2019年2月21日木曜日

【鉄鋼分野で世界最大級の規模】JFEスチール、千葉市内に大型破壊・疲労評価センター

 JFEスチールは、鉄鋼分野で世界最大級の大型破壊・疲労評価センターを千葉市内に開設した。これまで地区ごとに分かれていた一部の試験設備をスチール研究所の千葉地区(千葉市中央区)に集約。造船やパイプライン、建築用厚鋼板などの破壊・疲労分野で研究開発を一貫して行い、研究効率の向上を図る。

 同センターの整備には約10億円を投資した。スチール研究所千葉地区の所在地は川崎町1。開設した同センターは鋼板や鋼管に機械で圧力を加え、どの程度の力にまで耐えられるのか、実際に破壊し製品を評価する。

 建築分野では、より高強度で薄い鋼板を求める声があるという。都市部を中心に再開発などのプロジェクトが活発し、高さ300メートル級の超高層ビルの荷重に耐えられる鋼材が求められている。鋼材の厚さを薄くすることで溶接や搬送にかかる時間をできるだけ短くし、人手不足が深刻な現場で省力化につなげたいというユーザーの要望にも応える。鋼材の厚さを現在の100ミリから70ミリにするための研究や実験、評価を実施するという。

 船舶やガスパイプライン、建築用鋼材を試験する様子を顧客に見せて、製品や技術に対する理解を深めてもらう。鋼材の破壊・疲労に関する研究史や技術情報の展示スペース、会議室も完備。国内外の顧客や研究機関との共同研究、プロジェクトを創出するイノベーションの場としても活用する。

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