2018年8月28日火曜日

【建設業の心温まる物語】金子工業(岐阜県)・宮崎清さん

 ◇息子に見せた現場監督の姿◇

 数年前、中学校の改修工事を担当していたときのことです。その学校には息子が通っていました。

 現場監督としての打ち合わせを行いながら、PTA執行部として行事や工事との関連の処理など、昼夜ずっと学校に関係した仕事をしていました。内装も外装も修繕する工事のなかで、学校の子どもたちといつも顔を合わせ、あいさつを交わしながら、時には親として学校行事を見学したり参加したりしていました。

 運動会の時期のことです。私は運動場側の外部足場に応援用の横断幕をかけることを学校に提案しました。学校は快く了承してくれました。

 運動会の前日に横断幕を掲示していたときのことです。翌日の運動会のために生徒全員で練習をしていたうちの1人が工事区画外の運動場から私を呼びました。生徒会長の女の子でした。私はこの子に連れられ、みんなが練習している運動場に行きました。

 すると全生徒が私の前に整列し、生徒会長さんを筆頭に大きな声で「運動会のためにありがとうございます!」と工事と横断幕のお礼をしてくれたのです。突然のことで私はとても驚きました。私は「素晴らしい運動会になることを期待しています!」と翌日の運動会の成功を願いエールを送りました。

 翌日は保護者として息子が参加する運動会を見ていました。子どもたち、先生方の多くが、私にお礼の言葉をかけてくれました。子どもたちは私を見つけると手を振ってくれたり、あいさつをしてくれたりしました。

 息子に、現場監督として働く姿を見せることができました。現場監督の仕事は地味で周囲からは分かりにくい仕事ですが、実際に見てどんな仕事をしているのかを感じてくれたようです。とても意義ある工事を経験できたと感謝しています。

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