2019年9月24日火曜日

【回転窓】菜の花のころには日常を

秋分を迎え、菜の花の種がまかれる時期になった。千葉県市原市は毎年9月の第3土曜日に「花プロジェクト」と銘打った菜の花の種まきイベントを行っている▼参加者は市を縦断する小湊鉄道に乗車し、沿線で地域の団体や住民と一緒に種をまく。ひと仕事を終えると、近くの畑で採れたばかりの野菜がたくさん入った「里山カレー」がふるまわれる。人気が高まり、市外から訪れる人も増えたという▼今年は18日まで開催するかが決まらなかった。台風15号の被害が大きく、復旧作業が続いているためだ。参加者を運ぶ小湊鉄道は、倒木などが相次いだ影響で、通常運行を再開したのが17日の午後7時台の列車から。それまでは手信号を駆使して運行させた区間もあったと聞いた▼「台風でみんなが大変な思いをしているの。線路の周りが菜の花の黄色でいっぱいになる来年の春は楽しく過ごせるといいね」。種まきの開催告知を見た母親が幼児にそう話している場面に遭遇した▼台風15号の襲来から2週間。この連休は台風17号で大荒れだった地域もある。各地の復旧・復興が進み、早く日常が戻るのを願わずにいられない。

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