2019年6月11日火曜日

【記者手帖】東北を元気に

東日本大震災から8年余りが経過し、被災した東北各地では復旧・復興事業の「総仕上げ」に向け、インフラ整備が急ピッチで進んでいる。一方で、時間の経過とともに震災を知らない子どもが増え、自治体の首長からは「震災の経験と教訓の風化が懸念される」という言葉を聞くようになった◆関西から東北に赴任して2年がたつが、震災関連の記事は2年前と比べ減っているのかもしれない。日々の取材では震災を意識するようにしているが、仙台をはじめ多くの都市では新たな街づくりに向けた動きが相次ぐ。担い手の確保も大きな課題だ◆経験と教訓を後世にどう伝えるか。震災伝承の取り組みも本格的に始まった。東北地方整備局や東北4県らでつくる協議会が震災遺構や慰霊碑、モニュメントなどを「震災伝承施設」に登録するなど震災を風化させない新たな活動を始動した◆東北を担当する記者として復興や経験・教訓の伝承はもちろん、街づくりや建設業の担い手確保といった視点は今後、ますます大切になるだろう。これからも東北を元気にする取材を心掛けたい。(わ)

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