2020年3月3日火曜日

【記者手帖】マスクと取材

「新型コロナウイルスの流行は、建設業の働き方にどのような影響を与えるでしょうか」。あるゼネコンの社長にそう質問してみた。社長は答えようと口を開いた後、こちらに断りマスクを着用。思案するような目で「建設業の働き方は変えなくてはいけないが…」と言葉を濁した◆ウイルスの感染拡大防止を目的に、マスクを着用する機会が増えている。「マスクを着用したまま取材先に行くのは相手に失礼なのでは…」と迷っていた時期はとうに過ぎ去り、いまでは人と会うときにマスクを着用することはマナーとして定着しつつある◆セミナーや講演会などの取材が相次いで中止になる中で、かろうじて開催された取材は記者も取材対象もマスク姿という異様な光景。そんなマスク着用生活を続けることで、やはりマスクを着けた相手の表情は読み取りづらいと痛感している。微妙なニュアンスの違いが特に難しい◆冒頭の社長は、この状況を建設業の危機と捉えているのか、あるいはこの機会に働き方を変えなくてはと決意しているのか。マスクの下の表情は読み取れなかった。(ゆ)

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