2019年12月11日水曜日

【神戸港に二つの長大橋】近畿整備局ら、大阪湾岸道路長大橋の形式決定

新港・灘浜航路部に整備する連続斜張橋の模型
 国土交通省近畿地方整備局と阪神高速道路会社は10日、大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄間)の海上部に設ける長大橋の橋梁形式の選定結果を発表した。学識経験者らで構成する技術検討委員会(委員長・藤野陽三横浜国立大学上席特別教授)で一定の整理がなされたことから、中間取りまとめ(II)として公表したもの。東側の新港・灘浜航路部は「連続斜張橋」、西側の神戸西航路部は「1主塔斜張橋」を選定した。今後、残された課題のさらなる検討を進めるとともに、部材などの基本構造における詳細検討を実施する。

 大阪湾岸道路西伸部は神戸市東灘区向洋町東の六甲アイランド(六甲アイランド北IC)からポートアイランドを通り、長田区西尻池町に至る14・5キロ。陸上部、海上部とも大半が橋梁となり、公共事業と有料道路事業(阪神高速道路会社)の合併施行方式で行う。総事業費は約5000億円。

 新港・灘浜航路の連続斜張橋は、中央径間を均等割りにした最大支間長約650メートルの5径間連続斜張橋で、連続斜張橋としては世界最大規模となる。

 主桁は鋼桁、主塔は鋼製主塔(橋軸A型を基本)、主塔基礎は鋼管矢板基礎とする。単独斜張橋に比べ、地震時の損傷リスクの高い桁端部が少なく、桁端部が陸上に近接した箇所に存在し、緊急点検時のアクセス性や修復性に優れている。国際航路間の中央海上橋脚がなく、点検・補修も容易になる。また、二つの人工島を結ぶ1本の線として連続性を有することから景観にも優れている。地震動や地盤変位に対する構造冗長性も高い。

神戸西航路部に整備する1主塔斜張橋の模型
 神戸西航路は支間長410メートルと480メートルの1主塔斜張橋(ポートアイランド側主塔)で、1本主塔の斜張橋としては世界最大規模。主桁は鋼桁、主塔は鋼製主塔(ダイヤ型を基本)、主塔基礎は鋼管矢板基礎とする。

 2主塔斜張橋および和田岬側の1主塔斜張橋に比べ、維持管理性が高く、主塔が1本であることからデザイン性も高い。断層上の堆積層にみられる地層の傾斜を避けた位置に主塔を配置することもできる。今後、詳細設計に着手するが、具体的なスケジュールは未定としている。

1 件のコメント :

  1.  持続可能なインフラの構築に貢献します、補修補強工事はおまかせ下さ。

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