2019年8月20日火曜日

【ガイドライン作成へ】文化財-火災の潜在的危険性高く消火設備の老朽化も

国内にある世界遺産や国宝の多くが火災に対する潜在的危険性が高いことが文化庁の調査で分かった。

 消火設備を設置していても老朽化が進み、機能低下しているおそれがあることも判明した。調査結果を踏まえ文化庁は、消防庁や国土交通省などと連携して防火設備整備の検討に関するガイドラインを作成するとともに、文化財防火対策について総合的、計画的な対応策を取りまとめる考えだ。

 文化庁は仏パリのノートルダム大聖堂の火災を受け、国宝や重要文化財(重文)を対象に防火設備などに関する緊急調査を実施。文化財4543棟の回答を得て、8日に調査結果を公表した。

 それによると、世界遺産や国宝の9割以上が「全部」または「一部」で木造となっており、これら建造物の6割以上が木造密集地にある。重文もおおむね同様の傾向で、改めて火災の危険性が高いことを確認した。

 世界遺産と国宝のうち約2割で消火設備が整備または改修から30年以上経過しており、老朽化による機能低下のおそれがあることが判明。美術工芸品の国宝を管理する博物館などでも消火設備が老朽化していることも分かった。

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