、家族に自慢できる仕事だと思っています。

 現場でのものづくりであったり、営業で工事を受注したりすることであっても、仕事は好きにならないと続きません。

 会社に入ってきた若い人たちには、まず5年は頑張り、もし自分に合わないのであればそれからいろいろ考えても遅くはないと言っています。5年は長いと言う人がいるしれませんが、そのくらいの期間を経なければ判断できないでしょう。

 皆のやる気をどう起こさせるか。会社では東京支店長を務めたころも含め、このことを常に考えています。

 (なかしま・こうじ)1981年熊本大学工学部建築学科卒、松尾建設入社。執行役員東京支店長、同工事原価本部長、取締役工事原価本部長などを経て、2017年4月から現職。熊本県出身、60歳。
1990年代初めに家族で出掛けた旅行先で

2018年7月26日木曜日

【遊びながら土木の役割を学ぼう!!】土木学会、防災減災カードゲームを発売

 土木学会は、子どもたちに楽しみながら土木の役割を学んでもらおうと作成した防災減災カードゲーム「ポケドボ」の販売を始めた。価格は1200円(税別)。カードゲームは若手技術者でつくる若手パワーアップ小委員会が製作した。

 遊び方はプレーヤーに「こうそうビル」や「きょうりょう」などカードを5枚ずつ配り「まち」をつくる。場に積んだ札から「じしん」や「つなみ」などインフラに被害を与える災害カードと、「事前対策」や「応急復旧」といったインフラを守るカードを交互に取る。防御と復旧を繰り返しながら山札がなくなった時点で、より多くのインフラカードを健全なまま残したプレーヤーが勝者となる。

 同学会の塚田幸広専務理事は「学校や自治体の防災教育、家庭で防災・減災の大切さを話し合うきっかけづくりに活用してほしい」と話している。同学会のホームページから注文できる。

【海底トンネルの工事始まる】東京港臨海道路南北線整備、1号沈埋函の沈設着手

 関東地方整備局東京港湾事務所は26日、東京港臨港道路南北線(東京都江東区)の海底トンネル部分を構成する沈埋函(鋼殻)のうち、初弾の1号函沈設に着手する。作業は同日中に完了する見通しで、今後は2カ月おきの設置を計画している。19年度末の開通を目指す。

 24日に1号函の沈設に向け現場を報道陣に公開した。臨港道路南北線は、中央防波堤地区と東京都の有明側を結ぶ主道線として整備する。

 総延長は5・7キロで、海上部の延長が約931メートルとなる。コンテナ貨物の取扱量が増加する東京港エリアで、幹線道路の渋滞緩和や新しい物流ルートの確保を目指す。2020年東京五輪では関係者の輸送ルートとしての活用も想定する。

 沈埋函は7函で構成し、26日に沈設する1号函は中央防波堤地区の接続部と海上部をつなぐ。2~5号函を順次設置した後、有明側の接続部と連結する7号函を先に配置し、最後に6号函を設置する。沈埋函は延長134メートル、幅27・8メートル、高さ8・35メートルと国内で最長となる。

 作業では海上に浮かべた1号函を作業場所に移動させ、海水を注水して沈設する。函上部に設けられた高さ30メートルのタワーから方向を調整する。

 着底させた後、接続部に付けた引き寄せジャッキで函を引っ張り、密着させる。その後、接続部と函の間の海水を排水して接合する。2号函以降は既設函のジャッキで接着する。

 中央防波堤側の接続部と1号函の製造・築造工事は鹿島・東亜建設工業・あおみ建設JVが担当する。同事務所の辻誠治所長は「海底トンネルの設置は事業の大きな節目だ。完成すれば、周辺の混雑状況の緩和につながる」と語った。

【〝災害級〟の猛暑、夏場の工期見直し必要】現場の熱中症対策、発注者にも理解広がる

 35度以上の猛暑日が相次ぐ中、各地の建設工事現場や災害復旧の現場では、連日と変わらない急ピッチの作業が行われている。

 水分補給や休憩の確保を徹底。作業前に水分の吸収を促す経口補水液の摂取を求めた現場もある。24日が起工式だった公共工事の現場では、発注者が「命が一番大切。休憩を取って」と現場関係者をねぎらった。施工者からは工期の見直しを求める声も挙がっている。

 午前と午後の休憩を増やし、体を冷ましながら水分補給を勧めているのは、東京都内で進む五輪関連施設の建築工事現場。暑さ指数を測定し、休憩時間を延長する措置を講じ、ファン付きの空調服の着用を推奨している。

 40度前後の日も多い関東北部の現場は、日よけやミスト付きのファン設備、休憩所を増やすという。「この天気なので(熱中症対策は)当然。休憩を取って工事をやっていただきたい」と発注者が気を配っており、所長は「こまめに涼めるようにしたい」と対策を徹底する構え。職長会と対策を協議中の現場は数多くある。

 気象庁が「災害級」と指摘する暑さとあって、工期の在り方を問う意見も出てきた。「契約時にこんな猛暑になるとは想定していなかった」と語るのは、24日に施工物件の式典に出席したあるゼネコンの経営トップ。気温が一定以上になると作業の中止を措置する国があるのを念頭に、「上限以上なら作業をストップしたり、契約工期にその期間を上乗せしたり、業界全体で制度づくりに取り組んでいかないと」と危機感を込めて指摘した。

 工期を順守しようと、作業の中止をためらう現場が少なからず存在する。日本建設業連合会(日建連)の山内隆司会長は「安全に仕事をするための手を打てるだけ打ち、作業所、ゼネコン、協力会社がそれぞれ努力してほしい」と注意を呼び掛ける。

 宮本洋一副会長は「熱中症を現場から出さない措置」の徹底を要望。押味至一副会長は「働き方改革は作業環境を含めて見直すこと」と指摘し、作業環境を根本から変える必要があるという見方を示す。

 猛暑の影響は関係省庁も懸念し、国土交通省は、17年策定の熱中症対策事例集を参考に「予防の取り組みや事例を広く現場に生かしてもらいたい」(五道仁実官房技術審議官)と求めている。

 建設団体と「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を展開中の厚生労働省は、「ちゅうちょせず医療機関を利用してほしい」と警鐘を鳴らしており、夏季の働き方を巡る現場の対応が注目される。

【お知らせ】ブログ掲載の関連記事「建設経済新聞(韓国)/猛暑が工期圧迫要因に」もどうぞ。

【けんせつ小町現場見学会がスタート】読売テレビ新社屋の見学現場に小学生ら40人

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は24日、大阪市中央区の「読売テレビ新社屋建設計画」(設計・施工=竹中工務店)の作業所で女性が活躍する工事現場の見学会を開いた。

 小学生と保護者約40人が参加。けんせつ小町の説明を聞きながら、建築工事の作業を体験したり、作業の様子を見たりして、建設業の魅力に触れた。

 冒頭、日建連の五百木祐美参事が「建設業で働く女性が活躍する現場の見学会を企画して、今年で4年目。今年もきょうから全国19カ所で行う。現場は普段中を見たり入ったりできない。いろいろなことを感じて、質問もしてみよう。建設業の仕事のことや男女とも生き生きと働いていることなど、たくさん知ってほしい」とあいさつした。

 続いて作業所で活躍する竹中工務店の村井絢香さんが工事概要を説明し、同社の女性社員らが現場を案内した。参加者は工事用エレベーターと階段で17階に上がりタワークレーンへの指示を体験。協力会社作業員とともにクレーン先端のフックに小さなかばんを掛ける作業と安全確認を行った。5階の第1スタジオでは室内用高所作業車に乗り込んだ。子どもたちは「作業は楽しかった」「高い所は怖かった」「(建設の作業は)大変そう」「建設の仕事をやってみようと思った」などと語っていた。

 その後、現場事務所の会議室で子どもたちがけんせつ小町らに質問した。村井さんは「最近は男女関係なく職業を選ぶ時代。皆さんには純粋にものづくりや建物をつくることに興味を持ってほしい。きょうの体験を通じて、将来を描くきっかけにしてください」と語り掛けた。

 高倉通作業所長は「やってみたい仕事に少しでも近づくために大切なことがある。あいさつと勉強、多くの人との対話、いやなことから逃げず我慢する勇気、困っている人に声を掛ける気遣いを皆さんにも持ってほしい」と語った。

 同工事は読売テレビ放送(大阪市中央区)の新社屋建設事業。規模はS・SRC・RC造地下1階地上17階建て延べ5万1194平方メートル。16年11月に着工。19年1月の完成を目指す。今月末の進捗(しんちょく)率は約80%。

2018年7月25日水曜日

【総重量7000tをリフトアップ!!】/東京五輪アクアティクスセンターの整備進む

 東京都が2020年東京五輪の水泳競技会場として整備を進めている「オリンピックアクアティクスセンター」(江東区)の建設現場で24日、大屋根をジャッキで持ち上げる最後のリフトアップ作業が行われた。総重量約7000トンの屋根が高さ37メートルに到達。四角い屋根を支える4本の柱に免震装置を取り付ける作業などに移行する。

 建設地は辰巳の森海浜公園内の江東区辰巳2の2。地下1階地上4階建て延べ6万5500平方メートルの施設規模で、五輪時に1万5000席(五輪後5000席)を確保する。工期は20年2月。大屋根は庇(ひさし)部分を含め横130メートル、縦160メートルの大きさ。同日午前9時~午後4時ごろに、時速3メートルの速さで最後のリフトアップを行った。都は現場を報道陣に公開し、作業内容を説明した。

 今後は免震装置の設置のほか、屋根直下のメイン・ダイビングプールの躯体構築、観客席の骨組み建設などを進める。実施設計・施工を担当する大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業JVによると、躯対工事に加え内外装などの仕上げを行う19年5~6月ごろ、作業員は約1000人(現在200~400人)に達する見込みだ。

 危険な暑さが続き、熱中症対策にも気を配っている。休憩を増やし、作業前の強制給水などを徹底。大林組JVは「いったん体を冷まさないと大変なことになる。幸い、熱中症の作業員はまだ出ていない」としている。

【デミー&マツ、今回は秘密基地に潜入】噂の土木応援チーム、児童らに消波ブロックの役割紹介

 日本の土木の大切さや魅力を伝えるため土木技術者2人で結成したボランティア団体「噂の土木応援チームデミーとマツ」(出水享、松永昭吾共同代表)は22日、大分県臼杵市の不動テトラ機材センターで「テトラポッドの秘密基地に潜入!」を開いた。

 地元の小中学生の親子約40人が参加し、波を軽減する消波ブロックの役割などを学んだ。

 今回のイベントは、不動テトラと太平洋セメントの協力の下、学校では学べない土木体験イベントを通して多くの子どもたちに土木の役割、土木の大切さや魅力を伝えるために開催。参加した児童たちは、実際に消波ブロックを製作するなど普段触れる事のない波から護岸海岸を守る土木への理解を深めていた。

不動テトラ九州支店の鹿野健ブロック環境営業部部長が消波ブロックの役割について説明。続いて、機材センターと大分県建設業協会臼杵支部・津久見支部の指導のもと、0・5トンのテトラポッドと石膏を使用したミニテトラポッドの製作体験を行った。

 参加した子どもからは「初めてコンクリートでつくって楽しかった」「台風とかから陸を守るテトラポッドの役割が分かった」、保護者からは「土いじりが好きな子は多いと思うがコンクリートいじりの好きな子が増えるといい」「単なるイメージ体験だけでなく本物に触れることができ、子どもにいい影響を与えることができた」といった声が聞かれた。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/猛暑が工期圧迫要因に

例年よりも強い猛暑が予想される今年の夏、建設現場で労働者の健康と安全を守るのに苦慮している。

 気象庁は猛暑が続くという予報を発しており、実際に熱射病などの温熱疾患患者も急増。13日から4日間で285人の温熱疾患患者が発生した。屋外作業が大部分の建設現場も非常に危険な状況になっていると指摘されている。

 建築現場関係者は、猛暑に対応して作業時間を減らすとした政府勧告に従って休み時間を増やすことが「工期に圧迫要因として作用する」と指摘。特に公共工事現場の場合、「労働基準監督署から頻繁に監督が来るので、労働時間を徹底的に順守しなければならない」とする。

 労働者たちの休息に伴う工期延長は、直ちに施工業者の追加費用に結びつくことになる。業界関係者は、「異常高温現象など気候変化に伴う工事期間延長、工事費増額などを発注機関が合理的に認定してこそ、安全な建設現場が可能になる」と強調している。

CNEWS、7月18日)

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/週52時間制に不安の声

週52時間勤務制が施行されて1週間が過ぎ、建設業者の本社と現場に微妙な雰囲気の差が出ている。

 「常時労働者300人以上の事業場」という適用基準が本社にも適用される大企業は、人材と財務に相対的に余裕があり、職員の生産性向上に注力する姿勢を示しているが、建設現場ではまだ不安感がぬぐえない状況にある。

 今月から労働時間短縮対象に含まれた総合建設会社と建築士事務所、エンジニアリング企業は、入札担当部署と設計部署を除いた部署での所属職員の労働時間は、施行前とほとんど差がないことが伝えられている。

 一方で、京畿道華城市で大韓土地住宅公社発注工事を施工中のA現場所長は、「発注サイドからは、労働時間短縮で工期遅延が避けられないならば契約金額調整が可能だという立場を明らかにしてくれているが、まだやったことがないので不安なのが事実だ」としながら、「施工業者に所属する現場管理者は、本社と同様に定時出退勤をしている」と雰囲気を伝えた。

CNEWS、7月9日)

2018年7月24日火曜日

【働き方改革で経済波及効果も】都市機構やデベ各社、在宅勤務や時差出勤推進

 2020年7月24日に開かれる東京五輪の開会式まで2年を切った。政府は大会期間中の公共交通機関の混雑緩和に向け、ICT(情報通信技術)を活用しオフィス以外の場所で勤務するテレワークの普及に力を注ぐ。

 街づくりを担う都市再生機構やデベロッパー、鉄道会社などは働き方改革の一環で、テレワークや時差出勤などの実現・拡大を目指している。テレワークによる通勤時間の削減で経済効果が生まれるとの見方もある。

 総務省らがテレワークの普及・促進に向けて実施している「テレワーク・デイズ」(23~27日)には建設や不動産関連企業を含む1390者以上(今月20日時点)が参加している。

 働き方改革が叫ばれる中、テレワークに必要なインフラや制度などを整備した企業は多いものの、利用は道半ばなのが実態だ。NTT都市開発と都市機構はテレワーク・デイズへの参加を契機に、インフラや制度の活用促進を狙う。NTT都市開発は期間中1回以上の在宅勤務を全社員に推奨。都市機構は管理職を対象に、平時から取り組んでいる時差出勤の実施と、テレワークの1回以上の試行を義務付けている。

 時短勤務など柔軟な働き方が既に浸透している東急不動産もテレワーク・デイズに参加する。在宅勤務のほか、自社で展開している会員制サテライトオフィス「ビジネスエアポート」の利用を社員に呼び掛け、「会社以外で働ける体制づくりをさらに強化する」(広報担当者)。

 デベロッパーの立場からテナント企業の働き方改革を後押しするのが三井不動産だ。テレワーク・デイズの趣旨に賛同し、同社が展開している法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」のうち、複数拠点の料金を24日限定で無料にする(契約企業の登録会員が対象)。時差出勤の促進では、鉄道会社として東京メトロと東京急行電鉄が早朝に臨時列車を運行している。

 デベロッパーらがテレワークや時差出勤の普及を目指す大きな目的は働き方改革の実現だが、現段階から実績を増やしていくことで、東京五輪会期中にテレワークや時差出勤にスムーズに対応するもくろみもある。

 テレワークの導入効果は働き方改革や公共交通機関の混雑緩和にとどまらない。みずほ総合研究所の調査によると、テレワーク人口が政府目標(20年に15・4%)を達成した場合、削減した通勤時間を労働時間に換算すると、国内総生産(GDP)を約4300億円上乗せできるという。多方面での効果が期待されるテレワーク。時差出勤の導入を目指す取り組みは、官民を挙げて今後もますます広まりそうだ。

【日本橋をゴシゴシ】保存会が橋洗い開催、1900人参加

 名橋「日本橋」保存会(中村胤夫会長)が中心となって毎年開催している日本橋(東京都中央区)の橋洗いが22日に行われた。地元の町内会や企業などから約1900人が参加し、デッキブラシで石畳の汚れを洗い流した。

 橋洗いは48回目。全国8カ所の名水を道路元標に注ぐ「名水合わせ」や、国土交通省関東地方整備局東京国道事務所による散水車を使った仕上げ洗浄なども行われた。オープニングセレモニーのあいさつで、中村会長と矢田美英中央区長が日本橋上空を通る首都高速道路の地下化に言及した。

 中村会長は「地下化に向け、署名をしていただくなど地元の力を見せていただいた」と感謝を述べ、矢田区長は「上空の高速道路が無くなる。こんなに素晴らしいことはない。皆さんのおかげだ」と語った。

【パナソニックスタジアム吹田など選定】第59回BCS賞に16作品、11月に都内で表彰式

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は23日、国内の優良な建築物を表彰する第59回「BCS賞」の受賞作品に「パナソニックスタジアム吹田」(大阪府吹田市)など16作品(特別賞1作品)を選んだ。

 初の受賞となる火葬場や3件のスポーツ施設、博物館・図書館、複合施設などさまざまな用途の建物を選出した。日本を代表する建築作品として国内外にアピールする。受賞作品は総数943件(特別賞71件)となった。表彰式を11月16日に東京・内幸町の帝国ホテルで開く。

 応募は73件。建築関係学科の教授、設計事務所や建設会社の役員など12人で構成する選考委員会が視察を経て受賞作品を決めた。固有の課題への取り組みが優れる特別賞にはデザインや機能に加えて、回遊性の高い一体性のある再開発施設としても高い評価を得た「名駅一丁目1番計画」(名古屋市)を選んだ。

 BCS賞は、建築事業の企画の質と技術の進歩・向上、良好な建築資産の創出、文化の進展などに貢献することを目的に1960年に創設された。供用から1年以上経過した建物が対象。企画・設計・施工・維持管理などを総合的に評価する。建築主、設計者、施工者の3者を表彰するのが特徴。表彰状、作品に付けられるブロンズ製パネルなどを贈呈する。和英表記の作品集を編さんし、大使館を通じて紹介する。

 受賞作品を発表した日建連の押味至一副会長建築本部長は、「いずれも建築主の意図が設計力、施工力で見事に体現された」と関係者の功績をたたえた。その上で「健康意識の高まりや、文化芸術の振興など生活を充実させるさまざまなニーズに的確に応える姿を発信したい」とPRに意欲を見せた。

2018年7月23日月曜日

【きょうからテレワーク・デイズ】建設関連企業も多数参加、効果や課題洗い出し

 働き方改革につながる在宅勤務などの普及・促進に向け、23日に全国でテレワーク・デイズ(主催・総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府)がスタートする。

 27日までの5日間のうち、2020年に東京五輪の開会式が行われる24日と、その日以外の計2日間以上をテレワーク推奨日とし活動を促す。1390者以上(今月20日時点)が活動に参加。建設関連企業も名乗りを上げている。

 テレワークはサテライトオフィスや在宅勤務のほか、ICT(情報通信技術)を活用してさまざまな場所で勤務する取り組み。働き方改革の実現手段として、実施や導入を検討している企業が増えている。

 建設関連の企業・団体で参加表明しているのは熊谷組、白木建設、清水建設、高砂熱学工業、竹中土木、徳倉建設、竹中工務店、戸田建設、大成建設、日本コムシス、三井住友建設、前田建設、NTT都市開発、東急不動産、都市再生機構、丹青社、日建設計総合研究所、岡部など。参加人数に関わらずテレワークでの業務を行うほか、仕組みを試験導入して効果や課題などを洗い出すという。

 清水建設は来年5月からの全面導入に向け、現場を含め全従業員を対象とした在宅勤務の試験導入を始めている。大成建設は育児や介護、病気療養と仕事を両立する社員を対象にテレワーク制度を導入済み。期間中は、社内掲示板での周知や全社員を対象に「運用ガイドブック」を配信する。竹中工務店はサテライトオフィスでの勤務や作業所での時差出勤の試行などを予定している。

 このほか、「『未来のテレワーク』についてオンライン会議を実施するほか、2年後の2020年東京五輪開催中の取り組みを検討する」(戸田建設)、「本社・首都圏支店の社員で在宅勤務や既存の営業所などを利用したサテライトオフィス勤務の実施」(熊谷組)、「19年度のテレワーク制度導入を念頭に、17年9月から継続してトライアルを実施」(高砂熱学工業)など、さまざまな取り組みを展開する。

 五洋建設や大和ハウス工業、東急建設、日本国土開発、建設技術研究所、三井不動産、三菱地所、JFEエンジニアリングなどは特別協力団体として参加。期間中にテレワークを2日間以上実施する。24日には100人以上の社員が取り組みに参加。加えて効果測定(交通混雑緩和、消費支出の変化など)にも協力する。

 テレワークのノウハウやワークスペース、ソフトウエアなどを提供する応援団体には、協和エクシオや京王電鉄などが名乗りを上げている。京王電鉄はテレワーク・デイズの期間中、京王プラザホテル多摩(東京都多摩市)に仮設のワーキングスペースを設置し無料開放するなど、テレワークの普及を後押しする。

 働き方改革の促進や2020年東京五輪開催に伴う交通網の混雑緩和は官民を挙げて取り組むべき課題。解決策の一つとしてテレワークが脚光を浴びそうだ。

【設計・施工は清水建設】旧奈良監獄(奈良市)コンセッション、8月1日から工事着手

先行オープンする前庭付近の完成イメージ
国内最大の赤れんが建築物である「旧奈良監獄」(奈良市)の保存・活用に向けた工事が8月1日にスタートする。法務省から施設の運営権を譲り受ける特別目的会社(SPC)が事業主体となり、既存建物を耐震補強した上で行刑史料館やホテルに改修する。設計・施工は清水建設が担当。施設正面の前庭や史料館は19年10月に先行オープンし、ホテルを含む施設全体は21年1月の工事完了、同4月の開業を予定している。
収容棟に配置するホテルの客室イメージ
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【400組800人をご招待】中秋の能恒例行事、10月8日に明治神宮で薪能

中秋の恒例行事となった明治神宮薪能が10月8日、東京都渋谷区の明治神宮で開かれる。薪能は今年で37回目。大蔵流狂言師の善竹十郎氏、宝生流20世宗家の宝生和英氏らが出演を予定し、拝殿前に設けられた舞台で名人芸を披露する。開演は午後6時。

 演目は仕舞「玉之段」、狂言「髭櫓」、能「小鍛冶 白頭」。仕舞に出演する辰巳満次郎氏、狂言に出演する善竹十郎氏はそれぞれ重要無形文化財総合指定保持者。

 明治神宮薪能実行委員会は400組800人を無料で招待する。観覧希望者は、往復はがきの往信面に郵便番号と住所、氏名、電話番号、返信面には郵便番号と住所、氏名を明記し、「明治神宮薪能実行委員会KK係」(〒107-8658 東京都港区赤坂6の1の20、安藤ハザマCSR推進部内)へ。締め切りは8月31日(当日消印有効)。

 応募多数の場合は抽選となる。問い合わせは実行委(電話03・6234・3609)へ。

【きょうから道の駅などで配布】九州整備局、インフラカード65種類作成

九州地方整備局は、同局が整備・管理するインフラを紹介する「九州インフラカード」を作成した。河川、道路、港湾、公園、営繕関係で全65種類。23日から各施設を管理する事務所や出張所、道の駅などで配布する。

 インフラに対する理解・関心を深めてもらい、インフラ観光や地域活性化の一助とするための簡易版パンフレットとして統一的なデザインのインフラカードを作成した。

 インフラの分野ごとに異なる背景色で表面に施設の名称や写真、九州7県をイメージしたシンボルマーク、裏面に管理者や諸元、これまでの歴史、役割などの情報を記載。配布施設を訪れれば1人1枚、無料で入手できる。配布施設などの詳細はホームページに掲載している。

2018年7月20日金曜日

【引き渡しは20年9月以降】うめきた2期地区開発、落札額は1778億円

 都市再生機構西日本支社は、うめきた2期地区(大阪市北区、土地譲渡対象約4・6ヘクタール)の開発事業者に選定した三菱地所グループの落札金額が1777億7448万5625円だったことを明らかにした。

 土地は区域中央部に設ける都市公園約4・5ヘクタールを挟んで北側(1万5726平方メートル)と南側(3万0429平方メートル)に分かれる。ホテルやイノベーション施設、プラットフォーム施設、オフィス、商業施設、MICE(国際的なイベント)施設などが入る複数の超高層ビルを計画しており、総延べ床面積は52万平方メートルに及ぶ。土地売買契約の締結は8月下旬を予定。20年9月以降に土地の引き渡しを行い、同年10月から開発工事が順次スタートする。

 開発事業者は土地譲受事業者9者(三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社)と、設計・運営事業者6者(三菱地所設計、日建設計、SANAA事務所、Gustafson Guthrie Nichol Ltd.、日比谷アメニス、阪急阪神不動産)で構成する。

【結成4年、建設業の女性活躍を後押し】「チームひまわり」の活動、小冊子で紹介

 建設物価調査会(北橋建治理事長)が15年6月に建設業で働く女性の活躍を支援しようと結成した「チームひまわり」。その活動が4年目を迎えたことを記念して、小冊子『team HIMAWARI』が発刊された。
 女性活躍に取り組む建設会社を取材し、『建設物価』に掲載した特集記事などを取りまとめている。

 女性活躍を支援するプロジェクトが始動した背景や活動内容などを紹介しながら、チームひまわりの歩みを振り返っている。国土交通省が掲げる女性が活躍するための「10のポイント」もイラストを交え紹介している。

 希望者には無料で提供。メール(himawari@kensetu-bukka.or.jp)で申し込む。小冊子に掲載された内容は、チームひまわりのホームページでも確認できる。

【横浜市や戸田建設ら、顔の見える現場づくりに工夫】市民病院再整備診療棟工事の意見箱PR活動が話題に

 横浜市が神奈川区で進める「横浜市立市民病院再整備診療棟工事」の現場に設置された意見箱を介したやりとりが、インターネット交流サイト(SNS)などで話題になっている。

 「好きな人に告白しようか迷っている」という投書に、現場担当者が「現場から声援を送っています!」と回答。現場の前を通る人の中にはスマートフォンで撮影する人の姿もあり、顔が見える現場づくりや、事業への理解促進につながっているという。

 同工事は設計・監理を佐藤総合計画、建築工事を戸田建設・松尾工務店・馬淵建設JVが手掛けている。意見箱への投書は関係者で情報共有した上で、病院に関する内容は市、工事に関することは戸田建設JV、設計については佐藤総合計画が回答案を作成。3者で内容を確認した上で掲示している。

 多い時には、週末だけで10件程度が投函(とうかん)されることもあるという。原則として工事に関する意見に対する回答だけを掲示している。回答の最後に「暑い時期が来ますので、皆さんも熱中症には気をつけて下さい」と気遣うメッセージなども盛り込む。戸田建設の現場担当者は「普段会えないからこそ、一人一人と対話するよう心掛けた結果、自然でソフトな回答が生まれた」と話す。

 意見箱と返答を紹介する掲示板は、工事現場の外囲いの2カ所に設置。現場にはニッパツ三ツ沢競技場を含む運動公園が隣接しており、利用者の目に触れる機会も多い。

 公園利用者は住民説明会の対象ではないが、病院を利用する人も含まれている可能性がある。そうした不特定多数の人に、事業のことを知ってもらうきっかけにもなっている。

 同現場では最盛期に1000人以上が働く。働いている人の顔を思い描いてもらい、業界のイメージアップを図るため、現場の空撮や作業員の集合写真なども掲示している。戸田建設の担当者は「地域の人々に愛される現場となるよう今後も改善していきたい」と話している。

 建設地は、神奈川区三ツ沢西町34の10ほか。メインとなる診療棟の規模は、S一部SRC造(免震構造)地下2階地上7階塔屋1階建て延べ約5万6700平方メートル。20年春の開業を予定している。

2018年7月19日木曜日

【年間旅客数3500万人目指す】福岡空港コンセッション、旅客ビル増築やホテル新設など提案

国際線地区の整備イメージ
国土交通省は18日、国が管理する福岡空港(福岡市博多区)の公共施設等運営権(コンセッション)事業で、優先交渉権者に選んだ福岡エアポートホールディングス(HD)グループの事業提案概要を公表した。同グループは、15年度実績で2137万人(うち国際線465万人)だった空港の旅客数を、30年後の2048年度に3500万人(1600万人)まで増やす目標を設定。滑走路の増設に合わせて、国際線と国内線の両方で施設整備を推進する。

 就航数は現在の44路線(国際18、国内26)を48年度、100路線(67、33)まで増やす。東・東南アジアの就航国数で日本一となる14カ国・51路線(現在8カ国・15路線)を計画し、東アジアでトップクラスの国際空港を目指す。

 ハード整備では、2本目の滑走路の供用が始まる2025年に合わせて、国際線の旅客数1600万人に対応するため、国際線旅客ビル施設に拡張する。国際線地区には格安航空会社(LCC)棟や立体駐車場、バスターミナル、ホテルも新設する。
国内線地区の整備イメージ
国内線地区には商業施設とホテル、バスターミナルで構成する複合商業施設を整備する。集客機能を強化し、年間800万人以上の一般利用者を呼び込む計画だ。立体駐車場のほか、国内線と国際線を結ぶ連絡バス専用道も整備する。

 同グループの代表企業は九州電力や西日本鉄道などが出資する特殊会社・福岡エアポートHD。構成員として西鉄と三菱商事、シンガポール・チャンギ国際空港運営会社、九電の4社が参画する。

 国交省は設備投資全般に関する同グループの提案について、建設費や工事のスケジュールに関する内容は公表していない。国交省は8月に同グループと契約を結び、先行して11月に旅客ビルを民営化。19年4月から滑走路なども含め完全民営化する。事業期間は原則30年(最長35年)となる。

【ホームや駅舎新設、バリアフリー化も】千駄ケ谷駅、五輪開催に向け改良工事進む

 2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場に隣接する鉄道駅の整備が最盛期に入ろうとしている。JR東日本は20年までに500億円を投じ、都内の7駅を改修する計画を打ち出している。

 建設中の新国立競技場の最寄り駅となる千駄ケ谷駅(東京都渋谷区)では、大会期間中に利用客が大幅に増えることを見据え、ホーム新設やバリアフリー化といった工事が進んでいる。

 JR東日本は17日、同駅で改良工事の現場を報道に公開した。クレーンでつり上げたコンコース用鋼管柱の据え付け作業などが行われた。工事は土木と建築に分けて行っており、いずれも施工は東鉄工業が担当。整備費は70億円。20年春の完成を予定している。

 改良工事では現在使用していない臨時ホームを撤去して延長210メートル、最大幅9メートルの新宿行き専用ホーム、駅舎などを新設する。改札機は現在の8台から最大13台に増設。ホームドアも整備し、利用者の安全確保を図る。現在の進捗(しんちょく)率は50%ほど。新設するホームは約70メートルができあがっている。

 ホーム新設の現場は首都高速道路に近接しており、作業ではクレーンが道路に接触しないようにするといった配慮が必要になる。JR東日本東京土木技術センターの秋山保行所長は「作業環境が狭い上に、終電後の2時間半で作業を進めなくてはならない。電車の運行に支障がないよう、注意して進めている」と話す。

改良完了後の千駄ケ谷駅のイメージ(提供:JR東日本)
新宿建築技術センターの戸邉学所長は「両ホームに設置するエレベーターは定員を11人から24人に増やした。新国立競技場の最寄り駅としてバリアフリーの基準を満たした駅にする」と意気込みを語った。

 現場を指揮する東鉄工業の宮田健太郎土木部次長兼土木部工事所所長は「駅利用客の通行中の作業もあるため、利用客に配慮しながら安全に完成を迎えたい」とコメント。小林博東京建築支店工事部千駄ケ谷工事所担当所長は「短い作業時間中に効率よく進めるため、工期短縮の取り組みを積極的に採用していく」と話した。

【国交省ら試算公表】首都高日本橋地下化、概算事業費は3200億円

首都高速道路の日本橋区間(東京都中央区)を地下化するための概算事業費が3200億円に上るとの試算結果がまとまった。

 国土交通省や東京都、首都高速道路会社らで構成する地下化検討会の第3回会合が18日に都内で開かれた。約1030億円を投じて地下トンネルのシールド工など本体工事を進める。2020年東京五輪開催後に着工し、10~20年の工期を見込む。
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【一時金は5・38カ月】日建協18年賃金交渉、7割がベア獲得

日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、久保田俊平議長)は18日、18年の賃金交渉結果を明らかにした。

 従業員数を考慮した加重平均で見ると、回答した29組合のうち、基本給の水準を底上げするベースアップ(ベア)を獲得したのは7割に当たる24組合で、ベアは6528円(前年比1・63%増)。ベアと定期昇給を合わせた月例賃金の増加額は1万3796円(3・51%増)。28組合が妥結している一時金は5・38カ月だった。

 加盟35組合のうちの29組合が回答した。月例賃金は、すべての組合が前年の実績以上の昇給を確保した。7割の組合がベアを得るのは4年連続、6000円台のベアは2年連続。ベアを得た24組合には、要求に満たなかった組合と、会社から逆提示のあった組合がそれぞれある。1万円以上のベアがあったのは3組合で、最高額は1万2000円だった。一部には働き方改革に伴い、時間外労働の削減を促すためにベアを措置した会社があるとみられる。

 一時金は前年実績を上回ったのが26組合、2組合は同額だった。月例賃金の改善を重視し、一時金の要求額を引き下げた組合があったが、会社側の積極的な回答によって前年を上回ったのが2組合あった。一時金は単純平均が5・12カ月で、単純平均、加重平均とも5カ月を超えるのはデータの残る06年以降では初めて。初任給は22組合で上がり、引き上げを求めたのが7組合、会社から提示されたのが15組合だった。

 月例賃金と一時金の改善によって、年収(大卒35歳、配偶者と子2人の4人世帯)は前年比2・92%増の700万9255円となった。年収の上昇幅は前年実績(5・27%増)に届かなかったが、日建協は「(業績を)賃金にしっかり還元してくれており、感謝すべき部分はある」(幹部)と評価する。

【今秋にも観客席設置開始】新国立競技場、スタジアムが最高高さまでほぼ到達

 2020年東京五輪に向け、日本スポーツ振興センター(JSC)が進めている新国立競技場(東京都新宿区ほか)の建設工事で、スタジアムの高さが計画上最高の50メートルに近づいた。

 スタンド上部の屋根構築と並行し、内外装の仕上げや歩行者デッキの整備などが最盛期に入る。今秋にはスタンドの観客席設置が始まる見通しだ。

 建設地は新宿区霞ケ丘町10の1ほか。S一部SRC造地下2階地上5階建て延べ19万4000平方メートルの規模とする計画で、五輪時は約6万席の観客席数を確保する。着工は16年12月、竣工は19年11月を予定する。

 3層構造のスタンドは構築が終わり、スタンド上部に大屋根の根元となる鉄骨が組まれている。スタジアムはほぼ最高高さまで来ている状況だ。

 スタンドの床にはプレキャスト(PCa)コンクリートを使用した。屋根部は森林認証を取得した国産のカラマツとスギ、鉄骨を組み合わせたハイブリッド構造。三つのパーツ(ユニット)に分かれ、観客席を覆うように内側に向かってつなぎ合わせていく。

 JSCの後藤勝新国立競技場設置本部施設部長は「計9台のクレーン車で屋根を構築中だ」と話す。屋根の全周を108スパンに分け、1スパンずつユニットを組み立てている。18日時点で屋根の一部(2スパン)が3ユニット目に入った。

 後藤部長によると、屋根下部には「空の杜(もり)」と呼ぶ全周約850メートルの歩行者通路を設け、開放感を演出する。スタンドの南側と北側には大型映像装置を1基ずつ設置する。1階部分のコンコースなどの施工では現場打ちコンクリートではなく、工場製品を使用し工期短縮を図っている。

 スタジアムの内部に風を取り込むため、外周ではアルミ製の「風の大庇(ひさし)」の設置が進む。アルミには木目調の塗装を施し、デザインの一体性を保つ。風の大庇以外の軒庇は、47都道府県から集まった木材を使用して構築する。

 基本・実施設計と施工は大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVが担当している。現在は約2000人の作業員が現場で働く。最盛期には3000人に増える見込みという。猛暑が続く中、現場には健康相談室を設け、看護師に常駐してもらっているという。定期的に医師も呼び、健康管理に努めている。

2018年7月18日水曜日

【19年1月着工めざす】池袋西口公園再整備、8月末にも実施設計完了

 東京・豊島区は、池袋駅西口前にある池袋西口公園(西池袋1丁目、3123平方メートル)の再整備に向け、8月末にも実施設計をまとめる。老朽化した既存公園施設を解体し、新たに円形の劇場広場を整備する計画。実施設計の策定に併せて、事業費の算出も行う。

 実施設計の策定は、昨年度にまとめた基本計画に対する区民の意見などを踏まえて進めている。基本計画からの主な変更点は、舞台の反対側に別棟で配置予定だったカフェとトイレを1棟とし、東側の道路沿いに置くことなど。

 再整備後の西口公園は外周を六つの輪状のひさしで形成する。外周の直径は約35メートル。舞台とカフェ・トイレ以外に、舞台裏のスペースに楽屋や倉庫などの諸室を設ける。フルオーケストラの演奏やバレエ、ミュージカルのほか、演劇やお祭りなどのイベントの開催を想定している。今年1月時点のスケジュールでは19年1月の着工、同10月の完成、同11月の開園を目指すとしている。

【こちら人事部】鉄建建設/新入社員研修の期間延長


 ◇後輩育てる意識が全員に◇

 鉄建建設は鉄道工事をはじめとする交通インフラ整備を得意とするゼネコン。1944年の創業以来、鉄道関係の土木・建築工事を中心に発展を遂げてきた。現在ではトンネルや高架橋、アンダーパス工事などの一般土木、マンションなどの一般建築も幅広く手掛けながら成長中だ。

 そんな鉄建建設が求める人物像は「前向きな人」「自立した人」「やり遂げる人」。創立以来受け継がれてきた技術を継承・発展させ、共にものづくりを支える人材を積極募集している。

 採用に当たっては出身大学の研究室にいる学生などを対象に補助的な採用活動を行う「リクルーター制度」を活用。リクルーター制度の場合はリクルーター面接を含む3回の選考過程で採否を決めるという流れだ。大学の先輩から話が聞けることで学生に安心してもらい、より同社への理解を深めた上で選考に臨んでもらう狙いがある。

 採用対象は大卒を中心としているが、昨年度からは採用人数が少なかった高卒枠にも門戸を広げた。採用を担当する管理本部の金森明彦人事部長は「年齢が若い分基礎能力が高い」と高卒社員を評価。今後も積極的な採用を継続する方針だ。

 昨年度から新入社員を対象とした研修制度を強化した。研修期間を10日程度から3カ月に延長。入社後の4~6月は基礎知識を学び、7月から配属となる。研修期間の長期化を実施してまだ2年目だが、既に効果は実感しているという。その一つが離職率の改善だ。研修期間を長期化して以降、早期退職する新入社員が減少。その理由について「長い研修期間を共に過ごす仲間ができたことで、『辞めたい』と思う気持ちに歯止めが掛かるのでは」(金森氏)と分析している。

 研修制度を強化する一環として、千葉県成田市にある研修施設の建設技術総合センターをリニューアルした。女性社員の増加に伴い女性専用の研修施設を増築するとともに、施工管理を担当する社員の早期育成を目的に実習用の実物大模型も新設した。ボックスカルバートトンネルや建築工事の躯体部分、足場や型枠などを実工事同様に再現。今年の新入社員研修から活用している。

 配属後の教育は各職場で選任される「新入社員トレーナー」を中心にOJT形式で実施する。その後も入社半年、2年次、3年次と定期的に研修を実施し、若手社員のさらなるレベルアップを図る。「社員育成の制度は整っているが、制度だけでなく人を育てる社風がある」と金森氏。「後輩を育成するという意識が全社員に根付いており、この意識は他社にも誇れることだ」と強調する。

 就職活動中の学生に対しては、「時には苦しいこともあるが、自らが関わった成果が世に残り続けることの喜びは何物にも代え難い。はつらつとしてやる気に満ちあふれた皆さんと巡り会い、将来ともに歩むことができる日を楽しみにしている」と期待を込める。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性73人(うち技術系67人)、女性13人(7人、17年度実績)

 【3年以内離職率】25・8%(15年度新卒)
 
 【平均勤続年数】男性18・2年、女性14・3年(18年3月末時点)

 【平均年齢】43・6歳(18年3月末時点)

【酷暑の中、無事故無災害に万全期す】五輪競技会場整備が着々進行

9月から屋根の架設が始まる有明アリーナ
20年7月に開会する東京五輪に向け、都が担当する新規恒久の競技会場整備が順調に進んでいる。東京臨海部に建設中のボート・カヌー会場「海の森水上競技場」は建築物の鉄骨などを組み立てる工事に入り、進捗(しんちょく)が約45%に達した。水泳競技を行う「オリンピックアクアティクスセンター」は近く3回目の大屋根リフトアップ作業に入る。受発注者は猛暑の中、無事故無災害に慎重を期している。

 海の森水上競技場は東京港の中央防波堤内側埋め立て地と同外側埋め立て地の間の水路に建設する計画。現在は水路両端に設ける水門、締め切り堤の整備のほか、シャワー室や更衣室などを兼ねる2階建ての艇庫棟、ゴール地点に立つ3階建てのフィニッシュタワーといった建築物の工事が進む。

 都の担当者によると「約2000席の観客席が入るグランドスタンド棟の鉄骨工事も間もなく始まる」という。五輪時は2万4000席の仮設観客席を別途設ける。

 葛西臨海公園の隣接地(江戸川区臨海町)に整備中のカヌー・スラローム会場の工事進捗は約38%。ウオーミングアップコースの躯体構築が終わり、競技用コースの整備に移っている。競技コースには4・5メートルの高低差を設ける。競技コースを泳ぎ切るとウオーミングアップコースにつながる構造だ。工期末は19年5月。

 バレーボールなどで使用する「有明アリーナ」(江東区有明)の建設現場では屋根架設に向けた準備作業が進む。メインアリーナとサブアリーナで構成する構造で、屋根架設後の最高高さは37メートルとなる。工期末は19年12月。
徐々に大屋根が持ち上がっていくアクアティクスセンター
こうした工事概要は都が17日に報道機関向けに開いた現場見学会で説明された。有明アリーナの実施設計・施工を担当する竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JVの小股正幸作業所長(竹中工務店)は、「9月から架設を開始し、来年3月ごろ完了する」と見通しを示した。

 オリンピックアクアティクスセンター(江東区辰巳)でも屋根架設が進行している。地上に配置した約6000トンの大屋根を3段階に分けて持ち上げるリフトアップ工法の3回目を、今月中に実施する計画だ。持ち上げる高さは1回目が2メートル(5月9日実施)、2回目が5メートル(7月4日実施)で3回目が15メートル。

 地上ではサブプール構築のための掘削工事がほぼ終わり、今後メインプールの掘削に移る。工期は当初予定の19年12月から20年2月に変更になった。土壌汚染対策の追加が要因。

 選手村の計画地(中央区晴海)では五輪時に使用する宿泊棟21棟のうち、15棟で地上躯体、6棟で地下躯体などの工事が進んでいる。19年12月にはすべての宿泊棟が完成する。

2018年7月17日火曜日

千日町1・4番街区再開発(鹿児島市)/施工予定者に大和ハウス工業

 鹿児島市の千日町1・4番街区市街地再開発組合(牧野田栄一理事長)は、第1種市街地再開発事業の再開発ビル建設工事の施工予定者公募で大和ハウス工業を選定した。今後、同社から技術提案などを受けながら実施設計に取り組み、円滑な事業推進を図る。
 再開発は同市の繁華街である天文館地区で計画。施行区域は鹿児島市電天文館通電停前に位置する千日町1番街区と4番街区の敷地面積約6000平方メートル。再開発ビルは商業・業務施設やホテル、ホールなどで構成し、規模はS造地下1階地上15階建て延べ約3万6000平方メートル。総事業費は約151億円を見込む。
 16年8月に都市計画決定、17年12月に組合設立認可を受けており今後、今秋をめどに権利変換計画認可を受け引き続き解体工事に着手、20年秋ごろの完成を目指す。
 事業コンサルタントはアール・アイ・エー、実施設計はアール・アイ・エー・東条設計JVが担当。

東京23区内の大規模建築計画/18年4~6月期、延べ1万平米超は15件/本社調査

 東京23区内で18年度第1四半期(4~6月)に公表された延べ床面積1万平方メートル以上の大規模建築計画は15件と、前年度同期より2件減少した。延べ床面積の合計は前年度同期比32・4%増の77万1244平方メートル。用途別では共同住宅が前年度同期から大幅に増加。江東区など臨海部の物件が目立つ。都区内での根強い住宅需要を背景に、「大規模な用地を確保でき、都心へのアクセスに優れるため」(大手デベロッパー)とみられる。
 「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づき、4月20日~6月22日に都に提出された標識設置届を日刊建設工業新聞社が集計した。建築計画が最終的に決定し、近隣への説明や行政手続きに入った段階のプロジェクトが集計対象となり、公共機関が事業主体の建築計画なども含まれる。
 15件を区別にみると、中央区、江東区、大田区が最も多く各3件。港、文京の2区がそれぞれ2件で続き、目黒、葛飾の2区が1件ずつだった。
 建物の主用途別では、共同住宅が8件(前年度同期比5件増)、事務所が3件(2件減)、ホテルは1件(2件減)だった。学校施設、ごみ焼却場、倉庫がそれぞれ1件となっている。
 延べ床面積別では、1万~2万平方メートルが5件(2件減)、2万~3万平方メートルが2件(3件減)、3万~4万平方メートルが3件(3件増)、4万~5万平方メートルが1件(2件減)、5万~6万平方メートルが1件(1件増)、10万平方メートルを超える超大型開発が3件(2件増)だった。
 延べ床面積の合計を大きく押し上げたのは、東京都中央区の勝どき東地区市街地再開発組合が建設する再開発ビル。計画地は勝どき2、4の3・7ヘクタール。A1~3、Bの4街区で計画するビル群のうち、A1街区の「A1棟」と、A2街区の「A2棟」の2棟の標識設置届がそれぞれ提出された。A1棟はRC造地下3階地上58階建て延べ18万2190平方メートル、A2棟は同地下2階地上45階建て延べ13万8312平方メートルの規模。A3街区には新たな臨港消防署月島出張所(延べ約1200平方メートル)、B街区には地下1階地上29階建て延べ5万3350平方メートルの住宅主体のビルを整備する。
 設計はA1棟を鹿島、A2棟を清水建設が担当している。着工予定時期はA1棟が19年1月中旬、A2棟が同3月上旬。いずれも23年8月下旬の竣工を目指す。
 東急不動産、NIPPO、大成有楽不動産の3社が、東京・豊洲で計画する複合開発事業「豊洲地区1-1街区開発計画」も、標識設置届が提出された。計画地は江東区豊洲5の1(敷地面積2万4276平方メートル)。敷地の中央に住宅棟を整備する。建物は地下1階地上48階建て延べ13万9803平方メートル、高さ175メートルの規模。17年12月時点の計画によると、住宅棟の住戸数は1230。住宅棟の東側には保育所棟、西側には生活利便施設棟(いずれも2階建て)を配置する。設計は熊谷組が担当。9月の着工、22年3月の竣工を目指す。

本工営/ラオスで発電所増設/既存ダムに穴を開けて機能拡張

 日本工営は、ラオスで既設ダムの堤体に穴を開け発電所を増設するリニューアル事業を展開している。施工は安藤ハザマが担当し、日本工営・電源開発・ラオコンサルティンググループの3者JVが詳細設計・施工監理を担う。発電用の水を供給する既設ダムに発電用の取水口を取り付け、容量40メガワットの電力を増産する。完成は20年2月を予定している。
 同国は急速な経済発展により、世帯電化率が2005年の48%から15年は91%に上昇した。ピーク需要も05年の313メガワットから15年に760メガワットまで急増。民間電力会社は国内需要を満たすため、渇水期に隣国のタイや中国、ベトナムから電力を輸入している。輸入量は05年の330ギガワット時に対して、15年には2050ギガワット時まで増大しているという。今回のプロジェクトは、電力不足を解消する政府による新規電源の開発として進んでいる。
 事業名称は「ナムグム第1水力発電所拡張事業」。国際協力機構(JICA)の円借款事業として17年6月に着手した。総工事費は55億4500万円。ナムグム第1水力発電所は日本工営の創業者である久保田豊が60年前に実施設計・施工監理を担当した。現在はダムからの取水で1~5号発電所(総容量155メガワット)が稼働している。
 現場では、既設の1~5号機と洪水吐きの間の堤体部に6号機を新設するためダム堤体を削孔し、水路部となる取水口と水圧鉄管を施工する。横杭(水路部)の幅は6・7メートル(水圧鉄管径5・5メートル)。稼働中の発電所に影響が出ないようにするため、堤体貫通前に取水口ゲートを完成させ貫通後はダム湖側の堤体の一部を残して、バルクヘッド(湖側の堤体壁に設置する仮締め切りの耐圧ふた)と取水口ゲートで二重に水路部を閉鎖した状態で坑内工事を実施。最後にバルクヘッドを外して通水する。
 経済成長が進む東南アジア各国では新設ダムの建設とともに、既設の発電用ダムを更新して増強する案件も徐々に増えている。日本工営はラオスでの工事実績を広くPRし、類似工事の受注につなげる考えだ。

内閣府/官民研究開発拡大プログラム配分先決定/国交省に29億円

 内閣府は18年度に創設した「官民研究開発投資拡大プログラム」(PRISM)の推進費100億円の配分を決めた。国土交通省には約29億円を充て、「インフラデータ・プラットフォーム」の構築と「防災情報共有システム」(SIP4D)の充実に関する研究開発を推進。平常時、災害時を問わず、プラットフォームとシステムのデータ連携を図り、災害被害の軽減や生産性向上の実現を目指す。
 政府が6月に閣議決定した「統合イノベーション戦略」には、政府が提唱する「Society5・0」の実現に向けた社会インフラとしてデータ連携基盤の整備が掲げられた。インフラや防災といった分野ごとに蓄積されたデータを連携して活用するための基盤を3年以内に整備し、5年以内の本格稼働を目指す。
 PRISMの枠組みで、18年度は「建設・インフラ維持管理技術/防災・減災技術」に約34億円を配分し、国交省には約29億円を充てる。建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指すi-Construction(建設現場の生産性向上策)を推進。公共土木工事を対象に、革新的技術で施工データや検査データをリアルタイムに取得・解析し、建設現場の飛躍的な生産性向上を目指すプロジェクトに着手する。
 測量・調査データの3次元(3D)化や、施工段階で活用できる設計データの3D技術の開発を推進。インフラメンテナンスの管理者負担の低減が見込まれる点検・診断への人工知能(AI)など先端技術の導入加速を図るとともに、これまで現場試行してきた革新的技術の社会実装を支援する。調査、測量、設計、施工、品質管理、検査、維持管理の各段階でのデータを、インフラデータ・プラットフォームに集積。さらにオープンデータ化による民間の研究開発投資の拡大につなげる。
 各府省の情報共有に活用されているSIP4Dを中心に、必要な情報を災害時に提供するシステムの開発・実証により、民間を含めた災害時の応急対応の質を高める。国交省関係では、AIを用いた竜巻や局地豪雨の発見・追跡システムや、中小河川の水位情報提供システム、3Dレーザースキャナーによる地震被災建造物の使用性を迅速に判定できるシステムなどの研究開発に当たる。
 官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の国土交通省のテーマと配分額は次の通り。
 ▽レーザー測量の高度化、施工維持管理まで使用可能な3次元(3D)設計システム開発=3億60百万円▽無人工事現場実現に向けた建機の自動制御・群制御、施工データの3D化および同データに基づく検査技術開発=14億20百万円▽インフラデータの人工知能(AI)解析による要補修箇所の早期検知・原因分析・補修に係る研究開発=3億22百万円▽「インフラデータ・プラットフォーム」構築=1億10百万円▽竜巻等の自動検知・進路予測システム開発=1億93百万円▽気象観測高度化=2億43百万円▽3Dレーザースキャナーによる住宅被害(使用可否)判定システム開発=2億53百万円。

鴻池組ら5社/熊本地震廃棄物の中間処理完了/分別解体でリサイクル率75%超達成

 16年4月に発生した熊本地震で被災した家屋の解体廃棄物処理業務を熊本市から受託した鴻池組・前田産業・前田環境クリーン・九州産交運輸・味岡建設連合体は、市内で発生した災害廃棄物総量147・9万トン(推計)のうち、受託分約98・1万トンの中間処理を完了した。リサイクルが困難な粘土瓦や石綿含有建材などが多く発生する中、分別解体と広域処理を積極的に推進し、リサイクル率75・7%を達成した。
 同業務では、解体廃棄物を市内6カ所の仮置き場に搬入した。粘土瓦は当初、安定型埋め立て処分を計画していたが、17年4月に熊本県内で粘土瓦の再利用が始まったのを受け、民間のコンクリート殻中間処理施設に搬出。破砕して適量混入し、再生砕石としてリサイクルした。廃石こうボードはフレコンバッグに梱包(こんぽう)した状態で仮置き場に搬入。石綿が含有されていないことが確認されたものはリサイクルした。
 解体廃棄物は膨大な量となるため、中間処理後は熊本県内のリサイクル・処分施設をはじめ、全国約80カ所の施設に搬出した。約4割が熊本県内、約3割は熊本県を除く九州内、残る約3割が九州を除く全国の施設という。
 大型トラックによる陸送に加え、木くずはコンテナによる鉄道輸送とともに、ふるい下残さを含め船舶による海上輸送を行った。16年12月下旬に搬出を開始。中間処理を17年1月上旬に前事業者から引き継ぎ、今年6月30日にすべての受け入れと処理を完了した。
 鴻池組は今回の業務で得られた知見や経験を関係学会での技術発表などを通じて積極的に公表。自然災害対応の技術継承を図っていく。同時に、人工知能(AI)を使った分別システムの開発により、分別精度の高度化と省人化を目指す。

2018年7月13日金曜日

【収容1・5万~2万人、2025年供用開始めざす】モンテディオ新スタジアム、基本計画の検討状況公表

モデルスタディーで想定した街中型スタジアムの外観イメージ
(経産省報告書より)
Jリーグ・モンテディオ山形の新本拠地整備を検討している新スタジアム推進事業(山形市)は、7月初旬時点での「新スタジアム基本方針(仮称)」の策定状況を明らかにした。新スタジアムの収容人数は1万5000~2万人を予定し、2020年9月までの建設決定を目指す。完成・共用開始の目標時期は2025年。全席屋根付きの仕様を基本とし、「365日、人が集う」ことを目標に公共施設(ビジターセンターや支所、図書館、保育所など)、民間施設をスタジアム内外に誘致する。

 建設地は設置自治体を公募した上で、第三者委員会で選定。行政と民間が連携し新たな交流機能や地方創生、街づくりの基軸として、新スタジアムを位置付ける。地域社会に開かれ、多くの人が集い、利用する施設づくりを目指すとしている。

モデルスタディーで想定した郊外型スタジアムの外観イメージ
(経産省報告書より)
建設地の決定時期やスタジアムの完成目標時期は現時点の見通しとしており、山形県に要請するPPP(官民連携)による事業化の動向、設置自治体の応募状況と提案内容、第三者委の選定結果によって変動する可能性がある。

 新スタジアムのモデルスタディーは、経済産業省の補助事業を活用し、アビームコンサルティングが策定済み。政府が目標に掲げる「2025年までに全国20カ所の〝稼げる〟スタジアム・アリーナの実現」をにらみながら、基本計画の早期策定と計画実現に向けた手続きの推進を図る考えだ。

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