2019年3月11日月曜日

【回転窓】丘に咲くひまわり

「お母さんたちはひまわりの世話をしながら、子どもたちのことを話すのです」。宮城県石巻市立大川小学校に通い東日本大震災の大津波で命を奪われた児童の母親の手紙や話に基づいて制作された絵本『ひまわりのおか』(岩崎書店)の一節だ▼児童が避難しようとした丘に、母親などがひまわりを咲かせていく物語の絵本。日常を一変させた大震災を忘れず、命の尊さを伝えようと、ボランティアらによる朗読会が各地で開かれている▼伝承の取り組みは活発なものの、大震災を巡る世間の認識は変化しつつある。NHKが行った調査によると、小中学生の防災教育で大津波の映像を見せた方がいいと回答した被災者は7割にのぼったという▼被災地の中には、賛否が出るのを承知でこれまで避けてきた大津波の被害を見せる教育に踏み切った学校があると聞く。幼少期に被災した子どもたちも時の流れとともに成長した。大震災後の生まれで小学2年生になった児童もおり、防災教育の在り方が改めて問われている▼大震災から8年-。被災者、被災地の今とこれからをそれぞれの立場で考える。今日はそういう1日にしたい。

1 件のコメント :

  1. 被災地の防災教育、賛否の声がそれぞれあるのは分かりますが、リアルを伝えないと心には残らないと思います。形骸化しないためにも進んでくれると良いですね。

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