2018年11月27日火曜日

【候補地6カ所、建設費101億円以上】鹿児島市、サッカースタジアム立地調査で中間報告

鹿児島市は22日、有識者らの「サッカー等スタジアム整備検討協議会」を開き、都心部を対象に実施しているスタジアム建設に関する立地調査の中間報告を提示した。

 県有地3カ所を含む6カ所を候補地に挙げ、既存建物解体や付帯施設整備も含めた建設コストは約101億~161億円と試算した。19年1月に開催予定の次回会合で協議会としての方針を固め、市長に報告する予定だ。

 中間報告によると立地調査の前提となるスタジアムはサッカーJリーグ1部(J1)の施設基準を踏まえ定員1万5000人規模を想定。

 都心部の3ヘクタール規模の候補地として〈1〉浜町ゴルフ練習場(浜町、想定敷地面積約3・4ヘクタール)〈2〉浜町バス車庫(同、約4・1ヘクタール)〈3〉かんまちあ(同、約4ヘクタール)〈4〉ドルフィンポート(本港新町、約3・3ヘクタール)〈5〉住吉町15番街区(住吉町、約3・1ヘクタール)〈6〉鹿児島中央駅西口(武、約5・1ヘクタール)-の6カ所を挙げ、法令などの適合性やアクセスなど6項目で評価した。

 法令などの適合性では〈2〉〈4〉〈5〉は臨港地区のため建設するには知事の許可が必要となる。西日に配慮したスポーツ施設としての立地は〈4〉〈5〉〈6〉が優れ、アクセスは公共交通機関では〈6〉が最も優れていた。商業用地への波及効果は〈4〉〈5〉が大きかった。

 建設コストについては本体建設費を約101億円と想定。これに既存建物の解体や付帯施設の整備を含めた場合、線路の一部が整備地に含まれる可能性が高く人工地盤の整備を検討する必要がある〈1〉が最も高額な約161億円。敷地が手狭で護岸の埋め立てが必要な〈5〉が約138億円でこれに次いだ。これら以外は約101億~106億円で解体費、付帯施設ともに不要な〈4〉が最も安価と試算した。〈4〉〈5〉は県有地で県が鹿児島港本港区エリアの開発に向けたグランドデザインを策定中、〈6〉は県が総合体育館の建設構想の策定を進めている。

 全体の考察では〈1〉は人工地盤の整備検討と関係者との協議・調整、〈2〉〈3〉は既存施設の移転や代替用地確保、〈5〉は護岸の埋め立て、〈6〉は県やJR九州、日本郵便の所有地だけでは手狭なため周辺の民有地を含めた用地の確保と周辺環境への影響を踏まえた対策などをそれぞれ比較的大きな課題として挙げた。

 スタジアムはサッカーJ3に所属する鹿児島ユナイテッドFCのホームスタジアムとすることを想定している。立地調査業務は梓設計が担当。

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