2019年5月21日火曜日

【記者手帳】絶海の孤島を支える建設業

伊豆諸島の最南端にある青ケ島。東京都に属する島民170人足らずの日本一人口の少ない村だ。この島の美しい夜空と青い海を見ることが、以前からの念願だった。昨年夏、願いがかなって絶海の孤島を訪れることができた◆島内唯一の海の玄関口である三宝港に船が近付くと、圧巻の絶壁が目の前に迫ってくる。火山噴火でできあがった生い立ちにふさわしく、島の周囲は全て海に浸食された断崖絶壁。砂浜など一切ない◆火山性地盤のため地面は崩れやすく、島のあちこちで崖が崩壊。港に面する断崖はこれでもかというほど治山工事が行われ、たくさんの重機で斜面が埋め尽くされていた。港自体も防波堤が無く荒波が直接岸壁を打つ厳しい環境。定期船も波の高い日は接岸できず就航率は半分程度という◆漁業や農業もままならないような厳しい自然環境で、建設業が住民の生活を支えている。島民に聞くと、生活物資を運んでくる港や険しい地形に造られた道路を維持する建設業への感謝の言葉が返ってきた。地域に不可欠な建設業。憧れていた島で暮らしを守る産業の大切さを知った。(全)

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