2019年5月10日金曜日

【民有地含む調査測量発注へ】都と新宿区、新宿駅直近地区再編へ検討加速

 東京都と新宿区は、一体的な再編を目指している「新宿駅直近地区」の都市計画手続きに向けた検討を加速する。都は同地区を対象とした調査測量業務を近く発注し、駅ビルなど民有地も含めた再整備手法の検討に役立てる。

 現時点では土地区画整理事業や都市再生特別地区の活用を想定している。駅前広場の交通量調査などを基に、都市基盤の整備計画の策定にも取り組む。2020年東京五輪・パラリンピック以降の事業着手を目標に検討作業を急ピッチで進める。

 駅直近地区は、複数の鉄道路線が乗り入れる新宿駅の駅舎や駅ビル、東口と西口の駅前広場を含む約10ヘクタールのエリア。都財務局は、同地区を業務対象範囲とする「新宿駅拠点再整備調査測量」の発注手続きを進めている。6月6日に委託先を決める予定だ。

 調査測量では、同地区のうち主に地下部5・9ヘクタールの現況測量と、民有地6・2ヘクタールの一筆地測量などを実施する。履行期間は20年3月23日まで。民有地を含めた再整備手法の具体化に向けた事前調査と位置付ける。

 駅前広場や歩行者ネットワークなど都市基盤の再整備については、都と区が事務局を務める「新宿の拠点再整備検討委員会」が18年度の検討状況を取りまとめている。そこで示された整備概要案によると、JR線路の上空に歩行者デッキと街の核となる広場「セントラルプラザ」を新設する。東口と西口の駅前広場は歩行者優先の空間構成に再整備する。京王線ホームを丸ノ内線側に移動し、ホーム階に改札を新設することなども明記した。

 都は駅前広場や駅周辺街路など都市基盤の都市計画手続きに向け、「平成31年度新宿駅周辺整備計画策定調査業務」を発注。4月にパシフィックコンサルタンツと契約を締結している。

 駅直近地区の一体的な再編には、▽鉄道駅施設整備▽公共施設整備▽駅ビルの建て替え-といった複数の整備事業で連携を取る必要がある。鉄道事業者を中心に関係権利者も多い。今後も検討委などを通じた関係者間の連携・調整が不可欠となる。

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