2019年5月22日水曜日

【こちら人事部】佐藤渡辺「粘り強さあれば出身学科は不問」

 佐藤渡辺は95年の歴史を持つ老舗の道路舗装会社。道路建設のパイオニアとして一般道はもちろん、輸送の大動脈として機能する高速道路や空港などの大規模プロジェクトも数多く手掛けてきた。

 長年積み重ねてきた実績と信頼で、官公庁をはじめとする発注者から選ばれ続けるポジションを確立。東京ガスの協力会社でもあり、衛生設備工事やガス工事も手掛けている。

 同社が求める人物像は▽コミュニケーション力がある人▽協調性がある人▽主体的に行動できる人▽粘り強く取り組める人▽ものづくりに興味がある人▽責任感がある人▽やる気がある人-の7点。石原子之吉総務部長は「『誠実』という社是の通り、特に粘り強く責任感がある人に来てほしい」と力を込める。

 技術系職員は主に土木系学科の出身者から採用するケースが多いが、幅広い学科から採用している点が特長。農学系学科の出身者のほか、現在は文系学科出身で施工管理を担当する社員もいる。石原総務部長は「文系の施工管理はとても少ないが、やる気と粘り強さがあれば出身学科は問わない」と強調する。

 多くの学生に会社を知ってもらうため、合同就職説明会やインターンシップ(就業体験)を通じてPRに力を入れている。インターンシップは合材工場や技術研究所で実施しているが、「工事の現場を見てみたい」という学生の要望を受け、新人研修を行っている現場で有志のインターンシップ参加学生向けに見学会を実施する試みも始まっている。

 ここ数年の採用活動は少子高齢化の影響もあり、家族の意向を受けて遠方への転勤を敬遠する学生が多く見受けられるという。石原総務部長は「全国に拠点がある会社なので、転勤を避けることは難しい」とした上で、「入社後は面談などを通じて本人の意向を聞きながら配属を決める。本人の事情も踏まえある程度は考慮していきたい」と話す。

 会社のアピールポイントは「風通しの良さ」。入社後1年間の研修期間はもちろん2年目、3年目や、3年目以降の研修では同期同士の交流の場や、上司との面談の機会を多く設けた。「社員同士のコミュニケーションを大事にし、社員の考えを会社に反映しやすい環境づくりを心掛けている」(石原総務部長)という。こうした風土づくりは、入社後3年以内離職率が10・9%という数字にも表れている。

 企業の情報はインターネットから簡単に手に入れられるが、石原総務部長とともに社員の採用・育成に携わる堀口正義総務部人事課長は「生の雰囲気に触れること」の大切さを強調する。「就活中の学生には、ぜひ説明会などに積極的に参加して企業、職場の雰囲気を比較してほしい。当社は社長方針として『安全、安心の確保』『いきいきと働ける職場づくり』を掲げる。実際に説明会などに足を運んで雰囲気を見て、当社の方針を理解してほしい」と呼び掛ける。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性20人(うち技術系16人)、女性0人(18年度実績)

 【3年以内離職率】10・9%(16~18年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性21・8年、女性15・7年(19年2月時点)

 【平均年齢】   44・7歳(同)

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