2019年8月21日水曜日

【回転窓】元号と建設業

元号が「平成」から「令和」に変わり4カ月近く経つが、どうも慣れない。西暦表記が増え、令和を使う場面が減ってきたからもしれない▼ある友人は自分の過去を振り返る時、西暦年では平面的な捉え方になるが、元号年だと立体的になるという。自分の過去とその時の世相を一緒に思い出すというのだ。いかにも元号表記が主流だった昭和生まれらしい▼確かに元号表記の方が、時代背景が分かりやすいこともある。建設会社の創業年もそう。大手建設会社50社の創業年を元号で見ると、半数が明治時代。日本の近代化とともに多くの建設会社が誕生した背景がうかがえる▼ただ、元号が古すぎて分からない会社も。松井建設は天正14(1586)年創業。430年以上前の安土桃山時代というから驚く。慶長15(1610)年の竹中工務店、文化元年(1804)年の清水建設、天保11(1840)年の鹿島も歴史があることは想像できるが元号だけでは創業年が分からない▼建設業は最古の産業の一つといわれる。人の生活に欠かせない構造物を造るからだ。いつの時代でも社会から必要とされるのが建設業なのだと思う。

【完成施設が早くも効果発揮】広島土砂災害から5年、国交省の砂防堰堤整備が大詰め

年度内の完成を目指す上山川(303渓流)の砂防堰堤工事現場
(国交省提供、8月19日撮影)
 広島市北部を襲った大規模な土砂災害の発生から、20日で5年の節目を迎えた。国土交通省は復興事業として、被害の大きかった安佐南、安佐北両区の30カ所で40基の砂防堰堤を整備している。32基が完成し、残る8基は年度内の完成を目指し、工事が大詰めに入っている。2018年7月豪雨の際には、安佐南区内に整備した砂防堰堤が土砂の流下を食い止めるなど、整備効果を着実に発揮している。

 30カ所での砂防堰堤整備事業は、国交省の広島西部山系砂防事務所が推進している。国、広島県、広島市が安佐南、安佐北両区の99カ所で展開している砂防や治山事業の一環。年度内の事業完了を予定している。湯崎英彦広島県知事は20日に記者会見し「県民が笑顔で暮らせるよう引き続きハード、ソフト両面から対策を推進していく」と復興に向けた決意を改めて述べた。

 広島市北部では14年8月20日の未明、集中豪雨により土石流や崖崩れが多発し、大量の土砂や流木が下流の住宅などを破壊した。災害関連死を含め77人が犠牲となり、住宅396棟が全半壊するなど、大きな被害を引き起こした。

【トイレの空室、一目で分かります】LIXIL、カシマスタジアムの女性トイレをリニューアル

 LIXILは、Jリーグ・鹿島アントラーズのホームスタジアムである茨城県立カシマサッカースタジアムで、女性トイレの一つをリニューアルした。

 女性来場者の満足度を高める取り組みの一環。利用者がスムーズに移動できる動線を確保し、個室ドアと壁面の色を変えることで空室かどうか見分けやすくした。

 リニューアルしたのはメインゲートに近いトイレ。23日の試合から利用できる。20日カシマスタジアムで会見した鹿島アントラーズFCの鈴木秀樹取締役事業部長によると、スタジアムに来る観客の45%が女性という。2年前にプロジェクトを立ち上げ、トイレを含めた女性の満足度向上に向けた取り組みを続けてきた。

 これまでトイレ内部は個室に向かう人と、洗面スペースに行く人が交差し、利用者のストレスになっていた。動線を整理し、洗面スペースの背後にパウダーコーナーを新設。試合の合間のリフレッシュ空間として活用できる。

 個室スペースの配色はアントラーズカラーを意識した。壁面はネイビー、ドアはレッドにすることで、ドアの開閉によって空室状況を分かるようにした。トイレ内にあったおむつ替えスペースはトイレ外に「ベビールーム」として新設。男女を問わず利用できる。

 LIXILの二瓶伸夫技術設計チームリーダーは「ここで培ったノウハウを今後はほかのスポーツ施設にも生かしていきたい」と語った。

スタジアムは鹿島アントラーズFCが指定管理者として運営管理している
(写真提供:茨城県)
カシマサッカースタジアムは鹿島アントラーズFCが指定管理者として運営管理している。LIXILとアントラーズは、トステム(現LIXIL)が1994年からチームに協賛するなど、四半世紀にわたってスポンサー契約などで関係を継続している。

【官民協議会設置、きょう初会合】SC相模原ら、相模総合補給敞返還地でスタジアム整備の可能性検討へ

 サッカーJリーグのSC相模原らスポーツクラブ4者と相模原市は、JR相模原駅前に位置する米軍基地(相模総合補給敞)の一部返還地を活用し、スタジアムを核とする複合施設建設の可能性を検討する官民連携協議会を設立した。

 来年3月を目標にビジョンや中長期事業計画、今後の進め方などを決め、相模原市長に提案する。協議会の事務局は日本総合研究所が担当する。

 協議会は▽ノジマ相模原ライズ(アメリカンフットボール)▽三菱重工相模原ダイナボアーズ(ラグビー)▽ノジマステラ神奈川相模原(女子サッカー)▽SC相模原-の4クラブと相模原市で構成。早稲田大学スポーツ科学学術院の間野義之教授が座長を務め、21日に初会合を開く。来年度以降は、検討主体を市に移し資金調達や施設内容について検討を深める考えだ。

 米軍返還地に複合施設を建設するプロジェクトは、スポーツ庁の2019年度「スタジアム・アリーナ改革推進事業」の一つに選定されている。4クラブと市は昨年度に研究会を立ち上げ、球技専用スタジアムの必要性、施設の規模や機能、事業の進め方などを検討してきた。

相模総合補給敞の返還対象となる敷地面積は約15ヘクタール。協議会はサッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどのプレーが可能な1万5000席以上の大型スタジアム(敷地面積約3ヘクタール)のほか、商業やホテル、コンベンション、福祉などの機能を備えた複合施設の整備について可能性を検討する。

 相模原市内では相模原駅の隣駅である橋本駅にリニア中央新幹線の停車駅が設けられる。小田急多摩線は唐木田駅(東京都多摩市)~相模原駅(相模原市中央区)間の先行延伸が検討されている。市は返還地での複合施設建設を核に、新たな街づくりを進めたい考えだ。

【爆破作業にびっくり!!】デミー&マツ、採石場で子ども向け見学会開く

 鹿児島県薩摩川内市の砕石場で10日、子どもたちが爆破作業を見学し土木の役割と魅力を体験するイベントが開かれた。参加者は、コンクリートの材料となる砕石がどのように作り出され、人々の生活を支えているかを学んだ。

 イベントは、全国で土木の魅力を伝える活動に取り組んでいる“噂の土木応援チームデミーとマツ”が、道路やコンクリート、埋め立て、漁礁などの土木や建築の材料としてものづくりを支える砕石業への理解を深めてもらうために企画した。

 ガイアテック高城工場を会場に、園児から高校生までのおよそ100人が参加した。砕石場ではガイアテックの職員による爆破作業を見学したほか、砕石を運搬するダンプカーや大型ショベルカーの乗車体験もあり、子どもたちは歓声を上げていた。

【こちら人事部】協和エクシオ「海外展開見据え人材確保」

 1954年の設立から一貫して情報通信インフラの構築を中核に事業を展開してきた。現在は環境・土木技術や電気設備技術などを活用した環境・社会インフラの構築分野などにも進出している。

 ソフトウエア開発分野ではICT(情報通信技術)機器とソフトウエアを融合したソリューション、各種アプリケーション開発にも力を入れるなど業容拡大を続けている。シンガポールに子会社を設立するなど海外進出にも力を注ぐ。

 幅広い事業を手掛ける上で欠かせないのが優秀な人材の確保だ。人事部の大野友明人材開発室長は求める人材像として「やる気と向上心、そしてコミュニケーションマインドを持っていろいろなものに挑戦していける人物」を挙げる。

 大野室長は「協力・和合を意味する『協和』と、自らの殻を破って変革しチャレンジするラテン語の『エクシオ』から成り立つ」と社名の由来を説明。「常にチーム全員が一丸となって仕事に取り組んで突破口を開き、何事も成し遂げていく。私たちが求める人材はその考え方がベースとなっている」と話す。

 建設業界が人材不足にあえぐ中、応募人数の確保にも工夫を凝らす。大野室長は「経団連の『採用に関する指針』が見直されたことで、今後ますます採用手法は多様化していく」と予測する。そのため従来の新卒採用に加え、第二新卒の採用にも積極的に目を向ける。

 東南アジアを中心とした海外市場で通信、ICT分野の業容拡大を目指す同社。多様な人材の確保という観点から、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に留学生やグローバル志向の学生採用にも積極的だ。本年度はASEANの人材を対象にした就職支援活動サイト主催の合同説明会にも参加した。

 離職率が低いのも特徴の一つだ。要因について大野室長は「説明会や面接時に、仕事内容をより具体的に伝え、学生のイメージと乖離(かいり)しないように注意していることがポイントではないか」と分析する。

 教育研修は「人財」第一主義を基本に、入社後1年間を研修期間に設定。基礎研修や職種別研修、IT資格取得研修などのカリキュラムを設け、社会人としての常識、企業人としての幅広い知識、基礎技術力の習得に注力する。新入社員一人一人にチューターを配置し、育成とフォロー、メンタル、生活両面でのアドバイスを通じて成長を促し業務への意欲向上を図る。

 2年目のステップアップ研修や階層別研修、技術研修、営業研修など、さまざまなメニューを用意。資格取得奨励制度や通信教育制度などで自己啓発を支援するなど、社員に成長の機会を提供している。

 これから就職活動を行う学生に向けて大野室長は「ウェブサイトに掲載されている情報だけでなく、社員の生の声や会社の雰囲気を肌で感じることで入社後のギャップを少しでも埋められる」とアドバイス。「学校主催の合同説明会などに参加し、さまざまな業界について話を聞いてほしい。もっと言えば、会社訪問やOB・OG訪問をしてもらいたい」と話す。

 《新卒採用概要》

 【採用者数】   男性122人(うち技術系115人)、女性30人(うち技術系23人)(2019年度実績)

 【3年以内離職率】5・9%(16年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性17・4年、女性14・0年(19年3月末時点)

 【平均年齢】   42・3歳(19年3月末時点)

2019年8月20日火曜日

【回転窓】守ってこそのマナー

長い人は9連休だった今年のお盆休み。記録的な猛暑、西日本を襲った台風などもあり出掛けるのは難しかったかもしれないが、思い思いの休みを過ごされたことだろう▼ここ数年、休日のレジャーでブームになっているのがアウトドア。本格的な登山からキャンプなどのライトアウトドア、トレイルランニングといったアウトドアスポーツ、アウトドアブランドのウエアまで裾野は広く、市場規模は4000億円を大きく超える▼自家用車でオートキャンプ場に出掛けテントを張ってバーベキューなどを楽しむ。小学生くらいの子どもがいるファミリー世帯にとって定番のレジャーになっているようだ▼そんな状況に関係があるかどうか定かではないが、北海道弟子屈町にある道の駅「摩周温泉」では駐車場で車中泊する観光客が増え、一般の利用者が車を止められなくなる事態が起こっているそうだ。問題に対処するため、北海道開発局は地元と連携し駐車場の一部を有料化し収益を清掃費などに充てる取り組みを試行した▼駐車場には近隣のキャンプ場や無料の臨時駐車場を案内する看板も。マナーを守ってぜひ楽しい休日を。

【ガイドライン作成へ】文化財-火災の潜在的危険性高く消火設備の老朽化も

国内にある世界遺産や国宝の多くが火災に対する潜在的危険性が高いことが文化庁の調査で分かった。

 消火設備を設置していても老朽化が進み、機能低下しているおそれがあることも判明した。調査結果を踏まえ文化庁は、消防庁や国土交通省などと連携して防火設備整備の検討に関するガイドラインを作成するとともに、文化財防火対策について総合的、計画的な対応策を取りまとめる考えだ。

 文化庁は仏パリのノートルダム大聖堂の火災を受け、国宝や重要文化財(重文)を対象に防火設備などに関する緊急調査を実施。文化財4543棟の回答を得て、8日に調査結果を公表した。

 それによると、世界遺産や国宝の9割以上が「全部」または「一部」で木造となっており、これら建造物の6割以上が木造密集地にある。重文もおおむね同様の傾向で、改めて火災の危険性が高いことを確認した。

 世界遺産と国宝のうち約2割で消火設備が整備または改修から30年以上経過しており、老朽化による機能低下のおそれがあることが判明。美術工芸品の国宝を管理する博物館などでも消火設備が老朽化していることも分かった。

【施工は菊池建設ら】五輪競技会場・大井ホッケー競技場(東京都大田・品川区)が完成

 東京都は、2020年東京五輪のホッケー会場となる「大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場(大井ホッケー競技場)」(大田区、品川区)の完成式典を17日に現地で開いた。

 ショートパイル人工芝のメインピッチや約2600席のスタンド、散水設備、電光掲示板などを備える。観客席は屋根で覆われている。五輪期間中は仮設スタンドを設け約1万席にする。

 大田、品川両区にまたがる大井ふ頭中央海浜公園に位置し、ピッチとスタンドを新築した。施設はRC一部S・SRC造3階建て延べ5900平方メートルの規模。基本・実施設計は梓設計、施設の施工は菊池建設、設備工事は関電工が担当した。野球場を挟んで向かいのサブピッチも改修した。

 完成式典には小池百合子知事や日本ホッケー協会名誉総裁の高円宮妃久子さま、鈴木俊一東京五輪担当相、タヤブ・イクラム国際ホッケー連盟オリンピック担当責任者、松原忠義大田区長、濱野健品川区長らが出席した。

 冒頭、小池知事は「(17日で)五輪まで344日。交通の混雑緩和などに取り組んでいる。競技場は都民がさまざまなスポーツを楽しむ場になる。大会後も末永く愛され、多くの人に利用される施設になってほしい」とあいさつ。久子さまは「日本のホッケー競技に大いに活用されるよう期待する」と述べられた。

 ショートパイル人工芝の長さは約1センチで、衝撃吸収層の上に敷設した。周囲6カ所にポップアップスプリンクラーを備え、8分間で約20トンの散水が可能。公共のホッケー競技場は少なく、日本ホッケー協会は競技力の強化やホッケーの普及・振興拠点として活用する考え。

 サッカーやラクロス、アメリカンフットボールなどにも利用できる。都は公園内の施設と連携し、総合的なスポーツ・レクリエーション拠点の形成に役立てる。

 当日はこけら落としを兼ねホッケー女子日本代表がインド代表と対戦した。会場では、ミスト散布などいくつかの暑さ対策が試行され、小池知事は「大会組織委員会と連携し、一番いい暑さ対策を使いたい」と述べた。

【空の玄関口を機能強化】北海道エアポートG、7空港で4300億円の設備投資計画


2950億円の投資を計画する新千歳空港
(写真は国土交通省東京航空局HPより)
 北海道内7空港の一括運営委託の優先交渉権者に選ばれた北海道エアポートグループは、30年間に約4300億円の設備投資を計画している。このうち新千歳空港には約2950億円を投じ、国内線・国際線共用旅客ビルや同ビル直結のホテル、ビジネスジェット専用ターミナルなどを新設。函館では国際線旅客ビル施設の建て替え、旭川ではターミナルの大規模増築を行い、広域周遊観光の玄関口として機能強化を図る。

 同グループの事業計画では、新千歳は「グローバルケートウェイ」、函館と旭川は「広域ゲートウェイ」、稚内、釧路、帯広、女満別を「地域ゲートウェイ」と位置付けて役割を明確化し、東アジアからの観光需要をメインターゲットとして、段階的に観光流動を拡大。道全域での周遊観光流動の創出を目指す。

 各空港の設備投資戦略は、新千歳で運営開始当初が国内線旅客ビル施設の到着階拡張や搭乗待合室の混雑緩和、JR新千歳空港駅からの縦導線改善など既存施設の利便性向上に投資。運営開始後5~10年で国際線ビル内部改修や国内・国際線共用旅客ビルやホテルの新設、交通・観光センターなどの増築を行う。

 函館は総額412億円を投資。運営開始5年以内に国際線旅客ビル施設を建て替え、国内線旅客ビル施設との一体化を図る。建て替えに合わせて混雑解消や商業エリアの大幅拡充を行うなど道南・東北一の国際線受け入れ環境を整備する。

 旭川の投資総額は218億円。将来的な国際線就航需要増に対応するため、ターミナル前面に3000平方メートルのエプロン・国際線ビル施設を増築するとともに、駐車場増設、国内線保安検査場の拡大、エプロン増築などを段階的に行う。

 稚内は総額137億円を投じ、運営開始5年以内に旅客ビル施設を建て替え、国内線と国際線同時2便受け入れの実現を目指す。釧路は224億円で、国際線出発・到着便の同時受け入れが可能な専用施設の整備や国内線施設の改修など。

 帯広は178億円を投資し、富裕層誘致へビジネスジェット専用施設などを整備。女満別は172億円を投じ、国際線専用施設の整備や温度管理設備を備えた貨物ビルを新設する。

【記者手帖】変わり身の早い建設業

夏休みを利用して全国の建設現場で開催されている「リコチャレ」や「けんせつ小町」などのイベント。取材中、主催者が女子児童や生徒に「建設業で活躍する女性はたくさんいる」と強調する場面を度々見かける◆「当社ではかつて、『女子学生は本社で面接する前に落とせ』と言われていた」。ゼネコンの採用担当者がこっそり明かしてくれた。女性は転勤を嫌がり、結婚や出産で辞めてしまうから、というのが言い分だ。医学部の入試で女子学生が不正に差別された問題が報じられたとき、その言葉を思い出した◆女子校に在学中、当時の担任は「理系に進む生徒は男子と戦うことを覚悟しろ」と警告した。何を言っているのだろうと当時は思ったが、理系の女性が進学や就職の段階で冷遇される現実を彼は知っていたのではないかと、今になって思う◆時代は令和になり、建設業の状況は一変した。合同就職説明会ではゼネコンのブースに「女子学生積極採用」の文字が並ぶ。女子学生の採用ノルマを課す会社も出てきた。建設業のこの「変わり身」について、あの担任は何と言うだろう。(ゆ)

2019年8月19日月曜日

【回転窓】自由研究に役立つ建設業の善意

近所の公民館でボランティアの学生や地域の有志が小学生の自由研究を手伝っている。ストローなどを使った工作でサッカーゴールを作ったり、「弟に壊された」というゴムの力で動く車の修理を頼んだりする子がいる▼「こうしてみたら?」「一緒にこうやろうよ」。子供のアイデアをなんとか実現しようと、大学生や大人が一緒になって奮闘する姿を見て温かい気持ちになった▼今夏も各地で建設業の皆さんが企画したさまざまなイベントが開かれている。クルーズ船に乗っての港湾工事やインフラの学習、工事中の高速道路トンネルの見学など、なかなかできない体験の場が用意されている▼「自由研究にしようと思って」。ある見学会に来た女児が参加した理由をそう教えてくれた。母親は「工事現場を見る機会はないので。女性がたくさんいて驚きました」と笑顔で感想を話していた▼自由研究のヒントなどをホームページで提供する建設会社もずいぶん増えた。地域主催の自由研究のイベントにブースを出す団体もある。今夏も建設業の善意がファンをさらに増やし、自由研究の質の向上に役立っているに違いない。

【凜】マサル第2営業部・須藤千鶴さん

 ◇苦労と努力をやりがいに変えて◇

 学生時代は建築デザインを専攻していた。就職活動でシーリング業界を初めて知り、「目立たないながらも必要不可欠な仕事」だと思った。現場の近くで働きたいと考え、思い切って専門工事業界に飛び込んだ。

 入社4年目の現在は営業部に所属。現場に出て作業の出来栄えを確認したりコスト管理をしたりといった仕事を担当する。計画よりも施工数量が増えてしまった際には、契約項目と実施項目を細かく確認してリスト化し、元請企業の担当者に説明して納得してもらえた。「努力が報われてうれしかった」と振り返る。大変だと思う時もあるが、やりがいのある仕事だと感じている。

 分からないことはすぐ聞き、失敗した場合は改善策を自分で考えて次に生かすよう心掛けている。上司の手を煩わせないよう、同じ質問はしないように気を付けている。昨年はシーリング管理士試験を全国1位の成績で合格した。「仕事が丁寧でベテラン職人にもしっかりと意見を言える」と苅谷純社長の信頼は厚い。

 今はまだ男性が多いシーリング工事現場だが、状況は変わりつつあるという。「職人さんは優しく、現場もどんどんきれいになっている。それを知ってもらえばこの業界で働く女性も増えていくはず」と話す。

 夢は世界一周旅行。「いろいろな建築物を見て回りたい。建物が大好きだから」とはにかむ。

 (すどう・ちづる)

【中堅世代】それぞれの建設業・234

機械設備が好きな一心で公務員になった
 ◇自覚は後からついてくる◇

 地方自治体の下水道局に勤務する原口文人さん(仮名)は働き始めて14年目。入庁から5年間は下水道施設の機械設備工事に奔走した。豊富な現場経験を持つ原口さんの仕事ぶりに周囲も厚い信頼を寄せるが、その評価とは裏腹に「最初から公務員になりたくてなったわけではない。公僕としての自覚を持ったのもだいぶ遅かった」と苦笑する。

 原口さんは大学、大学院で機械工学を専攻し、院生時代には指導教授と共同研究に打ち込んだ。就職活動では機械関係の職種を希望。研究職は頭になく、メーカーも性に合っていないと感じた。機械というだけでただでさえ就職先の幅が狭まってしまった上、えり好みもあって公務員という道しか選択肢がなかった。

 入庁してすぐ、下水道設備の保全を手掛ける部署に配属された。専門用語が飛び交う環境に身を置き、早く下水道の知識を身に付けなければと焦る日々。しかし、指導係の先輩は職人かたぎで手取り足取り教えてくれるタイプではなかった。最初の指導らしい指導といえば、ミーティング時に言われた「分からなくてもいいから、とにかく聞こえたままノートに書いておけ」という指示。その言葉に従い愚直にメモを取り続けた。

 数カ月後、ふと入庁当初に使っていたノートを開いてみると、空耳で書き留めた単語がずらっと並んでいた。思わず笑ってしまったが、「間違いを笑えるということはそれだけ知識が身に付いたということ。自らの成長を実感する貴重な経験ができた」。その後も習うより慣れろの精神で、現場に出て技術屋としての知識や経験に磨きを掛けていった。

 6年目に畑違いの環境局に異動した。下水道局は自ら事業を持っているが、環境局は規制部門として地域住民の生活に害が及ばないよう環境影響評価(環境アセス)の実施や、大気汚染・水質汚染対策などを指導する立場だ。環境局の営繕系の部署に着任したが大きな機械が好きなため、ビルの換気扇やエレベーターには興味が持てなかった。当初は仕事のモチベーションを維持するのが大変だったが、続けるうちに行政ならではの仕事のおもしろさも感じられるように。

 「規制される側からする側へと立場が逆転し、グループの別会社に転職したような新鮮な気分を味わえた」

 現在は下水道局に戻り設備設計を担当している。いつかは現場に戻りたい。その時には「次に現場を担当するときは若手職員を率いる立場になる。現場を円滑に回すためうまく立ち回らなければならない」と思っている。

 技術屋としての腕を試したいと息巻いていた若いころとは現場に対する考え方が変化した。「公務員は住民の生活を守るために誰かがやらなければいけない仕事だ。だったら俺がやってやる」。選んだ理由は消極的だったが、今は公務員を一生の仕事だと思っている。

【駆け出しのころ】大日本土木代表取締役専務執行役員経営企画本部長・佐溝時彦氏

 ◇チームの力で困難乗り越える◇

 父親が建設関係の仕事に携わっていた影響もあり、大きなものを造りたいという思いから土木の道を選びました。長男で地元志向が強いこともあり、自宅から通えればという考えから、岐阜に拠点を置く大日本土木に入社しました。

 当時の思いはそうでしたが、これまで岐阜での勤務はありません。最初に大阪支店に配属された土木系の新入社員5人のうち、他の4人は大阪や京都などの街中の現場でしたが、私一人が山深い福井県敦賀市内の高速道路の現場。大阪から電車で敦賀に向かい、駅を降りてさらに雪が残る山あいの奥地に入った時にはとても寂しく思ったことを覚えています。

 初任地の現場では明かり工事で土工や構造物を担当。半年ほどたって先輩とチームを組み、1年目でも自分の意見を尊重してもらいながら、責任を持って仕事をさせてもらいました。もちろん失敗もありました。測量作業で確認を怠った結果、側道部分の整備でミスを犯してしまいました。所長から注意され、技術屋として確認を徹底することの重要性を身にしみて感じました。

 特に思い出深い現場は奈良県生駒市の「東大阪生駒電鉄生駒トンネル東工区工事」。JVのサブでしたが、トンネル工事で初めて切羽を担当し、代表企業の鹿島の方々からも多くのことを学びました。

 切羽の貫通精度が一番の肝となることから頻繁に測量を行い、貫通前の数日は寝られなくなるほどの緊張に襲われます。現場所長は大学の大先輩に当たり、「卵1個までの誤差で収めろよ」とはっぱをかけられ、プレッシャーは大きかったです。貫通時に誤差は1センチ程度に収まり、所長からも大変褒めていただき、土木技術者としても大きな転機になりました。

 JVサブの現場でも若い人たちには自分を成長させる好機と捉え、前向きな気持ちで頑張れと伝えています。どこの現場でもいろんなものを吸収し、ステップアップできる。ただ、現場所長を一度も経験できなかったのは今でも心残りではあります。

 仕事をなす時に個人の力には限界があり、チームの力でどう困難を乗り越えていくかが重要。必ず人はミスを起こすという前提に立って行動する。周りのアドバイスや意見に耳を傾けながらリスクを減らす。チームの一人一人が責任を感じ、前向きに取り組む姿勢が何より大切です。

 いまの若手は少しおとなしい印象があり、昔よりも密度の濃いコミュニケーションが必要だと感じています。われわれも歩み寄りますが、若手からも積極的に発信してほしいです。
入社8年目ころ。生駒トンネル東工区と中工区
の貫通を祝って(写真㊧が本人)
(さみぞ・ときひこ)1978年京都大学工学部交通土木工学科卒、大日本土木入社。執行役員土木本部土木部長、常務執行役員経営企画本部長兼戦略事業部長などを経て6月から現職。岐阜県出身、63歳。

2019年8月9日金曜日

【町田ゼルビア本拠地、1・5万人収容へ】町田市立陸上競技場観客席増設4件、西武建設らに

東京都町田市は「町田市立陸上競技場観客席増設工事」の施工者を29億8279万8000円で西武建設に決めた。

 関連する電気設備工事は3億4353万円で栗原工業・協立電工JV、空気調和設備工事は4880万円で渡辺工業所、給排水衛生設備工事は1億2300万円で鶴川設備工業に決まった。

 いずれも7日に一般競争入札を開札した。予定価格は建築を担う客席増設工事が33億1422万円、電気設備工事は3億8170万円、空気調和設備工事は4909万7000円、給排水衛生設備工事は1億2432万円。市議会の議決後に契約を結ぶ。

 所在地は野津田町2035の野津田公園内。同競技場の北側バックスタンドの観客席を増設する。現在の施設規模はRC一部S造6階建て延べ1万6336平方メートルで、今回増築するのは同3階建て延べ6492平方メートル。既存観客席は1万0812席で、工事が完了すれば約1万5500席を備えることになる。外構工事なども行う。工期は2021年2月15日まで。

 同競技場は、サッカーJリーグ・FC町田ゼルビアの本拠地。Jリーグが運用するクラブライセンス制度では、J1の参戦に当たって入場可能人数が1万5000人以上と施設基準が設けられている。市は将来的なチームのJ1昇格を見据え、施設基準をクリアする環境を用意し、クラブを後押しする。競技場の将来構想策定と観客席増設の基本・実施設計は梓設計が担当した。

【瑞穂競技場、仮設含め3・5万人収容に】2026年アジア大会、組織委が開催基本計画案策定

2026年に開かれる愛知・名古屋アジア競技大会の組織委員会は、開催基本計画案をまとめた。競技は最大40種目。会場は県内を中心に35カ所を仮決定した。

 開・閉会式が開かれる瑞穂陸上競技場(名古屋市瑞穂区)は全面改築、レスリングや柔道の会場となる県体育館(名古屋市中区)は移転・新築される。名古屋競馬場跡地(名古屋市港区)に整備される選手村については、23年春の着工を目指すとしている。10月頃に大会組織委員会理事会で正式決定し、11月末までにアジアオリンピック評議会(OCA)へ提出する。

 第20回アジア競技大会開催基本計画案によると、参加人数は選手、チーム関係者ら1万500人、その他OCAやメディア関係者、ボランティアらを合わせ4万人程度を見込む。会場は現状で県内外の35会場を仮決定している。今後、数カ所を追加する予定。開催費用を抑えるため会場の大半は既存のものを活用するが、瑞穂陸上競技場などの新設施設もある。

 瑞穂陸上競技場は、現施設を取り壊し、2層構造(一部1層)収容人数3万席規模の新スタジアムとなる。大会開催時には仮設席を設け3万5000人を収容する予定。総事業費は約610億円が見込まれている。整備は名古屋市がPFI方式で行う。本年度中に実施方針案を公表、20年度内に事業者を選定、23年度着工、25年度完成を目指す。

 県体育館は、現在地から約800メートル北の名城公園北園野球場(名古屋市北区)に移転する。収容人数を現在の約7400人から1万5000人に大幅に拡大する。

 県は本年度中に民間活力を導入するための事業方式、整備スケジュール、公募方法などを決める予定。

 選手村については、県と市が共同で名古屋競馬場跡地約20・7ヘクタールに整備する。本年度中に後利用を含めた基本構想を作成する。収容人数は約1万5000人。住宅など後利用施設を民間活力を導入して整備、大会開催期間中は選手村として活用し、後利用施設以外で選手村に必要な機能は仮設で対応する。22年度第4四半期の着工を予定している。

【現場で働くお父さん「かっこいい!!」】鹿児島建協ら、芦北出水道路現場で「おやじの日」現場見学会

 鹿児島県建設業協会と出水・阿久根建設監督官詰所安全協議会、噂の土木応援チームデミーとマツが、発注者と施工者の家族を対象にした「おやじの日」の現場見学会を3日に鹿児島県出水市で開いた。

 会場は南九州西回り自動車道芦北出水道路の鹿児島3号前田川橋上部工工事の建設現場。子どもたちは仕事場で働く父親の姿を見て、建設業をより身近に感じていた。

 今回の現場見学会は、建設会社の社員、発注者、協力会社の家族に父親の働く姿を間近で見てもらうことにより、社会資本整備や建設業への理解を深めてもらうのが狙い。九州地方整備局鹿児島国道事務所が共催した。

 見学会には51人の子どもたちが参加。安全協議会の青柳徳宏氏が工事の概要を説明した後、参加者は現場へと移動。のり面ぶら下がり体験やバックホウ試乗体験、鉄筋結束体験などを行った子どもたちは「お父さんが橋を造っているなんてすごい。今日のお父さんはかっこいい」と目を輝かせていた。

【47自治体が初参加】マンホールカード第10弾、配布開始

総発行枚数が約414万枚に達する「マンホールカード」の第10弾の配布が始まった。初めて参加する47の地方自治体を含め、61自治体・61種類のカードが登場する。

 マンホールのふたを管理する自治体と、下水道の価値向上と情報共有に取り組む下水道プラットホーム(GKP、長岡裕会長)がカードを共同作成。ふたの写真や位置座標、デザインの由来などを知ることができる。

 国土交通省は自治体と連携し、下水道への関心を高めてもらうための情報を発信。マンホールカードをきっかけに下水道の役割を知ってもらたり、観光で足を運んでもらったりすることにつなげる。

 第1~10弾の累計で全国454自治体が539種類のカードを発行している。カードごとに指定された配布場所に行くと、「1人1枚」を原則に無料で受け取ることができる。配布場所など詳細はGKPのホームページへ。

【東京都心部の高速交通、より快適に】首都高小松川JCTと渋谷入口、19年内開通へ

 首都高速道路のアクセス向上の一環で、首都高速道路会社が東京都内で改良工事を進めていた「中央環状線(中環)・小松川JCT」と「3号渋谷線(下り)・渋谷入り口」が年内に開通する。本線や周辺道路の混雑緩和、ルート選択の拡充などにより、快適な交通ネットワークの創出を図る。

 小松川JCTでは中央環状線の埼玉方面と7号小松川線の千葉方面を結ぶ連結路を設置する。既設の小松川入り口の隣に中環小松川入り口を新設。既設の小松川出口を小松川線の進行方向右側から左側に付け替える。加えて、小松川線沿道の付属街路(第3、4号線)の拡幅も行う。

 開通後は埼玉方面と千葉方面を結ぶルート選択の幅が広がり、所要時間の短縮が見込まれる。都心環状線や東京外かく環状道路(外環道)で事故などの突発事象が発生しても、中環を経由して常磐道や東北道へのアクセスが可能となる。

 渋谷線では渋谷駅東口付近に渋谷入り口(下り)を整備中。これまで同線の郊外方向の入り口は池尻入り口だけだったが、渋谷入り口によって渋谷・六本木エリア周辺から首都高へのアクセスが向上し、大橋JCTを経由して中環にもアクセスできる。渋谷駅周辺から湾岸線方面や埼玉方面に向かう際には、中環と都心環状線のルート選択が可能となり、所要時間の短縮にもつながる。

【生産能力、1・4倍に】バンダイスピリッツ、静岡市にガンプラ新工場

 バンダイスピリッツ(東京都港区、福田祐介社長)は、プラモデル生産の新工場を静岡市葵区に整備する。

 色の異なる素材を四つ同時に成形できる多色成形機を6台備える建物を建設し、生産力を現在の1・4倍に高める。規模はS造平屋1488平方メートル。2020年秋以降の稼働を予定している。施工者は非公表。

 建物はホビーセンターの敷地内に「新館」として整備し、ホビーセンターを本館とする。4月までに累計出荷数が5億個を突破したガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」などを生産する。06年度に660万個だったガンプラの出荷数は、18年度に約2・4倍の1573万個まで増加。国内外で需要が高まっており、増産対応を進めている。

 ガンダムは19年がシリーズの40周年となる。プロ野球球団とのコラボレーションを進めたり、20年には横浜・山下埠頭(ふとう)に実物大のガンダムを設置したりする。中国や北米でも人気は高く、同社は引き続き生産体制を強化することにした。

 新館の整備に伴い、自動搬送機を2台導入するのに加えて、画像検査機を利用した不良品の混入防止対策、生産管理システムの可視化などに取り組む。多色成形機によって、4色のプラモデルの部品が1枚のランナーに集約され、購入したガンプラユーザーの作りやすさが向上し、製造時の消費電力の削減や省資源化に役立っているという。

【来年度に個別計画具体化へ】大宮駅周辺再整備構想、2020年3月にプラン案公表

再整備後の大宮駅のイメージ(提供:さいたま市)
さいたま市らによる「大宮グランドセントラルステーション(GCS)推進会議」(会長・岸井隆幸日本大学特任教授)は、JR大宮駅周辺を再整備する構想の具体的な事業内容を示す「GCSプラン(案)」を2020年3月に公表する。スケジュールや概算事業費などを盛り込む。来年度には個別計画の具体化や都市計画手続きを進める。

 GCS化構想の対象エリアは大宮駅や周辺交通、周辺街区など。駅改良計画や道路の再編などを予定する。本年度は事業ごとに計画を詰め、整備手法なども検討する。並行して完成予想図をブラッシュアップするとともに、模型やVR(仮想現実)による完成イメージの視覚化も予定する。

 3月に発表したGCSプランの骨子案では、JR大宮駅東口周辺を西、北、中、南の4街区に分けて再整備するとした。中街区の中心に交通広場を配置し、南北・東西方向の動線を強化する。交通広場の上部には街と駅をつなぐ交流広場「アーバンパレット」を整備する。周辺で検討が進んでいる再開発事業などの状況も踏まえ、広場の範囲などを検討していく。

2019年8月6日火曜日

【モデルは高山一実さんと松田るかさん】建災防、全国労働衛生週間啓発ポスターの販売開始



 建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)は、10月1~7日に実施される「全国労働衛生週間」(準備期間9月1~30日)の普及啓発に向けたポスターの販売を始めた。

 アイドルグループ・乃木坂46の高山一実さん(㊧)と、ドラマなどで活躍する女優の松田るかさんをモデルに起用。松田さんのポスターは同週間のスローガン「健康づくりは人づくり みんなでつくる健康職場」を記載した。注文先は東京が建災防本部事業部教材管理課、東京以外は道府県支部。価格はともに200円(税込み)。

 全国労働衛生週間は1950(昭和25)年に第1回が実施されて以来、今年で70回目を迎える。厚生労働省と中央労働災害防止協会(中災防)が中心となり、準備期間を含めて自主的な労働衛生管理体制や健康づくりの大切さを訴える。

【回転窓】若者からもらう元気

英国で行われた女子ゴルフのメジャー最終戦、全英女子オープンでメジャー初出場の渋野日向子選手が優勝を飾った▼日本選手が海外のメジャー大会を制覇したのは1977年に全米女子プロ選手権を制した樋口久子さん以来、42年ぶりで2人目の快挙。昨年のプロテストに合格し、今季から本格参戦した日本ツアーでも2勝を挙げている▼プレー中もほほ笑みを絶やさない渋野選手に海外メディアが付けたニックネームは「スマイルシンデレラ」。怖いもの知らずの面はあるだろうが、将来が楽しみな選手がまた一人、女子ゴルフ界に誕生した▼世界の舞台で活躍してきた岡本綾子選手や宮里藍選手らが届かなかったメジャー制覇という重い扉をこじ開けた渋野選手。同世代には国内外で活躍する人も多く、1998年度生まれは「黄金世代」と呼ばれる。来年の東京五輪でもゴルフは行われる。競技に出場できる各国代表選手は「オリンピックゴルフランキング」に基づき、7月から1年間の成績で決まる▼大舞台でも物おじせず堂々と実力が発揮できる。渋野選手に限らず若い世代のアスリートが活躍する姿からは元気がもらえる。

【水の天使も参加】国交省、霞が関で「打ち水大作戦」!!

 国土交通省は水の週間(8月1~7日)にちなんだイベントとして、5日に東京・霞が関の本省玄関前駐車スペースで「打ち水大作戦」を行った。石井啓一国交相ら国交省の幹部や職員に加え、2019年度ミス日本「水の天使」の西尾菜々美さんも参加した。

 打ち水を終え石井国交相は「日陰の時間帯だったので効果が小さく見えるが、日なたで路面温度が高い場合は相当の効果を発揮する。打ち水の取り組みが広がることを期待している」と述べ、貴重な水資源を活用して夏場の温度上昇を抑制する取り組みを呼び掛けた。

 打ち水大作戦はヒートアイランドに関する問題や水循環の重要性への関心を高めてもらおうと、NPO法人らが03年から全国的に実施を呼び掛けている。国交省はヒートアイランド対策や水の二次利用の促進などに対する職員の意識向上を目的に、04年から取り組んでいる。今回は15年以来4年ぶりの実施となった。

【水の大切さをもっと知ろう!】国交省、都内で水資源功績者表彰式開く

 国土交通省は5日、水資源行政の推進に顕著な功績のあった個人と団体に送る2019年度の「水資源功績者」の表彰式を東京・霞が関の国交省内で開いた。石井啓一国交相が受賞者に表彰状を授与し、功績をたたえた。

 冒頭、石井国交相は「皆さまの日頃の熱心な取り組みに敬意を表する。本日の表彰は、水の大切さについての国民の理解促進に大きく寄与するだろう」とあいさつした。

 水資源の開発や利用、水源の養成などに長年尽力した功績をたたえる水資源功績者表彰は、「水の日」「水の週間」行事の一環として、1979年から実施している。

 功績者に選ばれた団体・個人は次の通り。敬称略。

 【個人】安斎保(北海道)▽関和典(青森県)▽平安正盛(鹿児島県)

 【団体】浦和レッドダイヤモンズ(埼玉県)▽長野県安曇野市(長野県)▽岐阜県立恵那農業高等学校(岐阜県)▽佐賀東部土地改良区(佐賀県)。

【売り上げ規模100億円めざす】ミズノ、ワークウエア分野への進出加速

 スポーツ用品メーカーのミズノはワークウエア分野への進出を加速する。4月1日に「ワークビジネス事業部」を新設。スポーツウエアの製造で培ったノウハウをワークウエア開発に生かし、建設関連企業をはじめ幅広い企業に提案する。2021年度にはワークビジネス事業部の売り上げを100億円に押し上げる。

 ベトナムにある生産工場には設備投資を行い、増産に向けた体制を整えている。10月から本格稼働する。並行して営業力も強化。4月のワークビジネス事業部発足に合わせ、従来30人ほどだった営業部員は100人になり3倍以上増やした。まずは合同展示会への出展や銀行などが手掛ける企業マッチングなどを通し顧客の新規開拓を進める。

 商品にはスポーツウエア用に開発した機能を採用。作業環境に合うよう必要であれば仕様変更し、最適なウエアを提案する。吸湿速乾性や吸湿発熱性を持つインナーシャツはワーク向けにも展開。汗の臭いを抑える機能は接客シーンの多い企業のユニホームなどに導入する。

 ミズノがワークウエアを展開するため、専門部署を設置したのが1997年。これまでに建設会社や物流会社、病院など複数の企業にユニホームを提供してきた。ミズノの19年3月期の連結売上高は1781億円。この中でワークウエアを扱う事業の売り上げは約40億円と規模的にはまだ小さい。

 今回、取り組みを加速する背景についてワークビジネス事業部の石田雅司事業部長は「少子高齢化が進む中、純粋な競技スポーツ以外の分野を広げていく必要がある」と説明した。将来的なスポーツ人口の減少を見据え、布石を打った形だ。

 今後は、業種にとらわれず間口を広げて営業を展開する。機能性に加え、企業イメージにもつながるデザインを重視した商品の提案で、売り上げ目標達成を狙う。

【総延べ86万㎡、2023年春完成めざす】虎ノ門・麻布台地区再開発(東京都港区)が起工

 東京都港区の虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合(曲谷健一理事長)は5日、再開発ビルの建設工事に着手し、現地で起工式を開いた。

 区域を七つに分け、総延べ約86万平方メートルの施設群を建設する。全街区で設計は森ビルが担当。A街区とB-2街区を清水建設、B-1街区を三井住友建設、C-1~4街区は大林組が施工する。道路や公園などの公共施設の整備は清水建設・三井住友建設JVが担当。2023年3月末の全体完成を目指す。

 起工式の神事では曲谷理事長、森ビルの辻慎吾社長、日本郵政の長門正貢取締役兼代表執行役社長の3人が鍬、清水建設の井上和幸社長、三井住友建設の新井英雄社長、大林組の大林剛郎代表取締役会長の3人が鋤を入れ、施設の無事完成を祈願した。

 祝賀会で曲谷理事長は「事業後には、若者がたくさんいるにぎやかな街になることを期待している」とあいさつ。辻社長は「思い入れが深く、挑戦しがいのあるプロジェクトだ。最強の陣を敷き、社運を懸けて取り組む」と意気込んだ。井上社長は「各街区とも超高難度の工事であり、卓越した施工技術が求められる。施工幹事会社として各者と連携していく」と語った。

 計画地は虎ノ門5、麻布台1、六本木3(区域面積8・1ヘクタール)。1993年2月に再開発準備組合が発足。2017年9月に都市計画決定の告示、18年3月に本組合設立認可、権利変換計画認可を2月に取得した。国家戦略特区の認定事業の一つとして、国際水準のオフィス機能などを備えた職住一体型の拠点を形成する。組合には参加組合員として森ビルと日本郵便の2社が参画している。

 施設規模はA街区(敷地面積2万4104平方メートル)が地下5階地上64階建て延べ約46万平方メートル、高さ325メートル。B-1(9648平方メートル)は同延べ約19万平方メートル、高さ262メートル。B-2(1万6468平方メートル)が地下5階地上54階建て延べ約17万平方メートル、高さ237メートルの規模。

 C-1(4754平方メートル)は地下2階地上3階建て延べ約1万平方メートル、C-2(6348平方メートル)は地下3階地上8階建て延べ約3万平方メートル、C-3(899平方メートル)は地下2階地上3階建て延べ約2000平方メートル、C-4(1686平方メートル)は地下1階地上3階建て延べ約2000平方メートルとなる。

【歌舞伎町に新たなエンタメ拠点】歌舞伎町一丁目地区開発(東京都新宿区)が着工

 東京急行電鉄と東急レクリエーションは5日、東京都新宿区で「歌舞伎町一丁目地区開発計画(新宿TOKYUMILANO再開発計画)」の建設工事に着手した。

 ホテルや劇場などを含む高層複合施設を整備する。設計は久米設計・東急設計コンサルタントJV、外装デザインは永山祐子建築設計、施工は清水建設・東急建設JVが担当する。2022年8月31日の完成を予定している。

 建設地は歌舞伎町1の29の1ほか(敷地面積4604平方メートル)。複合施設はS・SRC造地下5階地上48階塔屋1階建て延べ8万8000平方メートルの規模。低層階に飲食店などを入れる。地下には最大収容1500人のライブホール、8~11階には約850席を備える劇場を設ける。12~15階は映画館、上層階はホテルとなる。施設周辺の都道302号(職安通り)の車線再構築などによる回遊性向上にも取り組む。

 同日、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で事業概要説明会が開かれた。東京急行電鉄開発事業部都内開発グループの田島邦晃課長は「施設のテーマは都市文化体験」と説明。ホールや劇場などで大衆娯楽文化をインバウンド(訪日外国人旅行者)向けに発信するイベントを開催していくとした。

2019年8月5日月曜日

【回転窓】シーザー・ペリのまなざし

外国人建築家が極東の島国・日本に進出するチャンスは少ない。そんな中でも日本で多くの大規模プロジェクトを実現したのが、7月19日に92歳で亡くなった米建築家のシーザー・ペリ氏だった▼マレーシアの首都を象徴する「ペトロナスツインタワー」やニューヨークの「ワールドフィナンシャルセンター」、日本の「あべのハルカス」など世界各国で超高層ビルのデザインを手掛けた。その多くをコンペで勝ち取った▼ペリ氏は国や地域が違っても建築や都市を使う、住む「ヒト」の存在を常に重視する建築家だった。建築デザインも自己表現を押し付けず形態的な先入観も極力排除。「デザイン・オン・レスポンス」という理念の下、建築を「モノ」ではなく街並みや文化の一部となり街とともに成長する生き物のように捉えて具現化していった▼「建築を考えることで都市を、都市を考えることで人を、そして人を考えることで建築をさらに魅力的にしたい」との思いでコンペに挑んだ。人への温かいまなざしが、コンペを勝ち抜いた源だったのかもしれない▼日本各地にあるペリ建築を訪れ、その魅力を改めて味わいたい。

【女性技術者が子どもたちに仕事を紹介】日建連、全国で「けんせつ小町活躍現場見学会」を開催


 □けんせつ小町と一緒にドローン操縦□


 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は7月30日、福井市の高架橋建設工事の現場で、女子小学生らを対象とした「けんせつ小町活躍現場見学会」を開いた。女子小学生やその保護者ら約30人が参加。高架橋に登って現場からの景色を楽しんだり、現場の工具に触れたりして建設業への理解を深めた。

 見学会を開いたのは佐藤工業・守谷商会・砺波工業JVが施工する「北陸新幹線、福井下莇生田高架橋工事」現場。開会に当たりあいさつした日建連の剣持幹丸広報部長は「暑いので体調に気をつけて貴重な現場を見学してほしい」と話した。参加者はけんせつ小町の石川詩織さん、時任美月さん、菊田遥子さん、矢野朱美さんの4人の案内で高架橋に登り、現場からの眺望を楽しんだ。

 参加者は現場見学の後、仕事体験としてドローン(小型無人機)を実際に操作したり、現場のさまざまな工具に触れたりして現場の仕事を体感した。

 質疑応答では「なぜ建設会社に入ったのか」「ドローンを操作できるようになるまでどのくらい時間がかかるのか」などの質問が相次いだ。保護者からは「新幹線が開通した後は見られないものが見られてよかった」「女性が活躍できる職場で驚いた」などの感想が寄せられた。

 けんせつ小町のリーダーを務めた石川さんは「握手を求められて驚いたがうれしかった。建設業界を知ってもらい、仲間が増える機会になれば」と将来の建設業の担い手が増えることに期待を寄せた。

 □神戸の下水処理施設でも□


 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は1日、女子小中学生らを対象にした「けんせつ小町活躍現場見学会」を、戸田建設・岩田地崎JVが施工する「西部処理場北系水処理施設築造工事(土木)」(神戸市長田区)の現場で開いた。

 保護者を含めて13人が参加し、同JVの女性技術者らの説明を受けながら下水処理場の施工過程を熱心に見学した。

 冒頭、日建連の永山貴一広報部長は「建設現場では多くの女性が活躍している。きょうの見学会では楽しいプログラムを用意しているので夏休みの思い出にしてほしい」とあいさつした。

 最初に築館雪花さん(戸田建設)ら現場で働くけんせつ小町が、自己紹介を交えながら建設業の概要や工事概要を説明。続いて中川晋太朗工事主任(同)の引率で、参加者らは生物反応槽など巨大ろ過施設の築造工事の様子を見学した。

 仕事体験コーナーではコンクリートとビー玉を組み合わせたオリジナルのカード立てを製作。電子黒板の操作や高所作業車の試乗体験もあり、親子一緒に普段味わうことのできない景色や感覚を楽しんだ。

 閉会あいさつで戸田建設の山本正幸作業所長は「きょうをきっかけに建設業に興味が湧いたら、未来の就職先の一つとして考えてほしい」と話した。

【延べ2・5万㎡、施工は戸田建設JVら】長崎市交流拠点PFIのMICE施設が起工

長崎市がPFIで計画している「(仮称)長崎市交流拠点施設整備・運営事業MICE施設新築工事(15街区)」の起工式が2日に尾上町ほかの建設地で開かれた。

 九電工を代表企業とする特別目的会社(SPC)が事業主体となりS造地下1階地上4階建て延べ2万4838平方メートルのMICE(国際的なイベント)施設の建設・維持管理・運営を行う。

 設計・監理は日建設計・松林建築設計事務所JV、建築工事は戸田建設・上滝・谷川建設・森美工務店JV、設備工事は九電工が担当。2021年7月末の完成、同11月の開業を目指す。

 MICE施設は分割利用できる平土間約2700平方メートルのコンベンションホール、約3800平方メートルのイベント・展示ホール、20~575平方メートルの大小会議室24室などで構成。22年度の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の開業に合わせて現在地より西側に移設される新たな長崎駅に直結する。

 事業方式はBTO(建設・移管・運営)。SPCの「ながさきMICE」が施設を建設し、20年間運営する。事業者選定プロポーザルの段階では施設整備費と開業準備費として約147億円(税込み)を提案していた。

 別途、隣接地には50年間の定期借地権を設定して行う民間収益事業として約200室の客室を備えた(仮称)長崎ヒルトンや地元放送局の社屋などで構成する延べ2万平方メートル規模の施設を計画しており、12月ごろに着工しMICE施設と合わせてオープンする予定だ。

【凜】国交省港湾局技術企画課・鈴木理恵さん


 ◇自ら考える力を養う◇

 大学では都市計画学を専攻。在学中に発生した東日本大震災を機に、防災への関心が強まった。卒業論文のテーマは「津波避難に関する研究」。その研究を通じて、震災直後の東北地方整備局の活躍をはじめ、災害時の国の役割や、防波堤など港湾施設の重要性を知ることができた。

 卒業後、港湾整備を管轄する国土交通省に入った。初任地の四国地方整備局で予算関連の業務などを担当。3年目に赴任した高松港湾・空港整備事務所では、浚渫工事の現場に頻繁に足を運び、現場を円滑に回すことの大変さを肌身で感じた。その現場で取り組んでいた、全国でも施工実績が少ない「軟衝撃グラブ」を活用した浚渫作業の安全確保について論文にまとめ、四国整備局の研究発表会で優秀賞、本省の国土技術研究会で最優秀賞に輝く。いろいろな意味で思い出深い現場となった。

 入省して5年目、港湾局に異動してからはICT(情報通信技術)活用工事の推進に取り組む。業界団体や研究機関など関係者との調整に奔走。現場の状況や新技術の動向などを理解するためには専門知識が必要となり、関係者の話に積極的に耳を傾ける。

 知識と経験を積み重ねながら「自分なりの考える力」を養う。将来、現場監督として活躍できる機会に恵まれた際には「きっと今の経験が生かせるはず」と信じて、仕事と向き合っている。

 (工事生産性向上係、すずき・りえ)

【中堅世代】それぞれの建設業・233

学生時代は野球一筋だった
 ◇人事異動を成長の糧に◇

 「なんで俺が人事部に…」。建材メーカーで働く小林直哉さん(仮名)は、予想だにしなかった部署への異動を上司から伝えられた時、がくぜんとした。当時は入社5年目の営業マン。営業がやりたくて入社した。クレーム対応など大変なことも多かったが、充実した日々を過ごしていた。それが突然人事部行きを命じられ、やる気をなくした。「3カ月くらいは死んだ魚のような目をして仕事をしていた」。

 中学、高校、大学と野球漬けの日々を送った。入社したての頃は仕事の大変さより野球の練習をしなくていいという開放感の方が勝った。「もう走らなくていいと思うとすごく精神的に楽だった」。“五月病”とはまったく無縁の新入社員。最初に配属されたのは大手の需要家をターゲットに営業する部署だった。全国から入るクレームに対応するため出張も多かった。「誠心誠意対応した。最後に問われたのは、いかに信頼される人間になるかという『人間力』だった」と振り返る。

 仕事に対する情熱を失った中でスタートした人事部での業務。消化しきれないモヤモヤした思いを抱えたままの自分に「小林、慣れない仕事で大変だろう」と声を掛けてくれる上司、サポートしてくれる同僚がいた。人事部で任された業務は採用活動がメイン。「学生に会社を知ってもらうのは営業で商品をPRすることに似ていた」。採用活動に面白みを感じるようになり、失っていた仕事への情熱が少しずつ高まっていった。

 人事部で8年を過ごし、次に配属されたのが経営企画部だった。正直、何をやったらいいか分からなかった。ルーティンの仕事はほとんどない。何もせずに一日が過ぎていく時もあった。悩むことが多くなり、朝起きると「仕事に行きたくねぇなあ」という思いが頭をよぎることも。転機になったのは異動して2年目に携わった中期経営計画の策定だ。年次が一番下で不慣れなこともあったが何とか完成させた。実際に中期経営計画というアウトプットができたことで達成感を得た。

 経営企画部に3年在籍し、次に広報部行きを命じられた。異動して最初は大阪本社に勤務。2年目になると東京に広報部をつくることになり、立ち上げメンバーに選ばれた。新聞社やテレビ局などマスコミに電話をしてあいさつに行き、取材してもらう。基本的な動き方は顧客の新規開拓と似ていた。営業部での経験が生きた。同じく役立ったのが経営企画部での経験だ。「社内の人脈ができていた。取材をアレンジする際、取材対象者と直接やりとりができる」。広報部に来て7年が過ぎた。

 振り返ると全く予想だにしなかった異動の連続だった。最初に経験した営業から人事への異動は、「どんな部署でもやっていく」と思えるようになったきっかけだった。異動を重ねるたびに自分も成長した。今の部署の在籍年数を考えると、いつ異動を命じられてもおかしくない。「営業部に行けと言われたらちょっときついかも」と苦笑いする。

【サークル】日本工営「こうえいクラブ会」


 ◇文化活動やスポーツ通じ社員が親睦◇

 日本工営は、グループ各社の有志による同好会「こうえいクラブ会」を後押ししている。卓球部やバスケットボールなど14部に対し、人数や活動内容に応じて年間200万円の予算を配分。文化振興や体育活動を通じ、普段会う機会の少ない幹部社員と一般社員が親睦を深めている。

 「こうえいクラブ会」は、水泳部や野球などスポーツをメインに活動する運動部と、華道、茶道といった文化部の計14部で構成する。同社は各クラブに対して活動に必要な会場使用料や用具類の費用などを支給。陰ながら活動を支えている。

 部員数が100人を超える野球部は、建設コンサルタンツ協会(建コン協、高野登会長)主催の野球大会にも出場。子会社の玉野総合コンサルタントとナゴヤドームで試合を行うなど社内外と交流を活発化している。

 ユニークな取り組みを行っている「べじくらぶ」は、東京・九段下の本社などを拠点に野菜を栽培。2020年5月に完成予定の新本社では、屋上菜園にも挑戦する。

【駆け出しのころ】JFEエンジ取締役専務執行役員社会インフラ本部長・四方淳夫氏

 ◇現場で自ら考えて行動を◇

 小学生のころに家族旅行で黒四ダムを見て、すごいと思ったのが土木に関心を持つきっかけでした。漠然と大きいものを造りたいと考えていましたが、大学時代に本州四国連絡橋(本四架橋)がまさに造られようとしていた段階を迎え、橋梁の研究室に入りました。

 本四架橋の建設に関わりたいとの思いから日本鋼管(現JFEスチール)に入社し、初任地は津製作所で橋梁の製作を担当。当時は新人に対して先輩も余分な口出しはしません。製作工程で自分なりの考えで指示を出すと、だいたい外れている。何が問題だったのかと昼間は場内を歩き回って情報を集め、夜に指示書を作成する日々が続きました。

 現場は動いているので、早く決めないといけない。間違えたらすぐやり直す。何かの本に書かれていたように「朝令暮改」ではなく、「朝令朝改」といったスピード感で対応しなければなりません。

 3年目から設計部門に移りましたが、8年ほど高速道路関係の案件などに携わりました。その後、再び津製作所に戻りましたが、そこでは設備の自動化が主な業務。専門外で2回目の新入社員のような状態でしたが、自動化のためのシステム開発や設備の導入・試運転などに取り組みました。設備関係の仕事が終わった時はグループマネジャーの立場となり、結局うまくタイミングが合わず、本四架橋のプロジェクトを直接的に手掛けることはかなわず、それは今でも少し心残りとなっています。

 津製作所の所長になった時、羽田空港のD滑走路のジャケット上部工を担当しました。その製作は難しかったですが、思い入れのある仕事の一つです。

 若いころ設計業務に携わった高架橋で、関連の延伸工事を当社で現在進めています。最近、その現場に赴くと当時のことが思い出され、感慨深かったです。インフラ構造物はそこに有り続け、そこに行けば見られる。昔は子どもも一緒に連れ回りながら、あちこちの鋼橋をよく見に行きました。

 近年、ものづくりの業界で品質偽装が相次いでいます。偽装に関わった人は追い詰められ、どこかの段階で一からやり直すか、ごまかすかといった岐路に立つ。そこで元に戻らざるを得ない仕組みを作らないと、社員も会社も守れない。ものづくりに携わる者として、戻る勇気があれば品質を偽装する必要もありません。

 若い人たちには言われた通りにやるだけでなく、自分で考えて行動することを大切にしてほしい。現場で実際に経験し、それを自分の力にしてもらう。人材育成の基本は、今も昔も同じです。
入社1年目。津製作所の同期と行った懇親旅行での一枚
(中央最後列が本人)
 (しかた・あつお)1981年大阪市立大学工学部土木工学科卒、日本鋼管入社。JFEエンジニアリング鋼構造事業部建設本部津製作所長、鋼構造本部副本部長、調達本部長などを経て2018年4月に現職。京都府出身、61歳。

2019年7月31日水曜日

【回転窓】働き方改革と移動時間

学生らが夏休みに入り、通勤電車がいつもより空いている。満員電車であることに変わりはないが、いつものようなすし詰めではなく、隣人との間隔が少しでも空くのはありがたい▼働き方改革の影響もあり、建設会社の今年の夏休みは8月のお盆時期に9連休という会社が多いようだ。年間労働時間が他産業に比べ長い建設業。それだけに長期休暇は労働時間の短縮にも効果的といえよう▼本紙最終面で「建設人のための経済学」を連載中(毎週木曜日)の大石久和氏は、働き方改革について「社員の働き方をどうするかは会社の経営者が決めること」で、政府が決めることではないと指摘。政府はあくまで労働時間短縮の手段を提供すべきだとも▼例えば暫定2車線という危ない高速道路を4車線以上にし、時速100キロで走れるようにすれば移動時間は大幅に短くなる。政府は働き方改革の掛け声だけでなく、どうすれば無理のない労働時間の短縮ができるかを考え実行すべきだと手厳しい▼確かにその通り。テレワークなど働く環境を変えるだけでなく、ハード面の整備も不可欠。移動時間の短縮はその好例といえるだろう。

【最大収容5000人、延べ1・3万㎡】青森市、新アリーナ整備にDBOとPark-PFI採用へ

青森市がアリーナプロジェクト有識者会議の会合を開き、旧国鉄青森操車場跡地(浦町橋本)に計画しているアリーナの整備手法を提示した。本体をDBO(設計・建設・運営)、緑地と広場、民間収益施設にPark-PFI(公募設置管理制度)は想定し、民間事業者で構成するグループが一体的に実施する考えを示した。今後、施設の規模や機能を示した要求水準書案をまとめ、秋に開催予定の次回会合で提示する。

 特定公園施設部分が小さくなることで国庫交付金の採択条件を達成しやすくなり、公募対象公園施設も小さいため、民間事業者の収益リスクが小さい。DBOも都市再生整備計画事業を充当できる部分があり、最もバランスが良いと判断した。

 民間事業者は設計・工事監理、建設、造園、スポーツ施設運営、施設管理、飲食・物販の各企業で構成したグループを想定。新アリーナの整備にDBO、広場や外構など特定公園施設と飲食や物販など民間収益施設の整備にPark-PFIを導入。収益施設は民間資金を活用する。

 アリーナは跡地中心部の市有地(約5・2ヘクタール)に建設し規模は約1万3800平方メートルを想定。メインアリーナは最大5000人を収容し、サブアリーナや多目的ルームを備える。約300台分の駐車場を確保する。

 今秋に要求水準書案を公表し同後半に事業者公募を開始。2020年度前半に提案を受け、同年度内に事業者を決定。22年度に着工し、24年度の開館を目指す。

【ゴシゴシ!ピカピカ!!】毎年恒例!日本橋(東京都中央区)を徹底洗浄!!

 名橋「日本橋」保存会(中村胤夫会長)が中心となって毎年開催している日本橋(東京都中央区)の橋洗いが28日に行われた。地元の町内会や企業などから約1900人が参加。デッキブラシで石畳の汚れを洗い流した。

 橋洗いは49回目。全国各地の名水を道路元標に注ぐ「名水合わせ」や、国土交通省関東地方整備局東京国道事務所による散水車を使った散水なども行われた。

 オープニングセレモニーで中村会長は「2020年東京五輪・パラリンピックで訪れる人たちに、きれいな街並みをお見せしなければならない。橋洗いをきっかけに、周りの清掃活動に取り組んでほしい」とあいさつ。山本たいと中央区長は「日本橋上空の首都高速道路の地下化が検討されている。橋洗いを機に、日本橋がさらに輝くよう、区としても協力していく」と語った。

【大型ビジョンや高密度無線LANなど整備】有明アリーナ(江東区)運営事業、電通ら設立SPCと実施契約締結

12月の竣工を目指し工事が進む有明アリーナ
東京都は30日、2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場となる「有明アリーナ」(江東区)の運営事業について、電通ら7社が設立した特別目的会社(SPC)の「東京有明アリーナ」とコンセッション(公共施設等運営権)方式に基づく実施契約を締結したと発表した。

 SPCの出資者は▽電通▽NTTドコモ▽日本管財▽アミューズ▽Live Nation Japan▽電通ライブ▽アシックスジャパン。協力企業として▽NTTファシリティーズ▽クロススポーツマーケティング▽三菱総合研究所-も参画する。

 運営開始は五輪大会後の21年6月を予定している。契約期間は46年3月31日まで。運営権対価は93億8682万7396円(税込み)。SPCの業績に連動して都に支払う金額は、税引き前当期純利益の50%に設定した。

 有明アリーナの規模はRC一部SRC・S造5階建て延べ4万7200平方メートル。12月の竣工を見込む。電通らの提案によると、スポーツ大会やコンサートなど幅広いイベントを企画。大型映像ビジョンの設置や高密度無線LANなどへの継続投資で、アジアを代表する最先端スマートアリーナとする。

2019年7月30日火曜日

【担い手確保へ工高生向けインターンシップ】神奈川建設重機協組、向の岡工高の就業体験受け入れ

 神奈川建設重機協同組合(内田靖夫理事長)は24~26日の3日間、県立向の岡工業高等学校(川崎市多摩区)から2年生7人のインターンシップ(就業体験)を受け入れた。

 生徒を迎えたのは▽大京建機(川崎市川崎区)▽多摩川機工(川崎市宮前区)▽市原クレーンサービス(横浜市港北区)▽理想環境エンジニアリング(横浜市青葉区)-の4社。大京建機は女子生徒2人を迎え、現役の女性オペレーターが「女性の立場からみた建設作業員」をテーマに授業を行った=写真。クレーンの操作体験や作業現場の見学などを通じ、クレーンオペレーターの仕事を学んでもらった。

 参加した生徒は「父が重機オペレーターとして働いており、小さいころから憧れていた。実際に操作をさせていただき、ますますオペレーターになるという目標が明確になった」(土田若菜さん)、「高校の出前授業でクレーン車に興味を持ち、インターンシップに応募した。女性から経験談を伺い、女性に優しい職場と実感できた」(吉田綾乃さん)などと話した。

 同協組は出前授業やインターンシップを足掛かりに高校などと関係を深めている。県内にある工業高校から卒業生を迎えるなど新卒採用で成果を上げている。担い手を確保・育成する成功事例として注目されている。