2020年3月3日火曜日

【Park-PFI導入、20年度に事業者公募】名古屋市、瑞穂公園再整備でマスプラ案策定

名古屋市は陸上競技場、ラグビー場、野球場などのスポーツ施設を備える瑞穂公園を再整備するため「瑞穂公園マスタープラン(案)」をまとめた。園内に点在する遺跡や自然環境の保全に配慮しながら、国際的なスポーツの拠点、市民が交流する憩いの空間を形成する。

 全体の再整備・運営に当たっては、Park-PFI(公募設置管理制度)方式を導入、官民が一体となって取り組む。計画期間は2020年度から40年度まで。このうち、PFIを導入する陸上競技場改築については、20年度中に事業者を公募・選定する予定だ。

 瑞穂区山下通5にある同公園は、面積約24・6ヘクタールの都市公園。第1種公認の陸上競技場、ラグビー場、野球場、相撲場、テニスコートなどのスポーツ施設、宿泊研修所などが設置され、21年には体育館がオープンする。園内を山崎川が流れるなど自然環境に恵まれ、国史跡の大曲輪貝塚、古墳などもある。

 年間利用者は約140万人(18年度)。陸上競技場は過去2回、国体が開かれ、サッカーJリーグ「名古屋グランパスエイト」のホームスタジアムとしても知られる。ラグビー場ではトップリーグの試合が開催されている。ただ、公園全体では、利用のされ方、道路や河川による動線の分断、施設の老朽化などで課題も目立つようになってきた。このため市は、26年アジア競技大会開催を機に、公園全体を再整備することにした。

 構想によると、再整備の柱は▽スポーツによるにぎわいの創出▽市民交流・憩いの場▽自然環境の保全と活用▽名古屋の歴史の始まりに触れる-の4本。スポーツ施設は、建設中の体育館を21年に開館させ、アジア競技大会のメイン会場になる陸上競技場の改築、試合前アップスペースの確保、ジョギングコースの設定、既存施設の保全を図る。陸上競技場については、現施設を取り壊し、収容人数3万人(アジア大会開催時3万5000人)規模の新競技場を建設する。

 交流・憩いの場創出では、宿泊研修施設のリノベーションによる地域交流拠点形成、新たなにぎわい拠点、交流スペース、子どもの遊び場などの整備を進める。まちづくりと連動した地下駐車場の整備、災害時緊急物資集配拠点として体育館活用にも取り組む。

 再整備のための行政手続きでは、一般車両の進入抑制、特別用途地区「スポーツ・レクリエーション地区(仮称)」の都市計画決定による観覧場や駐車場の用途制限緩和、一部用途地域の変更、必要条例の改正による運動・教養施設等の建築面積割合、運動施設敷地割合の緩和を実施する。

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