2019年1月22日火曜日

【記者手帖】退職の作法とは

社員がある日突然会社に来なくなり、代理人の弁護士から退職する旨の連絡が入る-。そんなケースが若手を中心に相次いでいると取材先で聞いた。事情を聞こうにも社員本人とは連絡が取れず、弁護士は一方的に退職手続きを進めるよう求めるという。「こういう事態にはどう対策すればいいのか」と、経営者の男性は頭を抱えていた◆一刻も早く退職したい社員からすると、弁護士による代行は便利なサービスかもしれない。しかし後任への引き継ぎなど、退職に伴う最低限の仕事や責任を放棄してしまうのは、社会人として問題があるようにも見える◆退職時にトラブルが生じるケースがあるのも事実だ。知人の女性は月200時間を優に超えるサービス残業を強いられ、追い詰められた末に新卒で就職した会社を研修後数カ月で退職した。退職したいと上司に訴えても、能力不足について責められるだけでらちが明かず、逃げ出すように退職したという◆冒頭の若手社員の退職理由は不明。だが、会社と一切連絡を絶ってでも辞めようとするには相応の理由があるようにも思える。(ゆ)

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