2019年9月27日金曜日

【きょうから環境アセス書縦覧開始】成田空港、C滑走路新設・B滑走路延伸など機能強化事業実施へ

成田国際空港会社は26日、成田空港(千葉県成田市)の機能強化に関する環境影響評価(環境アセス)書の公告・縦覧を27日から開始すると発表した。C滑走路(3500メートル)の新設、B滑走路(2500メートル)の北側延伸(1000メートル)などを計画している。縦覧は10月28日まで。成田空港会社は評価書に盛り込んだ環境保全措置の具体化を検討。同社の事業展開を巡る基本計画を国が変更するのを待って、機能強化に向けた許可を国に申請する。

 環境アセス書は、2018年4月に公表した環境アセス準備書に対する住民、千葉、茨城両県知事、国土交通相などの意見を踏まえて取りまとめた。工事に伴う環境対策の定量評価結果や、ハビタット適正指数(HSI)を用いた解析結果を示した。航空機の騒音対策のロードマップも記載。飛行コースは、20年東京五輪に備えたコースに差し替え、変更後の航空機騒音の予測結果を修正した。縦覧は千葉県庁、成田市役所などで行う。

 機能強化では、空港区域を約1000ヘクタール拡張し、関連工事として高速道路を含む周辺道路の整備なども行われる。民有地が730ヘクタールあり、うち677ヘクタールは土地取得の同意を得た。社有地と公有地の約270ヘクタールを合わせると、24日時点で95%の同意を得たことになるという。26日に東京都内で会見した田村明比古社長は「機能強化に対する地域の関係者の期待、理解の表れ」と謝意を示した上で、「これまで以上に地権者から理解が得られるよう、さらに努力する」と述べた。

 環境アセス手続きを終え、B滑走路やC滑走路の建設工事に着手するには、同社が行う事業などを定めた成田国際空港株式会社法に基づく基本計画を国が変更する必要がある。変更後に成田空港会社は空港施設の整備に伴う航空法の変更許可手続きを申請することになる。田村社長は「時期は総合的に慎重に検討したい。めどは話せる状況にない」と述べるにとどめた。

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