2018年9月28日金曜日

【回転窓】日本の職人育成をスタンダードに

15年に安倍晋三首相が発表した「質の高いインフラパートナーシップ」。一見値段が高くみえても、使いやすくて長持ちし、環境に優しく災害の備えにもなる。さまざまな特徴を持った日本のインフラ関連技術・サービスを海外に売り込む成長戦略だ▼20年にインフラシステムの海外受注で約30兆円を達成するのが政府の目標。単なる受注拡大にとどまらず、質の高いインフラを国際基準とし、海外での活動を息の長いものにする狙いもある▼日本企業の持つ技術やノウハウを生かし、輸出相手国に提案するやり方は、価格一辺倒で海外受注の獲得を目指す他国とは一線を画する取り組み。売り込む技術は最新のものに限らない▼厳しい自然環境を長年耐え抜き、実績を残してきたメンテナンス技術は維持管理のウエートが増す国に有用なはず。技術やノウハウを使いこなす人材をいかに育てるかも重要な視点だろう▼国内での職人育成の取り組みを海外にも広めようとする取り組みが徐々に出始めている。日本の安全施工や現場での心得をスタンダードにすることも、質が高いインフラを海外展開する上では不可欠な要素といえる。

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