2019年10月21日月曜日

【回転窓】成果の発信をもっと

防災科学技術研究所(防災科研)が提供するウェブコンテンツ「クライシスレスポンスサイト」。防災科研と関係機関が発信する災害関連の情報や解析結果を分かりやすくまとめており、台風19号の甚大な被害を把握するツールとして注目を集めていると聞いた▼氾濫・浸水、停電、鉄道などの現状が地図に表示される。台風19号のコンテンツでは、衛星・空撮写真や現地情報に基づいた国管理の河川の氾濫箇所などが分かり、被害が台風の経路に集中したことが浮き彫りになっている▼サイトが提供する情報には、社会的に不可欠な課題を克服するため創設された政府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の成果が生かされている。防災・減災関連の研究には防災科研も参画している▼あるラジオ番組が、千葉県を中心に被害が相次いだ台風15号の後からサイトの存在と有用性をアピールしていた。19号の襲来前には別のメディアも利用を呼び掛けていた▼新しい教訓をもたらす災害は今後も避けられそうにない。過去を教訓にした対策の着実な前進と、成果の積極的な情報発信が今こそ求められていると思う。

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