2019年10月7日月曜日

【回転窓】変革を促す現場

紅葉が見頃を迎える山や高原が増えてきた。自然の中で広げる弁当をターミナル駅で購入する人が多くなっているそうで、楽しそうに弁当を選んでいる軽登山の装いの親子を見掛けるようになった▼鉄道事業者が品ぞろえに力を入れており、さいたま市のJR大宮駅では「てつどうのまち大宮」と銘打った「大宮弁当」の販売が10月に始まった。駅を行き交う東北、北陸など5方面の新幹線をデザインしたのが特徴。14日には記念イベントを開く▼大宮弁当は、現場のアイデアをベースにリニューアルされた。販売の担当者が「みんなで何かしよう」と開発に着手。食材を工夫するだけでなく、地域の魅力を踏まえ、グループの企業や製造先を交えて商品化にこぎ着けた▼大宮は複数の新幹線と在来線が行き交う首都圏の北の玄関口。蒸気機関車のメンテナンスを担う総合車両センターや、鉄道博物館もある。JR東日本のある幹部は「鉄道の街らしい弁当ができた」と太鼓判を押し、販売に期待を寄せる▼同社がグループの経営ビジョンに掲げるテーマは「変革」。現場発の取り組みが積み重なるほど成果は大きくなるに違いない。

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