2018年10月31日水曜日

【回転窓】川の歴史伝える童歌と絵馬

〈…ここはどこよと船頭さんに聞けば ここは危ない天神が滝よ いうと間もなくお舟は割れて 姉は流れる妹は沈む〉。山梨県にこうした童歌が伝わると、関東地方整備局甲府河川国道事務所のホームページで知った▼日本三大急流の一つ富士川で、舟運の難所であった「天神の滝」。水面に突き出た巨岩の下流が滝のようになっていたようで、先の童歌は姉妹が舟とともに沈んだ悲しい出来事を歌ったものという▼神社や寺に奉納された絵馬からも川の歴史を学べる。改修工事などの完成を機に奉納されたものも多く、「天神の滝」でも巨岩を取り除く人々の労苦をうかがえる絵馬が納められた▼今月20日からさいたま市の埼玉県立歴史と民俗の博物館で始まった特別展「ダムと変わる!私たちの暮らし」には、明治時代に大洪水で決壊した利根川堤防の修復工事竣工を記念した絵馬などが展示されている。地域の代表者や世話人、作業に従事した人たちの名前も記され、地域にとっていかに重要な工事であったかが分かる▼童歌や絵馬からその土地と川の関わりを知る。これも次代を担う子供たちへの大切な教育になろう。

【スポーツ施設や飲食店の導入視野に】長居公園活性化、民間企業ら8者が事業アイデア提案

大阪市は、府内最大の運動公園「長居公園」(東住吉区)の活性化を目的とした市場調査の実施結果を公表した。不動産開発や建築、スポーツ、サービス関係、指定管理受託者など8団体が対話に参加し、スポーツ施設やレストラン・カフェなどの整備を提案した。

 長居公園は長居陸上競技場(ヤンマースタジアム長居)を核としたスポーツ施設や、広場・緑地等の一般園地、植物園・自然史博物館で構成し、市民のスポーツ・レクリエーション、憩いの場として親しまれている。開設面積は65・7ヘクタール。長居球技場など一部施設を除く全エリアを対象に、魅力向上提案を募った。

 参加した8団体からは、新規施設としてスポーツ施設やレストラン・カフェ、屋内型遊戯施設、アスレチック施設、体験農園、温浴施設、コンビニなどの提案があった。スポーツ施設の増設や機能の拡充、移設、大池の活用など既存施設の提案も受け付けた。管理運営に関しては、8団体とも指定管理者制度と設置管理許可制度との組み合わせを提案した。事業期間は20~30年としている。

【運行管理と建物設備を連動制御】清水建設、自動運転支援システムの実証実験着手

清水建設は車両の自動運転支援システムを開発し、技術研究所内(東京都江東区)で実証実験に着手した。

 複数の車両を安全に同時走行させる実験などを行う。実証に当たっては自動運転技術の開発を手がけるティアフォー(名古屋市中村区、武田一哉社長)が技術協力する。

 同社が開発したのは自動運転を支える高精度な3次元(3D)マップと、技研内の施設が自動運転車両を管制・監視するシステム。管制・監視システムではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による構内建物群の施設情報、自動車運転車両の位置、走行状態などの情報を一元管理する。

 実証実験では管制・監視システムと、ティアフォーが開発した自動運転車両の運行管理システムを連動させ、2種類の実験を行う。

 一つは自動運転ソフトウエアを搭載した複数の車両の同時走行実験。管制・監視システムの管制指示に基づく車両の自動制御の実効性と、監視カメラや人工知能(AI)画像認識技術を活用して車両や人の状況を把握することで安全に走行することを確認する。もうひとつは車両の走行状況に応じて建物設備を自動制御する。車両の到着に合わせてシャッターを開閉するなど、設備を制御する技術を検証する。

 今後は施設や街区内での自動運転車両と人の共存に向けて、車両とエレベーターを統合制御する技術開発や、歩行者ナビゲーションシステムとの連携などに取り組む。

【施工は鉄建建設JV】北陸新幹線工事現場の見学者が1千人突破

 鉄建建設が福井市で施工する北陸新幹線延伸工事の一つ「北陸新幹線、九頭竜川橋りょう他」(鉄道建設・運輸施設整備支援機構発注)の現場見学者が27日、1000人を突破した。

 地元・福井市栗森町自治会の48人が同日現場を訪れ、累計見学者数が1012人となった。当日は記念式典が開かれ、参加者に記念品が贈呈された。

 北陸新幹線金沢~敦賀間の延伸は沿線地域にとって関心が高いプロジェクト。全国初の新幹線と道路の併用橋として下部工が一体となった構造を採用した特徴的な工事でもあり、建設業関係者からも見学希望が殺到していた。同社は16年に見学者の受け入れを開始して以来、見学会を23回開催してきた。

 24回目となる見学会に参加した田中要自治会長は「普段何げなく見上げている建設中の高架橋が、すばらしい技術や日々の努力の積み重ねでできるのだと分かった」と話した。

 同工事は鉄建建設・安部日鋼工業・清水組JVが施工を担当。20年3月の完成を目指している。

【秋の皇居周回コースを200人が疾走】SKOTT駅伝大会、トルネード鹿島が優勝奪還!!

 ゼネコン大手5社(清水建設、鹿島、大林組、大成建設、竹中工務店)の有志による第40回駅伝大会が27日、東京都千代田区の皇居周回コースで開かれた。

 5社の頭文字をとった「SKOTT駅伝大会」の名称で、1周5キロのコースを1人1周し、計3周(15キロ)のタイムを競った結果、昨年10連覇を逃した鹿島が再び栄冠をもぎ取った。

 平成最後となった大会に参加したのは73チーム(1チーム3人編成)の約200人。日ごろ鍛えた健脚を競いながら、秋の皇居を駆け抜けた。

 開会式では、幹事を務めた竹中工務店の梅林一貴大会委員長が「雨もやみ、良い天気に恵まれた。体調管理に気を付けて大会に臨んでほしい」とあいさつした。

 レースは午前9時10分に桜田門時計台前をスタート。1周目は「ラニーニャSHIMIZU」(清水建設)が圧倒的な走りで第2走者にたすきをつないだが、500メートル地点で「トルネード鹿島」(鹿島)が逆転。そのまま3周目もリードを保ってゴール前2キロを独走し、51分50秒のタイムで鹿島としては2年ぶりの優勝に返り咲いた。

 トルネード鹿島の第1走者を務めた郡司岳人選手(29)は「去年鹿島の連勝が途絶えた悔しさがあった。思うように練習時間をとれなかったが、結果的に良い走りができた」と話した。

 第2走者の小田切芳春選手(41)は「郡司選手がトップから8秒差くらいでたすきをつないでくれたので、逆転に持ち込めた」、第3走者の山下善幸選手(51)は「後ろの状況が分からない中で必死に走った。来年は若手にバトンタッチし、優勝してもらいたい」と首位奪還にそれぞれ笑顔を見せた。

 鹿島全体のキャプテンで「トルネードB」の第2走者を務めた平山真路選手(34)は「鹿島の底力を見せることができた。去年は9連勝で止まってしまったが、今年からの10連勝へ向けて新たなスタートを切る」と決意を見せた。
優勝したトルネード鹿島の選手とチーム関係者
2位以下の入賞チームとタイムは次の通り。

 ▽2位=トルネードB(鹿島、54分43秒)▽3位=ラニーニャSHIMIZU(清水建設、55分43秒)▽4位=レモネード鹿島C(鹿島、56分58秒)▽5位=HOC-A(大成建設、57分34秒)▽6位=神田錦ラン(大林組、57分39秒)▽7位=よせて!あげて!(大林組、58分10秒)▽8位=TAKERUNNER17(竹中工務店、60分44秒)▽9位=タイフーン3号(鹿島、62分04秒)▽10位=やまぴー(清水建設、62分49秒)。

2018年10月30日火曜日

【回転窓】慣用句と意思疎通

檄(げき)を飛ばすという慣用句を「元気のない者に刺激を与えて活気づける」の意味で使っている人が多いが、本来は「自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求める」ときに使うのが正しい用法だ▼会話や文章で定型句として用いられる慣用句。記事でも端的に言いたいことを伝えたいときや文章にメリハリを付けたいときなどに多用しているが、受け手側が本来の意味で理解していなかったら意思疎通は図られない▼「檄を飛ばす」の場合、本来の意味で理解している人は22・1%に過ぎず、激励といった意味で受け止める人が67・4%を占める(文化庁の17年度「国語に関する世論調査」結果)▼3分の2の人がそのように理解している慣用句を「本来の意味」で使っても、広く正しくは伝わらない。言葉や言い回しの意味を発信者と受信者が相違して理解していたら、会話が成立しないどころかトラブルのもとにもなりかねない▼借金をなし崩しにする、と言われた場合に、「なかったものにする」と捉える人がやはり3分の2近くいたが(同調査)、本来は「少しずつ返していく」と言う意味なのでお間違いなく。

【関東整備局、検討会立ち上げ】品川駅西口駅前広場整備、18年度内に事業計画策定へ

品川駅西口駅前広場の完成イメージ
関東地方整備局は、品川駅(東京都港区)の西口駅前広場整備といった事業で計画策定を目指し、産学官連携の検討会を立ち上げた。29日に都内で初会合を開き、施設配置や最先端モビリティーによるネットワークの構築、防災対応などについて基本的な方針を確認した。民間事業者の知見やノウハウに期待し、事業手法は官民連携の可能性を積極的に検討していく。事業計画は年度内に策定する。

 検討会の名称は「国道15号・品川駅西口駅前広場整備事業計画検討会」(座長・岸井隆幸日本大学理工学部土木工学科特任教授)。有識者と関係行政のほか、関東整備局が昨年9月に事業協力者として選定した京浜急行電鉄と西武プロパティーズ、JR東日本の3社が参画している。

 関東整備局が9月に公表した事業計画の中間まとめによると、国道15号の上部空間を活用して2階レベルに人工地盤を整備。地盤の北側の敷地に、自動運転技術を活用した最先端モビリティーなどの乗降ができる次世代型交通ターミナルと交通広場を設ける。駅の東西自由通路から続くシンボリックな歩行者動線「センターコア」も備える。敷地南側はにぎわい広場と商業施設を整備する。

 品川駅と国道15号を挟んで隣接している高輪3丁目地区と4丁目地区では、民間による開発計画が予定されており、連携を図っていく。4丁目開発は交通機能と防災機能が融合した複合ターミナル、3丁目新規開発ビルには、利便性の高いバス乗降場を整備する。

 検討会は今後、▽施設計画▽人工地盤の構造形式▽事業制度▽施工計画-について検討し事業計画にまとめる。

 初会合ではにぎわい広場と商業施設の位置について三つのパターン案を示した上で、公募によって施設配置や機能、整備手法や維持管理・運営方法の提案を民間事業者に求めることを検討するとした。センターコアと交通広場は官民関係者の協定方式による整備、次世代ターミナルは民間による施設計画の立案と整備が可能なPPP・PFIの導入を議論していく。

【波打つ屋根が特徴、キャリア形成で意見交換も】ゼネコン女性交流会、「川口市めぐりの森」で見学会

ゼネコンなどに勤務する女性社員の有志で運営する「ゼネコン女性交流会」は26日、埼玉県川口市の市営火葬場「川口市めぐりの森」で見学会を開いた。

 今回が16回目の開催。東亜建設工業が幹事を務め、112人が参加した。4月に開業した火葬場の設備や屋根などを見学し、施工のポイントなどについて説明を受けた。

 施設は伊東豊雄建築設計事務所が設計を担当した。建物は3次元(3D)型枠を用いて施工した湾曲状の屋根が特徴。ランダムに配置された28本の柱の上に、1枚の連続した自由曲面シェル構造の屋根がかぶせてある。

 特徴的な形状は建物内の天井からも確認でき、参加者は波打つような天井を見上げてスマートフォンなどで撮影していた。通常は入れない火葬炉設備も特別に見学し、川口市の担当者に「煙はどのくらい出るのか」「地震時に火は自動的に止まるのか」などと質問していた。

 見学会後の質疑応答では「特徴的な屋根を施工するに当たり、どのような点に注意したか」という質問に対し、施工を担当した東亜建設工業の小島大輔工事主任は「足元が平らでない状態での作業となったため、転落や墜落などの災害を起こさないよう安全面を徹底した」と工事の苦労を語った。

 同社で働く2人の女性社員による講演も行われた。同社初の女性幹部職に就いた沖山奉子執行役員建築事業本部副本部長は、一般職から総合職に転換した後の働き方を紹介。自身の経験を踏まえ、「上司などに仕事を頼まれたとき、それは成長につながるチャンスかもしれない。困難に見えたとしても断らずに挑戦してみてほしい」とエールを送った。

 出産休暇や育児休業を活用しながら研究などの業務に携わってきた田中ゆう子土木事業本部海の相談室長は、妊娠中や子育て中に苦労したエピソードを交えながら、「上司を含むたくさんの人に支えてもらい、自由に仕事に取り組むことができた」と話した。

 見学した施設の所在地は赤山430。建物はRC一部S造地下1階地上2階建て延べ7901平方メートルの規模。施工は東亜建設工業・埼和興産JVが担当した。

【建築家・妹島和世氏がデザイン監修】西武鉄道の新型特急車両がデビューへ

 西武鉄道が新型特急車両「ラビュー」を19年3月から運行させる。都心や自然環境に溶け込みやすく、部屋のリビングを想起させるような車両は、建築家の妹島和世氏がデザインを監修した。

 29日に東京都内で開かれた記者会見に出席した同社の後藤高志会長や若林久社長、妹島氏とCMキャラクターを務める女優の土屋太鳳さんが、新型車両に懸ける思いなどを語った。

 新型車両のデザインは、同社が創業100周年を迎えた15年に計画がスタート。妹島氏と若手社員を中心とするプロジェクトチームが意見交換し、デザインコンセプトを決めた。

 全体に丸みを持たせた車両は、▽都市や自然の中で柔らかく風景に溶け込むこと▽乗客全員がくつろげるリビング▽単なる移動手段ではなく、目的地となる特急-を追求。風景と共に、さまざまな人が一緒にいながら、自由な時間を過ごせる空間を創出させた。

 会見で後藤会長は、新型車両の開発経緯を説明した上で「当社が次の100年を迎えるための象徴」と述べた。若林社長も「新型車両は未来を担う『フラッグシップトレイン』だ」との思いを語った。

 デザインを担当した妹島氏は、「特急電車を物と見ず、さまざまな人が出会う場と捉えた。ホームから自分の乗る特急と認識してもらえるとありがたい」と強調。ゆったりとした座席や大きな窓など、内部設備もこだわりを持ってデザインしたことを明らかにした。

 実際に使用される座席に座った土屋さんは「会話をしながら旅をするには、とっておきのシート」と座り心地の良さをアピールした。新型車両は、西武池袋線と西武秩父線の池袋駅~西武秩父駅を走行する予定だ。

2018年10月29日月曜日

【世界の建築文化発展に寄与】文化功労者に建築家・伊東豊雄氏、11月5日に顕彰式

 政府は26日、18年度の文化勲章を5人に贈ることを決め、文化功労者に20人を選定した。文化功労者の一人に建築家の伊東豊雄氏(77)が選ばれた。

 独自性のある建築作品の数々が日本の現代建築の発展に大きく寄与。日本の現代建築を広く海外に認知させ、世界の建築文化の発展にも貢献してきたことが高く評価された。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同5日に東京都内のホテルで行われる。

□「人と人がつながる建築をつくる」□


 「国内外で手掛けてきた仕事を認めていただいて光栄に思う」。文化功労者に選ばれた建築家の伊東豊雄氏はこう喜びを語った。

 1965年に東大工学部建築学科を卒業後、菊竹清訓建築設計事務所に勤務。71年にアーバンロボット(現伊東豊雄建築設計事務所)を設立した。

 90年代に入り代表作となる「せんだいメディアテーク」(仙台市)を手掛けた。6枚の床と曲線形状の13本の鉄骨独立シャフトによる梁のない構造で表現した作品は国内外から高い評価を集めた。

 日本芸術院賞、王立英国建築家協会のロイヤルゴールドメダル、高松宮殿下記念世界文化賞と国内外の賞を総なめに。2013年に「建築界のノーベル賞」と評されるプリツカー賞も受賞した。

 これまでの作品の共通項は「人と自然を、建築を介してどう結ぶか」と振り返る。11年に東北の太平洋沿部を襲った東日本大震災で被災した人々を見て、建築を通じて「人と人のつながり」をつくるという意識を強く持った。「失われたコミュニティーのつながりを回復することが私の建築のテーマになった」と話す。

 今の建築家を「近代主義思想に基づくモダニズム建築の考え方を脱却できず、新しい思想で作品を作っている人が少なくない」と感じている。それだけに「もっと違う発想からつくってほしい。そのお手伝いをしたい」という思いが胸の内にある。

 作品を世に送り出すのはもちろん、「東北で被災した人々が集まるコミュニティーの場『みんなの家』を若者たちとともにつくった」活動を広げることにも心血を注ぐ。

【第二公園に多機能スタジアム】埼玉県、大宮公園再整備へ将来イメージ案公表

埼玉県は、さいたま市大宮区にある大宮公園の再整備に向けて、将来像のイメージ案をまとめた。近接立地している第一~第三公園のうち、第二公園に多機能スタジアムを導入する方針を示した。大宮第一公園への大規模レクリエーション広場や料亭、宿泊施設の整備なども掲げた。Park-PFIによる便益施設の整備も盛り込んだ。

 県は大宮公園の将来イメージを描いた「大宮公園グランドデザイン(案)」への一般からの意見募集を25日から開始している。多機能スタジアムは、第二公園内の軟式野球場や多目的広場などがある区域への導入を想定している。ゲート性の強化や、Park-PFI方式の導入によるクラブハウスやカフェの整備も示した。

 第一公園には、多様な活動ができるオープンスペースを創出する。大宮競輪場や大宮公園野球場、サッカー専用の「NACK5スタジアム」などがある区域にレクリエーション広場を設ける。舟遊池や博物館などがある北西側の区域は「文化の杜」として位置付け、文化・アートの拠点となる教養施設を整備する。Park-PFIなどを活用したカフェやレストラン、宿泊施設などの整備も掲げた。

 第三公園への導入機能には、防災機能を持つ休養施設、遊戯施設、教養施設などを挙げた。

 世界にアピールできる公園都市となるよう「大宮グランドパーク」としてブランドイメージの確立を目指す。地域の緑のシンボルとなっている氷川神社の森や見沼田んぼなどを継承していくことも掲げた。

 県は年度内にグランドデザインを取りまとめる予定。具体的な整備プログラムの検討は19年度以降になる見通しだ。グランドデザインの策定業務はパシフィックコンサルタンツが担当している。

 対象となる公園の所在地と敷地面積は次の通り。

 ▽大宮第一公園(大宮区高鼻町)=約34・6ヘクタール
 ▽大宮第二公園(大宮区寿能町)=約23・4ヘクタール
 ▽大宮第三公園(大宮区堀の内町)=約9・8ヘクタール

【アイスアリーナ中核に多様なイベントに対応】XSM、12月に「FLAT HACHINOHE」着工へ

 ゼビオホールディングス傘下のクロススポーツマーケティング(XSM、東京都千代田区、中村考昭代表取締役)が、青森県八戸市の八戸駅西地区に計画している多目的アリーナの施設概要を発表した。

 通年型のアイスアリーナを核としながら、移動式フロアの設置でさまざまなイベントに対応する。名称は「FLAT HACHINOHE(フラット八戸」に決めた。12月ごろに着工し、20年春の開業を目指す。プロジェクトマネジメントは山下PMC、設計・施工は戸田建設が担当している。

 建設地は尻内町三条目7の7の敷地約1万5000平方メートル。規模はS・RC造2階建て延べ約7200平方メートル。多目的アリーナのアイスリンクの上に移動式の床を設け、バスケットボールやコンサート、地域や学校の行事などが開催できるようにする。アイスホッケー利用時は約3500人、バスケットボールは約5000人を収容する。

 同事業は民間と行政の連携による新たなモデルとして進めており、誰にでも開かれた用途を限定しない使いやすいフラットな場を目指している。照明設備はパナソニック、映像音響設備は電音エンジニアリングが手掛ける。

【凜】石本建築事務所設計管理部門建築グループ部長・榊原由紀子さん

 ◇愛され続ける建築づくりを◇

 建築設計に興味を持ったのは、飲食店を営んでいた実家が風情のある日本家屋であったことと、出身地である静岡県清水市(現静岡市清水区)の市庁舎の設計を建築家・丹下健三氏が手掛けていたからと語る。

 職業として建築士を意識したのは、東大の進学振り分け制度により、建築学科に進んだ3年生の時。18年の日本建築学会賞で大賞を受賞した高橋鷹志教授の研究室で建築を学ぶ中、「建築物のデザインや設計、都市計画など幅広い分野を手掛けたい」と感じ、大学の先輩が勤務する石本建築事務所を選んだ。

 現在、設計監理部門建築グループ部長として、ホテルや学校施設などの設計、都市計画の策定業務をこなす。海外プロジェクトでは、15年5~10月に開催された国際博覧会・ミラノ万博(イタリア)の「日本館」の設計も手掛けた。

 「建築設計は発注者の意向を解釈し、具現化する職業。苦労した分、完成した時に多くの人の喜ぶ顔を見られる」

 自身の原動力であり、対話を重視した仕事を心掛ける。

 「人が主役の建築づくり」を目指し、日々の業務をこなす傍ら、2年前に母校の社会人大学院を修了。そこで出会った仲間と交流を深める中で、「愛され続ける建築物を設計することと、建築を通して人々に寄り添える存在でありたい」と夢を語る。

 (さかきばら・ゆきこ)

【サークル】鉄建建設 ウクレレ&プラスクラブ


 ◇気軽に楽しみ創立記念日でも演奏会◇

 ウクレレやギターなどを演奏したい、老後の趣味を探したいなどの思いを抱えた音楽好きの社員が集まり、14年に発足した。

 「気軽に音楽を楽しもう」を合言葉に、ウクレレをメインとした演奏を楽しむことを目的とした会社公認のクラブ。伊藤泰司社長が会長を、相越信秀取締役兼専務執行役員建築本部長が部長を務める。

 主な活動は隔週火曜日の就業時間後に本社ビルで行っている定期練習。このほかにジェイク・シマブクロなどプロ奏者のコンサートを鑑賞したり、会社の創立記念式典などで演奏会を開いたりするなど積極的に活動中だ。これまでの演奏スタイルは全体合奏を中心としていたが、今後はグループ演奏、ソロ演奏など多様な演奏スタイルに挑戦する予定。打楽器などの新たな楽器への挑戦も視野に入れる。今年は創部以来初の合宿を開催する予定だ。

 発足時は数人だった部員も、10月時点では24人にまで増加。部員の増加に伴い演奏する楽器の種類もキーボード、バイオリンと多様化が進む。部員の鈴木尊さん(建築本部建築企画部)は「さまざまな楽器奏者が集う受け皿として、みんなで音楽を楽しみたい」と今後の活動に意欲を見せる。

【駆け出しのころ】関電工常務執行役員営業統轄本部施工品質ユニット長兼技術企画部長・高橋信治氏

 ◇仕事に興味持ち壁を越える◇

 入社して最初に配属されたのは東京都内の現場で、当時、新入社員には一人一人に教育リーダー(先輩)が付きいろいろ指導していただきました。図面を手際よく描き、朝礼で作業員へ指示を出す先輩の仕事ぶりが格好良く、自分も早くそうなりたいと憧れていました。

 その思いが強すぎたのかもしれません。現場が9月に竣工したのを機に、私は無謀にも支社長に、「一人で現場を担当させてほしい」とお願いしました。当然に受け入れられなかったのですが、次の現場に配属され、先に担当していた先輩が家の事情で現場に来られない日が続き、実質的に一人で現場を運営することになりました。自分から希望していたとはいえ、毎日が分からないことばかり。また超突貫工事で苦労も多く、いつしか会社を辞めたいと思うようになっていました。そうして年末の仕事納めの日、私にはこの仕事は続かないと思い支社長に「辞職したい」と申し入れました。

 支社長から「辞表は?」と聞かれたので、すぐに書いて持っていくと、今度は「次は大手町の現場に行ってもらうから、1月15日まで休んでいていい。それに辞表の字が違うよ」と指摘されました。これを聞いて私は辞めたいという気持ちよりも休めるうれしさの方が大きくなり、2週間ほどスキー旅行に出掛けました。

 休暇を終えて出社した時にはすっかり気持ちも変わり、「辞めるのをやめます」とお伝えすると、支社長は何事もなかったかのように「次は大手町と言ったろ…」と言って私の背中を押してくれました。今も辞表の字のどこが間違っていたかは分からず、私を落ち着かせるために、わざとつかれた、うそだったのかもしれません。

 大手町の現場に移って以降は、大型改修工事を担当することが多く、中には20年以上にわたり携わったビルもあります。金融機関の電算センターの改修工事を行う場合、計画や作業にミスがあってシステムに支障を来すと、膨大な額の損害を発生させてしまいます。何よりも金融機関を利用されるお客さまに、ご迷惑を掛けてしまうことは絶対に避けなければなりません。そのため緊張感を持って、綿密に計画づくりに当たらなければならず、幾度となく「もうダメだ」と思ったものです。でも、自分しかできないと、気持ちを奮い立たせながら乗り越えてきました。

 こうして振り返っても、私たちの仕事は決して楽なものではありません。これまで続けてこられたのは、多くの先輩や仲間が仕事に興味を持たせてくれたからだと思います。常に興味を持って勉強していかないと、技術の進歩には対応できません。関電工にはどんな問いにも答えてくれる、優れたエンジニアがたくさんいます。若い人たちは何かの壁に突き当たっても、そうした先輩たちにいろいろ聞きながら乗り越えていってほしいと思います。

 (たかはし・しんじ)1985年東洋大工学部電気工学科卒、関電工入社。営業統轄本部内線工事部中央支社施工チームリーダー、中央支店中央支社長、執行役員営業統轄本部副本部長(施工力強化担当)兼品質工事管理部長などを経て、18年10月から現職。56歳。
1990年代半ばに担当したビル中央監視システムの更新現場で(中央奥が本人)

2018年10月26日金曜日

【回転窓】職人育成にもっと光を

石井啓一国土交通相が先日、群馬県沼田市の廃校を利用して職人育成を行う利根沼田テクノアカデミーを視察し、「廃校を実にうまく活用している」と感心していたそうだ▼16年4月に開校してから初めての大臣視察。板金工事業を営む桑原敏彦校長が職人育成という自社の取り組みを広げ、他職種の仲間と一緒に立ち上げたアカデミーは、入職したての若者を集中的に鍛え上げる活動として注目されている▼職人育成の動きは各地で見られる。人材難といわれる中、「これからはコストではなく、人材育成で競争する時代」と言い切る経営者もいる。磨きを掛けた技能は生産性向上にも必ず役立つはずだ▼技を身に付ける訓練は地道な努力がどうしても必要になる。できるだけ単調にならず、飽きずに楽しさを感じてもらうにはどうすればいいのか。アカデミーの関係者は腐心していることだろう▼大臣視察が契機になって各地の継続した取り組みをより多くの人が知るようになれば、光明を見いだすきっかけの一つになるはず。数年前に国交省が提唱した「人材投資成長産業」という考えが建設産業に定着するよう願ってやまない。

【利用者に優しい空港めざす】国交省、空港旅客ビルのバリアフリー指針改定

国土交通省は、空港旅客ターミナルビルのバリアフリー整備ガイドラインを10年ぶりに改定した。

 最新のバリアフリー関係法令や関連する指針に対応し、空港施設計画を検討する際に参考となる標準的または推奨する整備内容を明確化。旅客ビル内や周辺でエレベーターやトイレ、駐車場などを整備する際の考え方を示した。

 改定指針では新たに推奨する整備内容を列挙。旅客ビル前に設けるタクシーなどの停車スペースは従来の奥行き6メートル以上に加え、必要に応じ奥行き8メートル以上の確保も求める。最新の技術開発動向を踏まえ、段差のない搭乗橋の導入も呼び掛けた。

 多様なバリアフリー機能があるトイレを分散配置し、利用者にとって分かりやすい配置、適切な情報提供に配慮する必要性も指摘。エレベーターの搭乗かごはカートやキャリーバッグの利用実態に応じ、適切な大きさを選択するための考え方や整備内容を明記した。

【施工は清水建設、来秋開業めざす】三井不、神宮外苑ホテル計画(東京都新宿区)の概要公表

 三井不動産は、東京都新宿区で建設している延べ約1・6万平方メートル規模のホテルの概要を公表した。

 設計は日建設計と清水建設が担当。既に清水建設の施工で着工済み。「三井ガーデンホテルズ」のプレミアクラスの施設として、19年秋の開業を目指している。

 計画名称は「(仮称)神宮外苑ホテル計画」。三井不が土地を賃借してホテルを建築し、竣工後に三井不動産ホテルマネジメント(東京都中央区、足立充社長)が運営する。

 建設地はJR千駄ケ谷駅と信濃町駅のほぼ中間に位置する東京都新宿区霞ケ丘町5の1(敷地面積4330平方メートル)。都営地下鉄大江戸線国立競技場駅から徒歩1分圏内で交通利便性に優れる。建物はS・RC造13階建て延べ1万5878平方メートルの規模。客室数は約360室。外観は周辺の建物と調和するアースカラーを基調とする計画だ。

 1階に飲食店を設ける。宿泊者に非日常的な体験を提供する仕掛けとして、テナント区画に、暗闇の中で視覚障害者の案内のもと、さまざまな体験を行うイベント開催施設「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が出店する予定。ホテルの付加価値向上をねらう。

【力を込めてボルトを「えいっ!!」】中部整備局北勢国道、小学生ら招き見学会

 中部地方整備局北勢国道事務所が三重県内で建設中の東海環状自動車道の現場で、小学生の親子を対象とした見学会を20日に開いた。

 東員町立三輪小学校の高学年の親子20人が参加。完成間近の高架橋のウオーキングや高所作業車の試乗、ボルト締め付けなどを体験した。

 東海環状西回り区間では、(仮称)大安インターチェンジ(IC)~東員IC間の6・4キロ区間が年度内の開通を目指して工事も佳境を迎えている。

 沿線にある小学校の子どもたちが現場を訪れた。見学したのは、東海環状長深2橋梁鋼上部工事と同長深4橋梁鋼上部工事の現場。いずれも日本車両製造が施工を担当している。

【楽しみながら身を守る知恵学ぶ】中大チーム、「防災百人一首」を作成

 中央大学の学生が参加するボランティア団体「チーム防災」は、災害から身を守るための知恵を盛り込んだかるた「防災百人一首」を作った。

 かるた形式にすることで、子どもたちが楽しみながら防災意識の大切さを身近に感じてもらう狙いだ。21日に東京都日野市で開かれた交流イベント「まちづくり市民フェア2018」でお披露目され、元気に札を取る地元の子どもたちの姿が見られた。

 防災百人一首は読み札と取り札29組で構成。読み札にはカラフルなイラストが大きく描かれている。取り札の文章は子どもたちにもわかりやすいように作られた。今後は地元自治会などに周知を図っていくという。

 チーム防災は15年に発足し、中央大のボランティアセンターの公認団体として日野市を拠点に活動を展開。現在は多摩キャンパス(東京都八王子市)の学生21人が所属している。

 防災百人一首の作成には、日野市の市民活動支援補助金5万円が交付された。市の担当者は「市内には丘陵が多く、土砂崩れなどの災害リスクがある。防災百人一首を通じて、子どもたちの自助・共助の意識が高まればうれしい」と期待を寄せた。

2018年10月25日木曜日

【回転窓】卓球界の新たな挑戦

中学、高校時代の部活は卓球部だった。運動量が多く、瞬発力や持久力も不可欠な競技なのだが、どうしても地味な印象がつきまとっていた▼イメージが変わるきっかけに福原愛選手の活躍があったと思う。11歳で全日本選手権に出場し、史上最年少勝利を挙げるなど新たな道を開き、後輩らの目標となることで有望な若手の輩出にもつながった▼泣き虫だった少女が一流アスリートに成長し、世界で奮闘する姿は、卓球の格好よさを広く伝えた。一人のヒロインやヒーローが、その世界の印象を変え、魅力や価値を高めていく。そんな影響力を感じさせる存在だった。引退は残念だが、29歳にして現役生活が26年と聞くと、「お疲れさまでした」という言葉しか出てこない▼卓球では新リーグ「Tリーグ」が発足し、24日に男子の開幕戦が始まった。25日には女子の開幕戦も行われる。石川佳純選手や張本智和選手など国内トップ選手に加え、海外からも参戦するそうだ。福原さんは理事という立場から選手たちを支えていくという▼卓球は2020年東京五輪でもメダル獲得が有望視される種目。さらなる盛り上がりを期待する。

【2015年実績は1万7148人】建設業の人材市場動向、女性技術者が大幅増に

女性の建設技術者の活用が着実に進んでいる-。

 人材紹介事業を手掛けるヒューマンタッチ(東京都新宿区、高本和幸社長)が運営するヒューマンタッチ総研がまとめた「建設業の人材市場動向(10月分)」で、建設各社の取り組み状況が明らかになった。それによると、女性建設技術者は2005年の1万3288人から、10年に1万4124人、15年が1万7148人となり、10年間で3860人増加している。

 今回の調査は、総務省統計局の国勢調査を基に実施した。女性比率についても、05年4・4%、10年5・8%、15年6・4%と10年間で2ポイント上昇している。同総研は、「人手不足が一段と深刻になっている建設業各社で、女性技術者の採用と育成をさらに推進する方向にあると考えられる」と指摘している。

 総務省統計局が9月28日に発表した8月分の労働力調査によると、生産年齢(15~64歳)の女性就業率は70・0%となり、前月から0・1ポイント上昇した。70%台に達したのは、現在と比較可能な1968年以降で初めてという。生産年齢人口の女性就業率の推移を見ると、1990年の55・8%から上昇傾向が続き、17年には67・4%となっている。

 このほか、8月時点の建設業界の雇用関連データを見ると、建設業の就業者数は517万人(前年同月比2・2%増)、雇用者数は417万人(1・2%増)だった。厚生労働省の一般職業紹介状況で見た建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は6・32倍。39カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者の需要は高水準の状況が続いている。

【ごみ処理対応で地域貢献】太平洋セメ埼玉工場(埼玉県日高市)、焼成炉転用し都市ごみ焼却

 埼玉県日高市にある太平洋セメントの埼玉工場は、国内最大の需要地である東京に近接する生産拠点というだけでなく、同市で排出される年間1・5万トンの都市ごみを全量処理する役割も担う。

 稼働を休止していたロータリーキルン(焼成炉)をごみ資源化キルンに転用した、世界初の都市ごみ資源化技術「AKシステム」を導入。2002年11月の稼働開始以来、地域の暮らしを支える重要な役割を担い続けている。

 AKシステムは、1450度以上という高温を保ちながら連続運転するキルンに、破砕・発酵・選別した都市ごみを投入して焼成する。破砕・発酵工程で発生するガスは、稼働中のセメントキルンで焼成用空気として利用。焼却灰もセメント原料として使うことで、二次廃棄物を発生させない完全リサイクルシステムを構築している。

 市から受け入れているのは、家庭から排出されたごみや事業系一般ごみ。年間受入量は1万5000トンにも達する。同工場の指揮を執る前川修一工場長は「都市ごみの焼成で得られたエネルギーをセメント焼成に使用するので、セメント焼成用の石灰使用量が減少し、二酸化炭素(CO2)削減につながっている」と同システムの特徴を説明。日高市にとっても「ごみ収集車で回収したごみをそのまま工場に持ち込めるため、清掃工場が不要となり、経済的に大きなメリットが生まれる」と話す。

 同システムが稼働を開始してから16年余り。清掃工場が不要になるという大きなメリットを地域に提供しつつ、同工場はセメント生産とごみ処理という役割を担い続けている。

 工場では、ごみ処理以外にも事業活動に伴う環境負荷の低減策として、石炭による発電に比べCO2の排出量が大幅に抑えられる木質チップ使用したバイオマス発電所を工場敷地内に整備。電力を生産設備の稼働に活用している。発電能力は4万9500キロワット。工場内の全電力をまかない、残りを売電し収益確保につなげている。

 「セメント産業はCO2の排出量が少ないとはいえない。だが、自助努力によって最大限削減できるように努めている」と前川工場長。セメントメーカーにとって最も重要な生産工程を担いながら、地域に密着し暮らしを支えるという役割も果たし続けている。

 このほか、工場では操業に欠かせない作業員の安全確保にも力を注ぐ。同社にとって初となるVR(仮想現実)を活用した安全教育を10月から導入。工場内で起こりうる転落や感電を疑似体験できるようにした。前川工場長は「従業員の安全確保は何より重要だ。若手をはじめ中堅やベテランも含め、工場の運営に関わるすべての人に危険を疑似体験してもらうことで、日常業務に役立ててもらいたい」と導入の狙いを話す。

【隈研吾氏が環境デザイン担当】日本橋三越本店(東京都中央区)、リニューアル初弾が完了

 ◇コンセプトは白く輝く森◇

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が東京都中央区の「日本橋三越本店」で進めているリニューアル事業の初弾が完成し、24日に開業した。

 歴史的建造物の保存と百貨店の営業を両立させながら建物を改装。玄関口となる本館1階の内装は「白く輝く森」をコンセプトにデザインを一新し、同5階には顧客向けラウンジを設けた。環境デザインを建築家の隈研吾氏が手掛けた。

 24日の開業式典で三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長は「約30年ぶりにリニューアルした。未来の百貨店のおもてなしの姿を築いていきたい」と述べた。所在地は日本橋室町1の4の1。本館と新館、周辺施設(パーキングビル)で構成する。リニューアルの初弾事業の対象は本館1、3、5階と新館1階。

 大幅に変わったのは化粧品や雑貨などを扱う本館1階。本館の建物に1920~30年代、欧州を中心に流行したアール・デコ風の装飾が取り入れられていることから、アール・デコで多用される植物のモチーフを現代的にアレンジし「白く輝く森」のコンセプトを実現した。

 床から連続する白い大理石の柱を木の幹に見立て、その上部でひし形のアルミパネルを組み合わせて枝葉を表現。隈氏は「日本橋に森をつくりたいという夢をかなえることができた」と出来栄えに胸を張った。このほか京都の町屋で使われる「糸屋格子」をステンレス材で再現し、三越が培ってきた伝統と格式をデザインに反映した。初弾に続く、第2期事業は19年度の完成を目指している。

【ビッグサイトを一時改修】東京五輪IBC・MPC整備(東京都江東区)、大和ハウスに

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は24日、「IBC/MPC整備工事」の施工者を262億1200万円で大和ハウス工業に決め、契約したと発表した。

 東京都江東区にある東京ビッグサイトの一部を改良し、2020年東京五輪に対応した国際放送センター(IBC)とメインプレスセンター(MPC)を仮設する。

 工事場所は有明3の21の1ほか。東京ビッグサイト東展示のA、B両棟、東新展示棟をIBC、会議棟と西展示棟をMPCとして活用する。IBCは世界各国に映像と音声を配信し、MPCはメディア関係者の拠点となる。設計は佐藤総合計画が担当している。

 都が公表しているIBC・MPCの実施段階環境影響評価(環境アセス)書案によると着工後、20年6月までの整備完了を目指す。五輪閉幕後、使用した仮設施設をすべて撤去し、五輪前の状態に戻す。同工事の契約期間は20年11月30日まで。

 4月に一般競争入札で発注し6月22日に開札していたが、契約手続きに時間を要していた。

2018年10月24日水曜日

【回転窓】W杯を地域の活力に

千葉県柏市地域づくり推進部発行のパンフレットに書かれている。〈勇ましく足を踏みならし、体をたたいたり舌を突き出したりして独特なリズムに合わせて踊ります〉。ラグビーのニュージーランド代表「オールブラックス」が試合前に見せる踊り〈ハカ〉の説明である▼柏市は19年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に出場するオールブラックスが事前キャンプを行う。このキャンプをサポートするのが市と三井不動産で、先週末には来日した選手と市民の交流イベントが開かれた▼ハカは先住民族の〈マオリ〉が戦いの時や和平を結ぶ際、一族のプライドをかけて披露した伝統舞踊だという。ラグビーに詳しくないとしても、その力強い踊りを映像で見たことのある方は多いだろう▼W杯開幕まで1年を切り、開催都市やキャンプ地でさまざまな関連事業が進められている。アジアで初の開催となるW杯を盛り上げ、地域の活力にもつなげたいという期待は大きい▼柏市のイベントでは多くの市民やファンが詰めかけていた。世界を代表する選手たちと触れ合った小中学生や高校生には貴重なレガシーとなったに違いない。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/工期延長時に下請代金増額を

公正取引委員会は、工期延長で元請に支払われる代金が増額された場合、下請の代金も同様の比率で増額することを義務付ける方策を講じる。

 同委員会のキム・サンジョ委員長が国会議員による国政監査で報告した。この中で下請代金を不当に削減するなどの不正行為で告発措置を受けた元請業者については、公共市場から直ちに退出させる「ワンストライク・アウト制」も適用するとした。

 キム委員長が示した下請業者負担緩和策は、大企業集団の不当な経済力の集中と乱用の防止などが狙い。工期延長に伴う下請金額の増額は、元請金額が増加されなくても、要請できるようにする。

 談合行為の根絶を目指し、公正取引法を全面改編する方針も表明。談合摘発時には厳重制裁する方針だ。入札や価格談合に関する公取への告発がなくても、検察が捜査に入れるようにする。単純情報交換行為も談合行為として推定できる規定を改正案に設け、談合課徴金も現在に比べて2倍に引き上げることとする。

CNEWS、10月15日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/JFEスチール、土木工学大に講座開講

 国立土木工学大学(NUCE)とJFEスチールは、鋼構造エンジニアの育成を目指す連続講座を同大学で開講した。15日に開講式が開かれ、JFEスチールベトナムの福島功社長やNUCEの教員らが参加した=写真。

 福島社長は、「両国の国交樹立45周年に当たる今年の講座はさらに意味が大きい。日本の鉄鋼技術の知見がベトナムのインフラ整備に生かされることを願う」とあいさつ。NUCEのファム・タイン・トゥン教授は、「能力の高い鋼構造エンジニアの育成につながってほしい」と述べた。

 講座の開講は今回で3回目となる。受講する学生は12月まで、鋼材の製造過程から鋼構造の基本、設計・施工技術、港湾・橋梁への適用などを学ぶ。

セイ・ズン、10月16日)

【政界の奥座敷を観光資源に】明治改元から150年、大磯邸園(神奈川県大磯町)を一般公開

 明治改元から150年を迎えた23日、国土交通省は神奈川県大磯町にある「明治記念大磯邸園」の一部区域・施設の一般公開を開始した。

 初代内閣総理大臣の伊藤博文邸(滄浪閣)の外観や旧大隈重信邸、旧陸奥宗光邸の建物内、同邸の日本庭園などが見学できる。施設内には明治期の立憲政治や邸宅の人物にゆかりのある資料などを展示している。入園は無料。公開は12月24日まで。

 23日に現地で公開式が開かれ、関係者によるテープカットが行われた。国交省の塚田一郎副大臣は「歴史的な建物と庭園、緑地などを一体的に保存・活用する新たな公園として整備を進めている。記念邸園がわが国の近代化の歩みを伝える歴史遺産として次世代に引き継がれ、観光振興や地域活性化に貢献する新たな拠点となるよう取り組む」とあいさつした。

 明治期の政界の要人たちの別荘が数多く残る大磯町について、神奈川県の黒岩祐治知事は「すばらしい潜在力を持っており、保存しながら開発すれば大観光地になる」と説明。横浜、箱根、鎌倉に次ぐ県内第4の観光のコアエリアの大磯を「かつて以上のすばらしい輝きを放つように努力していきたい」と抱負を述べた。

 大磯町の中崎久雄町長は「大磯邸園が町のみならず、神奈川県、日本にとって歴史的にも、物理的にも、精神的にもすばらしい歴史遺産として整備され、しっかりと将来に残していく」と意気込みを語った。

【26日開業、国内最大規模に】アウトレットパーク木更津、3期増床エリアが完成

 三井不動産が千葉県木更津市にある「三井アウトレットパーク木更津」内に整備していた第3期増床エリアが26日、オープンする。設計・施工は三井住友建設が担当した。

 第3期増床エリアは、同アウトレット(金田東3の1の1、総敷地面積約21万5000平方メートル)の敷地北側にあった駐車場を店舗区画に活用した。

 第1~3期の建物構造はS一部W造平屋で、総延べ床面積は約6万3980平方メートル。うち第3期増床部分は延べ約1万2810平方。総店舗数は308店舗となり、アウトレットで国内最大の店舗数を持つ施設となる。東京湾アクアラインの木更津金田インターチェンジ(IC)から約1キロに位置している。

 オープンに先立ち23日に開かれたメディア向け見学会で、同社の広川義浩常務執行役員商業施設本部副本部長は、「これまで培った経験を生かしお客さまに満足いただける施設になるはずだ」と語った。施設の運営管理は、三井不動産商業マネジメント(東京都中央区、青柳雄久社長)が担当している。

【メインスタンドは4階建て想定】総合球技場建設(甲府市)、基本計画検討委に球技場配置イメージ提示

山梨県は19日に開いた総合球技場基本計画検討委員会(会長・清水一彦山梨県立大学学長)に、甲府市の小瀬スポーツ公園周辺に建設を予定している総合球技場の配置イメージ図を提示した。

 84×124メートルのピッチを備えた球技場は、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどの国際試合に対応する。収容人数は2万人程度。概算建設費は80億~140億円程度と見積もっている。年度末にも整備基本計画を策定する。

 委員会で示された資料によると、球技場東側のメインスタンドは4階建て。1階部分に選手エリア、運営エリアなどを設置する。2階以上に観客席、VIPエリア、ビジネス(会議室)エリアを設ける。サイドスタンドとバックスタンドは2階建て。トレーニング区域や、観客席のほか民間の飲食・物販施設などを配置する。

 球技場に併設する施設の整備条件は芝生練習場約400平方メートル、アリーナ500~600平方メートルなど。球技場は大規模地震の発生に備え施設耐震を実施するとした。
球技場の整備と運営はPFI方式の導入を前提としている。小瀬スポーツ公園の東側現第三駐車場(245×135メートル)の敷地に加え、新たな用地取得が必要になる。施設配置は二つの案が出された。公園側にアリーナを寄せ、スタジアム東側に駐車場、北側にイベント会場を設ける案で方針を定めた。基本構想および基本計画策定業務は日本総合研究所が担当している。

2018年10月23日火曜日

【回転窓】世界遺産にようやく建築許可

曲線を多用しまるで生もののような姿をした独創的なデザイン。スペイン・バルセロナにある「サグラダ・ファミリア」は建築家アントニオ・ガウディの代表作として知られる▼世界遺産にも登録されている大作が、1882年の着工から130年余りの時を経て市政府から正式な建築許可を得ることになったという▼初代の建築家から仕事を引き継いだガウディは85年、地元の町から建築許可を得た。だがその後、町がバルセロナ市に吸収合併され行政手続きもうやむやになり、許可が更新されないまま1世紀以上が経過してしまった▼完成した姿がガウディの頭の中にしかなかったといわれ、スケッチを基に弟子たちが作った資料もスペイン内戦で焼失してしまったため、かつては完成まで300年はかかると言われた。手探り状態で進められていたプロジェクトも、今では設計や工事に3次元モデルなどさまざまなITが駆使されガウディの死後100年に当たる2026年には完成の見通しという▼長きにわたる違法状態が解消されることになった未完の大作。完成の日を迎えた時に、ガウディは果たして何と言うのだろう。

【18年末にも整備方針策定】政府、NTC周辺(東京都北区)のバリアフリー化推進

 政府は、拡充棟の整備が進む「味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)」(東京都北区)周辺のバリアフリー化に乗りだす。

 東京五輪・パラリンピック推進本部事務局を中心に、関係省庁や自治体などで構成する連絡会議の初会合を22日に開催。課長級の担当者らで組織するワーキンググループを設置し、年末までに施設周辺の移動ルートのバリアフリー化など、当面の整備方針をまとめる。

 NTCでは、主にパラリンピック競技の使用を想定した拡充棟(地下1階地上6階建て延べ約3万平方メートル)が19年6月末に竣工する予定。建設費は約200億円。設計は松田平田設計・教育施設研究所JV、施工はフジタが担当している。

 連絡会議に参加する日本パラリンピアンズ協会(河合純一会長)は、NTCを含む日本スポーツ振興センターの「ハイパフォーマンスセンター」(北区西が丘地区)周辺のアクセス性などに関する調査報告書を作成。国に対して詳細な実地調査とバリアフリー対策の早期実施を求めていた。

【デザインは隈研吾氏】横浜駅西口にレストランビル、11月1日開業

 デリス建築研究所(東京都千代田区、青木俊実社長)は11月1日、レストランビル「デリス横浜ビル」をオープンする。建築家の隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所主宰)がデザインを手掛け、外壁にアルミグレーチングをモザイク状に立体配置。やわらかい印象を演出している。

 同ビルは、横浜駅西口エリアの新たなランドマークとして開発された。ビル1階のエントランスホールに大型ディスプレーを設置。屋外階段で人の流れを可視化させるなど、にぎわい創出につなげている。

 所在地は、神奈川区鶴屋町1の7の1ほか。施設規模はS一部RC造地下1階地上7階建て延べ1293平方メートル。設計はピーアイエー建築研究所(横浜市中区、尾股由幸社長)、施工をNB建設(同神奈川区、仙頭靖夫社長)が担当した。

 隣接地では、グローバル企業が進出する予定のオフィスビルやホテル、サービスアパートメントの再開発が進んでいる。同社は近隣の飲食サービスの供給不足を補うため、同ビルの建設に乗り出した。

【再開発が目白押し】白金1丁東部北地区と西麻布3丁目北東地区で動き


 ◇施工者は大林組・長谷工JV◇

 東京都港区の白金一丁目東部北地区市街地再開発組合(押見裕司理事長)は、総延べ13・5万平方メートル規模の再開発ビル3棟を整備するプロジェクトの施工者を大林組・長谷工コーポレーションJVに決めた。設計は梓設計が担当。19年4月初旬の着工、2023年3月末の完成を目指す。

 計画地は東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線の白金高輪駅北側に位置する白金1丁目の一部(区域面積約1・7ヘクタール)。一戸建て住宅や共同住宅、工場、事務所、店舗、病院などが点在する。既存建物の老朽化や敷地北側を流れる古川の増水による浸水被害の発生など、防災面で脆弱(ぜいじゃく)な地域となっている。既存建物の地上解体工事は内村工業が担当した。本体着工に先駆け、11月に大林組の施工で計画地内の地下躯体の解体工事に着手する予定だ。

 計画によると区域の中心に広場を新設し、広場を挟んだ東側に最高高さ156メートルの「高層棟」(地下1階地上45階建て)、西側に「中層棟1」(地下1階地上19階建て)と「中層棟2」(地下1階地上4階建て)を整備し、3棟を低層部で接続する。

 総延べ床面積は13万4710平方メートルを想定。既存施設群の性質を引き継ぎ、住宅、工場、事務所、店舗や病院などの生活利便施設を設ける。周辺道路を整備するほか、公園も造る。

 再開発事業には事業協力者として長谷工コーポレーション、参加組合員として東京建物・長谷工コーポレーション・住友不動産・野村不動産・三井不動産レジデンシャルJVが参画。コンサルタント業務は佐藤不動産鑑定コンサルティング、梓設計、上野計画事務所、日本工営が担当している。

 ◇総延べ10万平米規模、20年度着工めざす◇

 東京都港区の西麻布三丁目北東地区市街地再開発準備組合(高島勇治理事長)が計画する総延べ約10万平方メートル規模の再開発事業のスケジュールが明らかになった。18年度の都市計画決定、19年度の組合設立を予定。20年度の権利変換計画認可取得と解体工事、本体工事の着手、25年度の竣工を目指す。

 対象区域は六本木ヒルズの西側に隣接する約1・7ヘクタールの区域。六本木通りとテレビ朝日通りに接している。地権者数は37(マンションの区分所有者除く)。89・1%が事業推進に同意しているという。

 再開発では、敷地北側(A街区)に高さ約200メートルの超高層棟を建設する。区域内の既存の社寺施設を敷地南側(B1~3街区)に3棟を再配置し、墓地(C街区)も整備する。

 A街区(敷地面積7450平方メートル)に建てる高層棟の規模は地下2階地上55階建て延べ9万7000平方メートル。住宅以外に事務所や店舗、ホテルなどを導入する。住宅の総戸数は550戸。うち220戸を外国人向けの大型住居にすることを検討している。2階に保育所も設ける。

 寺社施設の建物はいずれも地下1階地上3階建てで、延べ床面積はB1街区(敷地面積1100平方メートル)が1000平方メートル、B2街区(同)が800平方メートル、B3街区(敷地面積600平方メートル)が900平方メートル。

 公共施設整備として敷地の東側を中心に広場、西側と南側に緑地を設ける。テレビ朝日通りの幅員を10メートルから15メートルに広げる。六本木ヒルズ方面などからの動線を確保し、回遊性を高めるために歩行者デッキ(3線)と地上の歩行者通路(1本)を整備する。

【「学生の設計技術が向上」と評価】JIA東北建築学生賞、最優秀賞に日本大学・安東大毅さん

 日本建築家協会(JIA)東北支部(鈴木弘二支部長)は19日、「第22回JIA東北建築学生賞」の公開審査会を仙台市青葉区のせんだいメディアテークで開き、最優秀作品に日本大学工学部建築学科4年の安東大毅さん(写真㊨)による「身体を澄ます建築」を選んだ。

 同コンペは建築を専攻する学生から設計提案を募り、優れた作品を表彰するもので、40作品が審査を受けた。

 優秀作品には東北大学工学部建築・社会環境工学科3年の千葉絵理奈さんによる「Aperture Gallery」と、国際情報工科自動車学校建築CAD設計科2年の阿部しずくさんによる「纏い~やどかり暮らし~」の2作品を選んだ。

 公開審査では、▽コンセプトの導き方▽社会性・歴史性▽空間性・造形力▽表現力-の4項目を軸に審査。参加者らは作品の前でプレゼンテーションを行い、設計趣旨やポイント、魅力などをアピールした。

 審査員長を務めたJIA宮城の手島浩之氏(都市建築設計集団/UAPP)は「年々、丁寧に作り込まれている作品が増えており、学生の設計技術が向上している」と述べた。審査員らは「課題に対する先を見据えた提案であることが、受賞作品の共通点だった」「設計コンセプトが分かりやすいタイトルを付けると、より作品の魅力が伝わりやすくなる」などと講評した。

 最優秀賞に選ばれた安東さんは「多くの人に支えられて制作した作品。評価を受け、まだまだ改善点があることを実感した」と話した。

【施工は竹中工務店と近く契約】名古屋テレビ塔(名古屋市中区)、免震改修へ12月から準備工着手

 名古屋テレビ塔(名古屋市中区、大澤和宏社長)は、栄地区のシンボルとなっている「テレビ塔」(中区錦3)を免震化する。

 12月から準備工事に入り、19年1月に営業を休止して本格的な改修に着手する。リニューアルオープンは20年7月以降となる。基本・実施設計は日建設計が担当した。施工については近く、竹中工務店と契約する。総事業費は約20億円。

 テレビ塔は、日本初の集約電波塔として1954年に完成。高さは約180メートル。現在、地上90メートルに展望台、地上30メートルにレストランなどがある。

 改修工事では、基礎部分に免震装置を設置する「免震レトロフィット工法」を採用する。低層階については、鉄塔などの構造物から建築物に変更し、ホテル、レストラン、カフェ、イベントスペースなどを設ける。ホテルは4階(13室)、5階(スイートルーム1室)に配置する。改修対象面積は延べ3799平方メートル。

 テレビ塔のある久屋大通公園北エリアでは、20年供用開始を目指しPark-PFIを活用した再整備が行われる。担当は三井不動産、大成建設、日建設計、岩間造園で構成する企業グループ。テレビ塔も、これに合わせリニューアルされる。

2018年10月22日月曜日

【回転窓】学生との距離を縮めるには

チームやドライバーのイメージに直結するレーシングスーツ。最高峰のF1は1950年代に目立ったポロシャツから、最新鋭の技術によって安全性と快適性を高めたウエアに様変わりした▼スポンサーのロゴマークも軽量化や着心地に配慮し刺しゅうから、生地を染め上げたりプリントに置き換えたりしている。プリントの通気にこだわるチームもあるそうだ▼赤、白、黒の配色が鮮やかなウエアを着た建設会社の女性職員が本紙に登場する機会が増えた。ウエアは全国建設業協同組合連合会(全建協連)が行った「ユニフォームデザインプロジェクト」の最優秀作品。東京モード学園の女子学生が「明るく元気に働いて」との思いをデザインに込めた▼パトロールなどで着用してもらおうと群馬県建設業協会は150着以上を購入。視察に訪れた石井啓一国土交通相が写真撮影に応じるなど、建設業で活躍する女性のアピールに役立っている▼全建協連は「KOJICHUプロジェクト」として、学生に仮囲いをデザインしてもらう取り組みを始めた。建設業のいいイメージが伝わり、学生との距離がさらに縮むよう期待したい。

【凜】建設業振興基金企画広報部・梶原真央さん

 ◇多岐に渡る活動を分かりやすく◇

 転職サイトで探した建設業振興基金(振興基金)に入って4年目。CPD(継続教育制度)や人材育成、経営改善などの担当を経て、7月から企画広報部に配属された。

 大学の工学部を出て、食品メーカーの営業や大学医学部の実験助手として働いた後に財団勤務。「興味を持ったことにはまずやってみようと思うタイプ」と、どの職業も持ち前のバイタリティーで選んできた。高知県で建設会社を営む父親の影響もあって、建設業界は「国が発展するのになくてはならない」と以前から関心があった。

 メイン業務の社内システム管理を担当するかたわら、機関誌『建設しんこう』の編集にも携わり、原稿チェックなどを手掛けている。

 広報は多岐にわたる振興基金の活動を業界に知ってもらうための大事な仕事だ。その一環でホームページの見直しにも取り組んでいる。「組織内にある情報をいかに分かりやすく伝えるかが問われる」と、まずは各部署が持つ情報の収集作業から始めている。

 多くの業務を抱え、息つく暇もないほど忙しい時でも「まずは深呼吸をしよう」と、同じ部署の先輩と言い合っているとか。

 まとまった休みが取れれば実家に帰ってのんびり過ごす。長くなった東京暮らしで気付かなかった郷里の人たちの「明るい人柄」に触れながら、仕事への英気を養うという。

 (かじわら・まお)

【中堅世代】それぞれの建設業・212

スケールは大きくても、現場の仕事は日々の小さな積み重ねが大切
 ◇覚悟を決めて入社したから辞めない◇

 ゼネコンに勤務する細木一枝さん(仮名)は、今年で入社14年目。大学では交通システム工学を専攻した。ゼミ仲間の多くは行政機関や建設コンサルタント会社に就職する中、「ものづくりの最前線に携わりたい」とゼネコンの土木技術職を志望した。

 細木さんが就職活動をしていた当時は、今のようにゼネコンが女性の採用に積極的ではなかった。特に土木の部署はその傾向が強く、女性と聞くだけで敬遠されがち。エントリーシートを提出しても音沙汰なしという会社もあり、なかなか次の選考に進めなかった。

 それでも建設現場で働く夢を諦めず、就職活動を継続。たどり着いたのが、今の会社だった。「最終的に、男女の区別ではなく、会社と自分の相性が良いということで選んでもらった。入社してそう思った」と振り返る。

 細木さんは、今の会社の土木部門で採用された初の女性技術職。最初に配属されたのは連続立体交差事業の現場だった。入社するまでは、土木の仕事は漠然と大きなものを造るというイメージを抱いていた。「でも実際に現場に出てみると、日々の仕事は本当に小さなこと。それが積み重なって大きくなる」と知った。

 その後、複数の現場を経験し、入社8年目に自治体が発注するボックスカルバート構造の道路工事の作業所に配属された。官庁工事はより厳しい施工管理が求められると聞いていたが、自ら志願した。「官庁の現場が少ない中で良い経験をさせてもらった。RC造の基礎も学べた」。着工から竣工まで携わり、成長を実感できた現場として今でも強く記憶に残っている。

 転機が訪れたのは入社12年目のこと。地下鉄工事の現場に勤務していた時に、産休を取ることになった。上司から「戻ってくるのを待っている」と言われたが、それまでと同じ能力を100%発揮しないと現場に付いていけないと思った。

 現場は予期せぬトラブルが付き物。ずっと張り付いていたり、すぐ対応しないといけなかったりと時間に制約がある。育児をしながらでは務まらない。上司の言葉は有り難かったが、復帰後は内勤を選んだ。

 現場勤務を志望して採用してもらっただけに、会社に対して申し訳ないという思いや、女性としてもっと頑張らないといけないという気持ちはあった。ただ、出産を機に辞めることは一切考えなかった。

 現在は会社の時短勤務制度を活用しながら、育児と仕事を両立。積算部門に所属し、設計図や仕様書から材料や数量を算出しながら、工事費の見積もりを行っている。今でも子育てが一段落すれば、現場に戻りたい気持ちでいっぱいだ。

 後に続く後輩が毎年増えている。「たまたま生物学上、女性というだけ。目標は同じ現場にいるかもしれないし、他の所にいるかもしれない。私はロールモデルを背負いたくない」と力を込める。「この業界に志を持って入ってきた人は、そう簡単に辞めたりしない。みんな入って来る時から覚悟を決めている」。その一人として、入社当時の思いを今も変わらず抱き続けている。

【サークル】日本工営 野球部


 ◇社内屈指の伝統を次代に継承◇

 50年ほど前に野球好きの社員が集まって発足して以来、活動を続ける社内屈指の歴史を誇るクラブだ。

 会社公認の部として登録された部員数は本社約70人と支社約40人の計約110人と大所帯で、ほとんどが学生時代に野球を経験したメンバーで構成する。毎年4月に発行される新入社員紹介のパンフレットの趣味欄に、草野球や野球観戦とある社員を積極的に勧誘している。

 モットーは「若い人にやさしく」で、打順は若い人から年齢順に決めている。現在は春の建設コンサルタント野球大会への参加が主な活動で、同業他社などとの練習試合やグループ会社の野球大会にも臨時参加するなどの活動を展開する。

 本社メンバーで臨む大会などは週末の野球場が都内に限らず、近郊のやや遠方の野球場となることも。部の代表を務めるコンサルタント国内事業本部流域水管理事業部上下水道部次長の柳本諭さんにとっては「参加者が集まらないときもあり、当日に9人のメンバーをそろえることが難しい」のが目下の悩み。「職場内で皆に声を掛け、活動報告も積極的に社内で配信し、今後も伝統ある野球部を発展させていきたい」と次代に引き継ぐ仕事にも力を尽くしている。

【駆け出しのころ】ダイダン上席執行役員開発技術グループ長・笹木寿男氏

 ◇先輩の言葉が自分を変える◇

 入社して半年間、会社の研修施設で設計や施工に関わる基礎的な一通りのことについて研修を受けました。この研修で努力した人は希望する部署に配属してもらえると聞き、何とか設計の仕事に携わりたいと頑張りました。

 そんな姿勢を認めてもらえたのかどうかは分かりませんが、大阪本社設計部に配属となります。希望した通りになったものの、いきなり大規模病院の設計チームに入り、自分の無力さを痛感しました。長期間にわたり研修も受けてきたので何とかなるだろう。最初のころはそんな甘い気持ちでいたのかもしれません。

 私の指導員となっていただいた先輩は設計と施工のスキルも持った方でした。「とにかく前に進めろ」。先輩から何度も言われた言葉です。経験も技術もない新人の私たちが考えることは知れているため、迷いながらもとにかく前に進めていき、後でチェックを受けて修正できる時間をつくれという教えでした。

 「設計図は商品」とも厳しく言われました。夜遅くまで描いた設計図を翌朝に出すと、先輩にいきなり大きく「×」と書かれてやり直すことも珍しくありませんでした。何が駄目なのかを教えていただけないことには困りましたが、一度にたくさんの知識を詰め込むのではなく、やりながら覚えさせていく。そうした指導であったのだと思います。

 実は入社からしばらくの間、自分は何をやっても駄目で、一人前になれる気がまったくしませんでした。でも、こんな気持ちを大きく変えてくれた出来事がありました。2年目のある日、先輩が上司に「笹木だったら何でもできます」と話されているのをたまたま聞くことができたのです。自分をそうやって見てくれているのが初めて分かり、これまでやってきたことは無駄ではなかったと、急にやる気が湧いてきたのを覚えています。その後につながる大きな転換点でした。

 設計部に12年在籍し、次に技術開発や技術提案を行う部署に異動してからも、新人時代に教えていただいたことが大きく役立っていると思っています。

 これまでの経験から言えるのは、失敗から得てきたものが、今の自分の根幹にあることです。最適と考えて提案したものが、評価を得られなかったこともありました。私たちが提供する技術はお客さまに必要なものを実現するためのものであり、いくら「良い技術です」と提案しても、それがニーズに合っていなければ意味はありません。提案内容が本当にお客さまのためになるのかと、常に俯瞰(ふかん)して見ることが大切です。若い人たちにはこうしたエンジニアになってほしいと期待します。

 (ささき・ひさお)1988年広島工業大学工学部建築学科卒、ダイダン入社。産業施設事業部エンジニアリング部エンジニアリング第二課長、同事業部エンジニアリング部長、執行役員産業施設事業部長などを経て、18年4月から現職。広島県出身、53歳。
入社して最初に配属された大阪本社設計部時代の社員旅行での1枚