2020年3月10日火曜日

【記者手帖】復興に思いはせる

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、卒業式を中止する学校が出ている。東日本大震災の発生で大学の卒業式が無くなり、学生課で卒業証書を手渡されるという味気ない学生生活の終わりを経験した身からすると、収束後への延期や規模縮小で対応できないものかと思ってしまう◆記者の仕事に就いてからは東北地方に出張する機会に恵まれた。取材先の港町で立ち寄ったショッピングモールは1階がすべて駐車場だった。珍しく思って眺めていると、地元の方が「一帯が津波被害を受けた教訓だよ」と教えてくれた◆家族連れでにぎわう日常空間にも震災の記憶が刻み込まれている。津波で壁面が大きくえぐられた建物を目の当たりにした経験もあったが、その時よりも受けた衝撃が大きかった◆言うまでもないが建設業界は自然災害からの復旧・復興に大きな役割を果たす。明日で東日本大震災の発生から9年。被災した方や復興に尽力してきた方々に思いをはせたい。社会人として9年目を終えようとしている今、記者として何ができるのか改めて考えている。(ま)

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