2018年7月18日水曜日

【酷暑の中、無事故無災害に万全期す】五輪競技会場整備が着々進行

9月から屋根の架設が始まる有明アリーナ
20年7月に開会する東京五輪に向け、都が担当する新規恒久の競技会場整備が順調に進んでいる。東京臨海部に建設中のボート・カヌー会場「海の森水上競技場」は建築物の鉄骨などを組み立てる工事に入り、進捗(しんちょく)が約45%に達した。水泳競技を行う「オリンピックアクアティクスセンター」は近く3回目の大屋根リフトアップ作業に入る。受発注者は猛暑の中、無事故無災害に慎重を期している。

 海の森水上競技場は東京港の中央防波堤内側埋め立て地と同外側埋め立て地の間の水路に建設する計画。現在は水路両端に設ける水門、締め切り堤の整備のほか、シャワー室や更衣室などを兼ねる2階建ての艇庫棟、ゴール地点に立つ3階建てのフィニッシュタワーといった建築物の工事が進む。

 都の担当者によると「約2000席の観客席が入るグランドスタンド棟の鉄骨工事も間もなく始まる」という。五輪時は2万4000席の仮設観客席を別途設ける。

 葛西臨海公園の隣接地(江戸川区臨海町)に整備中のカヌー・スラローム会場の工事進捗は約38%。ウオーミングアップコースの躯体構築が終わり、競技用コースの整備に移っている。競技コースには4・5メートルの高低差を設ける。競技コースを泳ぎ切るとウオーミングアップコースにつながる構造だ。工期末は19年5月。

 バレーボールなどで使用する「有明アリーナ」(江東区有明)の建設現場では屋根架設に向けた準備作業が進む。メインアリーナとサブアリーナで構成する構造で、屋根架設後の最高高さは37メートルとなる。工期末は19年12月。
徐々に大屋根が持ち上がっていくアクアティクスセンター
こうした工事概要は都が17日に報道機関向けに開いた現場見学会で説明された。有明アリーナの実施設計・施工を担当する竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JVの小股正幸作業所長(竹中工務店)は、「9月から架設を開始し、来年3月ごろ完了する」と見通しを示した。

 オリンピックアクアティクスセンター(江東区辰巳)でも屋根架設が進行している。地上に配置した約6000トンの大屋根を3段階に分けて持ち上げるリフトアップ工法の3回目を、今月中に実施する計画だ。持ち上げる高さは1回目が2メートル(5月9日実施)、2回目が5メートル(7月4日実施)で3回目が15メートル。

 地上ではサブプール構築のための掘削工事がほぼ終わり、今後メインプールの掘削に移る。工期は当初予定の19年12月から20年2月に変更になった。土壌汚染対策の追加が要因。

 選手村の計画地(中央区晴海)では五輪時に使用する宿泊棟21棟のうち、15棟で地上躯体、6棟で地下躯体などの工事が進んでいる。19年12月にはすべての宿泊棟が完成する。

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