2019年11月22日金曜日

【夢洲IR、事業者選定手続き開始へ】大阪府・市、実施方針案を公表



 大阪府と大阪市は21日、同市此花区夢洲地区への誘致を目指すカジノを含むIR(統合型リゾート)施設の進出事業者公募に向けた実施方針案を公表した。夢洲地区で開催する2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)との相乗効果を狙い、24年度の全面開業を目指していたが、万博会場整備の工期と重なるため、万博前の開業を目指しつつ早期開業に取り組む目標を設定。大阪メトロ中央線延伸費の一部など202億5000万円の事業者負担を明記した。

 12月に募集要項を公表、20年4月に提案書類を受け付け、同6月ころに事業者を決める。実施方針案の公表は、誘致活動や検討を進める他都市に先駆け全国初。

 大阪のIR予定区域は此花区夢洲中1ほかの市有地。面積は約49ヘクタール(南側敷地約39ヘクタール、北側敷地約10ヘクタール)。35年間の定期借地権を設定し事業者に貸す。契約後10年間の賃料は1平方メートル当たり月額428円で、その後5年ごとに見直す。土地は21年秋ころに引き渡す。将来拡張できる用地も東側に9ヘクタール設定した。

 予定区域には、10万平方メートル以上の展示場や収容人数6000人以上の国際会議場、3000室以上の宿泊施設、日本の魅力などを発信する施設、日本各地の観光地に送客できる施設、カジノを備えた「日本最大の複合MICE(国際的なイベント)施設」を整備する。

 IR施設の開業時期は万博前開業を目指すとしながらも「世界最高水準のIRおよび早期開業による速やかな事業効果の発現が実現できるよう、公民連携して取り組む」とし、万博前開業を努力目標とした。

 応募できるのはIR事業が実施できる単体企業か企業グループ。09年以降に延べ床面積50万平方メートルのエンターテインメント施設やレジャー施設などで構成する複合施設か、区域面積が約25ヘクタールで床面積が25万平方メートル以上の複合施設を開発・運営した実績を求める。

 □事業者提出のコンセプト公表、想定総投資額9300億円超□


  カジノを含むIR(統合型リゾート)施設の誘致プロジェクトに関連し、大阪府と大阪市が民間事業者を対象に実施していたコンセプト募集の概要が21日公開された。

 応募企業は▽MGMリゾーツ・インターナショナル(米国)とオリックスのグループ▽香港に親会社の本社があるギャラクシー・エンターテインメント・ジャパン▽ゲンティン・シンガポール・リミテッド(シンガポール)-の3者。立地や眺望、広い土地を生かした施設配置、特徴的なデザインの建築物などを提案した。

 中核となる施設のうちMICE(国際的なイベント)施設について、3者は6000人以上収容可能な大規模な国際会議室や、会議場全体で1万2000人以上が収容可能な国際会議場、10万平方メートル以上の展示施設を提案した。宿泊施設はファミリー層から富裕層まで多様なニーズに対応できる3000室以上のプランを示した。

 「非日常を感じられる独創的な都市景観などの実現」「夢洲の玄関口にふさわしいシンボリックなエントランス広場」「エンターテインメントを楽しめる屋外空間」「多彩なエンターテインメント施設の導入」なども示された。

 3者の想定投資規模は9300億円を上回る。大阪府・市は「十分な参画・投資意欲が確認できた」と評価した。

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