2018年9月20日木曜日

【回転窓】災害常襲国のトップの責務

2026年冬季五輪・パラリンピックの招致活動を展開してきた札幌市が、照準を30年大会に変更した▼北海道胆振東部地震で被災した地域の復旧・復興に最優先で取り組むための判断。国際オリンピック委員会も理解を示し、関係者間で30年大会の招致について対話を続けるという▼今回の震災被害で新たな課題として浮上したのが電力問題。道内のほぼ全域が停電(ブラックアウト)し、想定外の事態が混乱に拍車を掛けた。今後の五輪招致も見据え、まずは地域経済や人々の暮らしを支える安心・安全な社会基盤づくりに向け、電力供給のバックアップ体制の見直しが急務となる▼昨今は地震や豪雨など自然災害の常襲国として、国内外の認識が深まった感がある。台風21号で甚大な被害を受けた関西国際空港はいまだ復旧の途上にあり、被災前の姿に戻るにはまだ時間を要する。関西圏を中心に影響は多方面に拡大し、特にインバウンド(訪日外国人旅行者)など観光産業への打撃は深刻なようだ▼20日は自民党総裁選の投開票日。わが国の首相となる新党首には、直面するさまざまなリスクに迅速に対応してもらいたい。

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