2019年1月15日火曜日

【回転窓】育成の在り方

「指示を出すべきか、控えるか、折々の判断が正しかったのか悩みは尽きない」-。近所で活動する小学生の球技スポーツの指導者が、新年会の席で選手の育成の在り方を保護者と熱心に話し合っていた▼育成が話題になるのは建設業も同じ。「背中を見て育ってほしいと思ってきたが、今はとにかく寄り添おうと思っている」。建設関係団体の表彰式で、現場の工夫改善が優れ、最優秀賞に選ばれた技術者が若手との向き合い方をそう語っていた▼政府の19年度予算案を見ると、国土交通、厚生労働両省は、建設人材の確保・育成策に288億円以上を計上した。リカレント(学び直し)教育や、建設キャリアアップシステムに登録した技能者の技能実習講習のサポートなど、さまざまなメニューを用意する▼高齢化が進展し、世代交代を促すあらゆる手だてを講じる必要がある。支援策が充実し、育成の選択肢は増えつつあるが、相手が人である以上、それぞれに応じた向き合い方が求められる▼方法に正解も間違いもないのかもしれない育成。働き方改革を目指す一環として、その在り方を見つめ直す1年にしてはどうか。

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