2019年3月26日火曜日

【記者手帖】異国で受けた優しさ

見知らぬ国で受ける親切は普段より心を打たれる。先日、空調衛生設備の展示会を取材するため単身ドイツ・フランクフルトを訪れ、改めてそう思った◆欧州有数の金融都市であるフランクフルト。展示会場はもちろん、さまざまな国と地域の人々が市内を行き交う。コミュニケーションをつなぐ言語は英語。恥ずかしながら語彙(ごい)力はつたなく、通訳の方に頼る場面が多かった。仕事はもちろん食事も一苦労で、言葉が通じないもどかしさを感じずにはいられなかった◆円をユーロに両替しようと銀行を探していた時のこと。道に迷って途方に暮れてしまった自分に話しかけてくれたドイツ人の男性がいた。身ぶり手ぶりを交え、つたない英語で意思を伝えようとした。その時、相づちを打ったり首をかしげたりしながら、親身になってくれる男性の振る舞いを見て、人の優しさを感じた◆インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加が続く日本。きっと初めての地で戸惑う人も多かろう。ドイツ出張を思い出し、勇気と優しさを持って声を掛けていこうと思っている。(裡)

0 コメント :

コメントを投稿