2019年9月11日水曜日

【回転窓】熱意あふれる社員

駅前にできた長蛇の列。35度を超える猛暑の中で、いつ乗れるのか分からない電車を待つのはつらいものだ▼一昨日、台風15号の影響で首都圏近郊の駅にはこうした光景が、あちらこちらで見られた。やっとの思いで出社しても、数時間後には退社時間に。それが分かっていても会社を目指すのは「会社人間」と言われる日本人ならではの行動だったのではないか▼米ギャラップが2017年に実施した「エンゲージメント(仕事への熱意度)」調査で、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%にとどまった。調査した139カ国中132位という結果に▼会社の成長よりも自分の成長に重きを置く世代が増え、会社への帰属意識が薄れているという分析が添えられていた。ただ荒天にもかかわらず駅前にできた長い列を見る限り、会社への忠誠心が極端に薄れているとは思えない▼その調査では「不満をまき散らしている無気力の社員」の割合が24%もあった。企業が引き起こす不祥事は無気力な社員が増えているからではないか。社員のやる気を引き出し、個人の強みを伸ばしていく。経営者にはそんな指導力が求められている。

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