2019年4月4日木曜日

【回転窓】ラジオ復権に期待

インターネットの普及を背景にラジオを聴く人が減ってしまい、各局の経営を支える広告収入の減少にも歯止めがかからないという▼日本民間放送連盟は先日、設備維持の負担が大きいAM放送を廃止しより簡易な設備で送信できるFM放送に一本化するよう総務省に求めた。年度内にも制度改正の議論をまとめる▼電波の振幅を利用して音を伝えるAMは雑音に弱いが、遮蔽(しゃへい)物を回り込んで広範囲で受信可能。電波の周波数を変化させて音を伝えるFMは音質に優れる半面、電波の受信範囲が狭まる。放送局はそれぞれの特性を生かし、情報サービスを提供してきた▼深夜の音楽番組を愛聴していたリスナーの一人として、ラジオ放送の衰退に寂しさを感じる。災害時の情報発信ツールなど、ラジオの社会的役割は決して小さくない。設備面の合理化だけでなく、より魅力ある番組づくりが重要になろう▼土木学会と建設技術研究所が5月1日から、東京都中央区の地域コミュニティーFMラジオ局(中央エフエム)で新番組「ドボクのラジオ」をスタートさせる。一般リスナーの関心を集める情報発信に期待したい。

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