2019年6月25日火曜日

【記者手帖】消える魔球も今は昔

福島市にある福島県営あづま球場は1986年に完成した。総合運動公園内にあるこの球場はかつて、一部の人から「消える魔球場」というあだ名で呼ばれていた。その理由は砂ぼこりが尋常ではないから◆晴れた日に風が吹くとグラウンド内は恐ろしいほど砂じんが舞い、選手は体を風下に向け背を丸めて風がやむのを待った。ネット裏のスタンドで弁当を食べている時、砂ぼこりに見舞われると砂が落ちてきて、まるでコショウをまぶしたようになったという逸話もある◆砂ぼこりが舞うたびに球審はタイムをかけて試合を中断するのだが、その前に投手が投げれば打者は目を開けていられずボールが見えなくなる。それが「消える魔球場」というあだ名の由来である◆あづま球場は来夏の五輪で野球とソフトボールの競技会場に選ばれている。グラウンドは人工芝になるそうで、名物だった消える魔球は姿を消すことになる。オールドファンにとっては少し残念かもしれないが、新装された球場をぜひとも見に行ってみたい。(石)

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