2018年12月18日火曜日

【世界最大規模の斜張橋も】近畿整備局ら、大阪湾岸道西伸部の長大橋でイメージ案公表

新港・灘浜航路部の等径間連続斜張橋㊧と単独斜張橋のイメージ案
近畿地方整備局と阪神高速道路会社が大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄間)の海上部に設ける長大橋の橋梁形式比較案を公表した。東側の新港・灘浜航路部は「連続斜張橋(等径間)」と「単独斜張橋」、西側の神戸西航路部では「1主塔斜張橋」と「2主塔斜張橋」を予備設計候補案として選んだ。今後、技術的な課題などを検討し、19年をめどに各航路の橋梁形式を決定する方針だ。

 大阪湾岸道路西伸部は神戸市東灘区向洋町東の六甲アイランド(六甲アイランド北インターチェンジ〈IC〉)からポートアイランドを通り、長田区西尻池町に至る14・5キロ。陸上部、海上部とも大半が橋梁となり、公共事業と有料道路事業(阪神高速道路会社)の合併施行方式で行う。総事業費は約5000億円。

 技術検討委員会では橋梁形式選定に先立ち▽災害時ネットワーク▽世界に誇れる景観創出▽健全状態の長期維持-を計画コンセプト案として設定。これに基づき、設計基本方針の整理や橋梁形式の抽出、試設計、各橋梁形式の総合評価を行い比較案を選定した。

 六甲アイランドとポートアイランド間には、東側に灘浜航路(航路高54・6メートル、幅400メートル)、西側に新港航路(航路高65・7メートル、幅400メートル)がある。委員会では、コンセプト案に基づき、単独斜張橋を基本案として連続斜張橋2案(不等径間、等径間)、連続つり橋2案(4径間、5径間)の5パターンを抽出。経済性・性能を比較し、優位性が高い単独斜張橋と連続斜張橋(等径間)を選んだ。
神戸西航路部の1主塔斜張橋(奥側)と2主塔斜張橋のイメージ案
単独斜張橋案は、二つの航路幅を考慮した最小支間(新港航路部600メートル、灘浜航路部520メートル)を設定した2連構造。支間長は最小となるが中間部に橋脚が必要になる。

 各主径間を均等割り(650メートル)にした連続斜張橋案は、塔が大型化するものの、桁の重量がバランスして中央部の海上橋脚が不要。連続斜張橋では世界最大規模となる。景観性と維持管理性に優れるが、可とう性など技術的な課題もあり、詳細な検討を行った上で単独斜張橋との優劣を判断する。

 ポートアイランドと和田岬間の神戸西航路(航路高59・4メートル、幅300メートル)では、航路幅を考慮した最小支間(480メートル)を設定した1主塔斜張橋と2主塔斜張橋を選定した。1主塔案は世界最大規模となり、2主塔案と比較して平面線形と景観性、コスト面で優れるとしつつも、より詳細な構造特性を把握した上で優劣を判断することにした。

1 件のコメント :

  1. 大きな船も通るだろうに・・・
    海底トンネルじゃないのね・・・。

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