2018年8月7日火曜日

【記者手帖】取材で郷里を訪れて

取材エリアが決まっている地方支社に勤務していた時よりも、東京の本社に配属されてからの方が全国各地に取材で赴く機会が増えた。おかげでプライベートも入れると47都道府県で足を踏み入れていないのは1道2県になった◆先日、自分が生まれ育った県に取材で初めて訪れた。2018年7月豪雨災害の被災地の取材で、地元の建設業協会の人たちと一緒に河川氾濫や土砂災害が起きた箇所を回った◆幸いにも実家のある町は大きな被害はなかったものの、車で1時間ほどの距離にある町が広範囲にわたり浸水し、死傷者も出た。家屋が全壊するなどして、避難所の体育館で不自由な生活を送る被災者を目の当たりにした◆発災直後の初動対応に当たった建設会社の人に名刺を渡すと、「ご苦労さま」とねぎらってくれたが、本来この言葉はこちらが先に伝えないといけなかったと反省。その人は自宅が被災したと後で聞き、自分のことを後回しにしても復旧を急ぐ姿勢に胸が熱くなった。郷里の早期復旧を祈ると同時に、長く寄り添った報道を続けようと決意した。(田)

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