2018年12月11日火曜日

【回転窓】ネーミングは難しい

酒に溺れ自堕落な生活を送る怠け者の亭主を、やればできる男だと信じる妻の機転で立ち直らせ、改心した亭主が妻に感謝するという古典落語の名作「芝浜」は、クライマックスが大みそかということもあり年の瀬になると多く演じられる▼かつて江戸から品川にかけての海岸線のうち、芝付近の陸側は芝浜、海上が芝浦と呼ばれた。主人公がこの辺りで魚屋さんを営んでいたことから「芝浜」という題名が付けられたとされる▼夫婦の情愛を細やかに描いた人情ばなしの舞台では、国家戦略特別区域の特定事業に認定されたJR東日本、京浜急行電鉄、都市再生機構による都市再生プロジェクトが本格始動を迎える▼この戦略特区に設けられる山手線30番目の新駅の名称が1週間前に決定。山手線では初めて駅名にカタカナを用いることや、想定イメージとの食い違い、呼びづらさなどからキラキラネームとやゆする声も聞かれた▼JR東日本が6月に募集した駅名案には1万3228種類にも及ぶ名称が寄せられたそう。その第3位が3497票の「芝浜」。残念ながらグローバルゲートウェイにはふさわしくなかったようだ。

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