2019年12月19日木曜日

【回転窓】東洋のラスベガス

 20日で中国への返還から20周年を迎えるマカオ。10年ほど前に取材で香港を訪れた際、高速フェリーで1時間ほどかけてマカオまで足を伸ばした。「東洋のラスベガス」といわれる市街に入ると、華やかなネオンに目を奪われた▼カジノなどギャンブル以外の観光資源にも事欠かない。旧ポルトガル領だった時代の遺構が数多く残り、歴史的建造物が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。公道を使用したマカオグランプリは世界的にも有名だ▼昨年10月には香港とマカオ、広東省珠海を結ぶ世界最長の海上橋「港珠澳大橋」(全長55キロ)が開通。交通インフラの拡充で旅客流動の円滑化を促し、地域経済の柱である観光分野の産業振興を後押しする▼米中貿易摩擦や中国経済の減速、香港デモの長期化などの影響を受け、最近はマカオのカジノ収入が減少傾向にあるようだ。中国本土からの来訪者が大半を占める客層の多様化も今後の課題に挙がる▼わが国でもカジノを含むIR(統合型リゾート)整備の動きが本格化。先行モデルを参考にしつつ、市民が納得した形で事業化の道筋を付けてもらいたい。

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