2018年11月22日木曜日

【回転窓】インフラ整備での決断

群馬県長野原町で建設中の八ツ場ダムには、ダイナミックな建設現場を一目見ようと多くの観光客が訪れている。ここ数年盛んになっているインフラツーリズムの舞台として代表的な存在だ▼国土交通省は「八ツ場ダムぷらっと見学会」を展開中。多い日には参会者が700人を超えることもあるそう。近くには名勝・吾妻渓谷もあり、今は多くの人が現場見学と紅葉を一緒に楽しんでいる▼渓谷の散歩道は地元にとって「貴重な観光資源」(東吾妻町担当者)。当初は渓谷にダム本体が建設される予定だったが、素晴らしい景観を残そうと計画が変更された▼工事のことだけを考えれば造りやすい場所を選ぶ方が効率的だが、必ずしもそれが最適解とは限らない。先日八ツ場ダムを視察した東京商工会議所の三村明夫会頭は「自分がその場に置かれたら、なかなか難しい。よく渓谷を残すという決断をされたと思う」と話していた▼完成に向け工事は終盤に入りつつあるが、地域の魅力アップという効果は既に出始めている。八ツ場ダムは着工を巡って紆余(うよ)曲折があった。だからこそ地域に愛される存在になってほしい。

0 コメント :

コメントを投稿