2018年10月15日月曜日

【IR解禁でプロジェクト具体化へ活動】米シーザーズ社、国内4カ所のIR施設開発構想案公表

横浜・山下ふ頭での施設開発イメージ
カジノを含むIR(統合型リゾート)開発事業の具体化に向けた動きが活発化する中、関連事業を展開する海外企業の参入意欲も高まってきた。世界5カ国で53のホテルやカジノを運営する米シーザーズ・エンターテインメントは、日本国内4カ所を想定したIR施設の開発構想案を公表した。候補地は北海道苫小牧市と大阪市、横浜・山下ふ頭(中区)。東京・台場地区は数年前に開発コンセプトとマスタープランを作成している。先行して提案活動を展開しながら、事業化を後押しする狙いだ。

 国内4カ所の各施設の規模や整備スケジュールなどは明らかにしていない。

 横浜の開発構想案は、横浜市がIR誘致の検討材料にするため、民間事業者から募った提案内容だ。ハーバーリゾートとして市が再開発を計画している山下ふ頭を建設地に、MICE(国際的なイベント)機能や集客施設などを集めるプロジェクトを想定している。

 開発コンセプトは「Yokohama Art&Culture Park and Entertainment」。山下公園沿いの公共空間を拡張し、景観を損なわず地域活性化につなげる。IR施設は葛飾北斎の浮世絵にある「波」をイメージした外観。ホテルやMICE施設、家族向けアトラクション、物販・飲食店などで構成する。
東京・台場地区での施設開発イメージ
市は国内外の12事業者・グループから構想案の提出を受けている。同社の構想案もその一つ。市は現時点でIRの誘致について「白紙」としている。市内では横浜商議所を中心とする経済団体などがIR導入に積極的な姿勢を示している。山下ふ頭の事業者らで構成する横浜港運協会(藤木幸夫会長)は、カジノ導入反対の立場を表明している。
苫小牧市での施設開発イメージ
北海道では苫小牧市のRFI(情報提供依頼)と北海道の事業構想案募集に応じた。「森の精霊」をコンセプトに世界初の統合型エコリゾートを提案している。土地固有の環境との調和を図り、道内最大のMICE機能やスパ専用ヴィラ、グランピング、温泉庭園、通年のディスカバリーセンターなどを備えたフルスケールのIR施設を想定している。
大阪市での施設開発イメージ
大阪はウェルネス、MICE、エンターテインメントの三つのテーマを柱とするIR施設を構想。2025年の万博開催に向けて大阪が提唱するテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に合致する提案となっている。建設地は大阪市此花区の夢洲を想定している。

 東京・台場地区の開発コンセプトはエンターテインメントだけでなく、地域住民のコミュニティーとしての魅力づくりも目的にしている。花びらの形をした建物やちょうちんのモチーフなど日本の自然やシンボルからヒントを得た開放的なIR施設を提案している。

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