2019年1月24日木曜日

【回転窓】「マラソンの父」の思い

日本人初の五輪選手であり、「日本マラソンの父」と称される金栗四三。今年のNHK大河ドラマの主人公に取り上げられ、2020年東京五輪・パラリンピック開催を前に、国内の機運醸成に一役買いそうだ▼金栗は進学先の東京高等師範学校(現筑波大学)でマラソンと出会う。日本が初参加した1912(明治45)年のストックホルム五輪にマラソン代表で出場。猛暑で過酷な環境下でのレースとなり、結果は残念ながら途中棄権に▼その時の悔しさが日本マラソン界の発展に力を注ぐ原動力となる。「世界に通用する日本人ランナーを育成したい」という強い思いが、今や学生ランナーのあこがれの大会となった「箱根駅伝」の創設につながった。箱根の経験者が国際大会で活躍するなど、金栗の思いは脈々と受け継がれている▼大河ドラマの放映を機に、出身地の熊本では町おこしに力が入る。熊本地震発生から2年9カ月がたち、復興事業も本格化。地元のシンボルである熊本城の大天守は外観修復が今秋までに完了し、城内見学も一部再開される▼被災地の復興は道半ば。諦めず走り続けたその先にはゴールが待っている。

0 コメント :

コメントを投稿