2019年9月10日火曜日

【凜】大谷組(埼玉県深谷市)設計部・中野万紀子さん


 ◇仕事を通じて地域と密着◇

 「設計の仕事は単にパソコンの前に座っていたのではだめ」というのが持論。仕事を通じて積極的に人と交わり、「相手の声を聞いて抱えている問題を解決する方策を探っていくことが大事」と強調する。

 勤務先は170年の歴史がある地元の建設会社。注文住宅を中心に、30年余り設計の仕事を担当している。

 介護が必要になった人や身体が不自由な人のための住宅改修も、どのようなリフォームが必要なのか直接当事者に聞き、密接なコミュニケーションを図って設計に反映することを心掛けている。

 地域の人たちとの交流を大切にしている。最近もふとしたきっかけから、旧日本陸軍が整備した給水塔などの水道施設を改修し住まいにした人との交流が始まり、住宅のリニューアルを手掛けることになった。

 地域活性化への関心も強い。酒造蔵など古い建物を保存再生して有効活用し、街の活性化につなげる取り組みに長年関わっている。胸の内にあるのは「昔のにぎわいを取り戻したい」という思い。地元の街づくり団体に参加し、地域に密着した仕事に役立てている。

 埼玉建築士会大里支部が設けた女性委員会の中心的メンバーでもある。埼玉建築士会が主催するイベントにも積極的に参加している。ものつくり大学(埼玉県行田市)では非常勤講師も務めるなど、幅広い分野で活躍の場を広めている。

 (なかの・まきこ)

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