2019年11月22日金曜日

【回転窓】人口減少下の合理性

「募集をかけても(人が)集まらない」「継がせる気がない。こんなつらい仕事をさせられない」-。経済産業省のヒアリングに寄せられたコンビニオーナーの切実な声だ。競合会社やドラッグストアなどの出店攻勢で競争は過熱するばかり。人件費の上昇もあり最前線の苦悩は深まっている▼マニュアル化や物流の効率化などで成長を遂げてきたコンビニ業界。店舗単位では合理的なシステムでも、ニーズを上回る数の競合店が集積すれば経営は成り立たない▼最寄り駅前にはコンビニが5店舗ある。便利だが深夜に客がいないことも。現実には難しいだろうが、深夜営業を輪番制にして顧客を集中させ労力に見合った利益を上げる方が合理的▼コンビニ業界全体の売り上げは伸びている。災害時などのライフライン的な役割でも期待は大きい。持続可能な在り方を構築できるか、そして省人化が克服すべき問題か▼高度経済成長期に伸びてきたビジネスが人口減少時代に入りきしみを起こしている。自由で公正な競争に配慮しつつ、地域に必要な産業をどう存続させていくのか。建設業を含めた多くの産業が再考時期を迎えている。

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